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皆でたむろしていた場所は、日中であっても滅多に人が寄り付かない、閉鎖された工場跡地だ。
敷地は広く、中には朽ちかけた建物や、元は従業員達の憩いの場だったのだろうと思われる公園もあった。
そこにはヤンキーは勿論、半グレや薬の売人等が入り交じった無法地帯だ。
素手じゃ到底太刀打ちできない。
喧嘩にはナイフを使うようになり、そうなれば自然と怪我も軽傷じゃ済まなくなる。
何度深傷を負わせたか知れない。
恐らく、八つ当たりもあったのだろう。
公一がいなくなり、また孤独になった。
たまに泣きたくなる時もあった。
だけどその気持ちが何なのかは気付かなかった。
2年後の深雪が18歳の時。
一時帰国してきた公一に、あの言葉を言われなければ、深雪はあのままのたれ死んでいただろう。
まさか公一が迎えに来るなんて思っていなかった。
更には結婚して欲しいとまで言われ、深雪は頷いていた。
その時やっと、この寂しさが恋だと気付いたのだ。
アメリカの生活は思っていた以上に大変だった。
英語など全くわからなず、地理的感覚も皆無。
初めはしょっちゅう、公一に愚痴っていた。
だが、それも最初の一年だけだった。
深雪の頭は、もともと空っぽだ。
よく、子供の方が慣れるのが早いと言うが、まさに深雪はそれだった。
見た目は大人でも、中身は子供と大差ない。
いつの間にか日常会話はできるようになり、不便もしなくなった。
深雪は公一に出会って、初めて居場所を手に入れられた。
そして、自分が女であり、近藤深雪だという事実も受け入れられたのだ。




