7.モヤモヤする気持ち
「失礼します。護衛の2人連れてまいりました」
「どうぞ」
「失礼します」
「失礼します」
部屋はとても広く、豪華だった。さすが王妃様の部屋って感じ?
金色だけではなく明るくなるような白や黄色などが入っているとても綺麗な部屋だ。
でも、何よりも王妃様はとても美しく、豪華な服に負けないくらい綺麗な顔をしていた。
王妃様の前にいるのも恐れ多いのでなるべく深く礼をする。
「別に気にしなくてもいいわよ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「まぁ、座って。スーザンお茶を用意して」
「かしこまりました」
なるべく上品に見えるように座る。隣に律も座る。あんまり礼儀作法にうるさい人じゃなくて、まぁ、王妃様が優しくてよかったのかな、、、
やばい緊張して、カチコチだ〜
そんな様子がバレバレだったのか、ふふっと軽く笑われる。
「そんなに緊張しなくていいわよ。ところで、2人は護衛をしてくれるのよね?」
「はい」
「そうです」
「そう、ウィリアムも婚約者のエミリー様も優しい子だからすぐ仲良くなれますよ。少し頑固なところはありますがね!必ず守ってあげてください」
「はい」
「はい」
「2人とも何歳かしら?」
「私も、彼も17です」
私が代表して答える。すると王妃様は少し嬉しそうな顔をする。
「それはよかったわ〜!ウィリアムもエミリー様も15歳で2人とも1番上の子なのよ。だから妹、弟のように接してあげて」
「かしこまりました。王妃様」
「あら、王妃様なんて言わなくていいわ〜。シャーロットと呼んで!」
「で、ではシャーロット王妃と呼ばせていただきます」
「王妃なんてつけなくてもいいのに」
そんなことを言われてもな〜
王妃、せめて様でもつけないと殺されそう、、、国王陛下に、、、あのシャーロット王妃を殺そうとしていた男を見るアーノルド陛下の冷めた目をおもいだし、思わず身震いする。あの目に見つめられたら即死だ、、、
そう考えて少し苦笑いをする。律も少し苦笑いをしていた。
「シャーロット様!お二方が困っていますよ。それにもうそろそろ休まれないとアーノルド陛下に心配されてしまいますよ」
侍女のスーザンが言う。なんだかんだ言って、スーザンさんはシャーロット様と仲が良いのかな。
「そうね。じゃあ、また明日紹介するからそれまで部屋でゆっくりっしてなさい」
「ありがとございます」
「失礼いたします」
バタン後ろでドアが閉まる音が聞こえる。
ふ〜思わず息を吐いてしまった。
一気に緊張が溶ける。
「めっちゃ緊張した〜」
「だよな〜!王妃様、、、シャーロット王妃すごく優しいな〜」
「そ、そうだね〜!また、明日もドッキドキだよ〜!」
なぜだろう、、、律は本当のことを言っているだけなのにこんなにもモヤモヤするなんて、、、
「大丈夫か?」
そう言われて慌てて表情を笑顔にする。
「だ、大丈夫だよ!」
「そっか」
「今からは自由にすごしてください。では私はこれで」
「ありがとうございます。ルーカスさん」
「ルーカス!あとで部屋来て!話そう!」
「うっ、、、かしこまりました。では失礼します」
「ちょっとまてー!いま、明らかに嫌がっただろ!」
「なんのことでございますか?では、失礼します」
そういって、ルーカスは去っていく。
「ふふっ。律はは面白いね!」
「なんだよ!て言うか、さっきまでメガネかけてボーッとして虐められてた人が、、、な、なんでもない」
「なに?」
「な、なんでも。じゃ、じゃあ、戻ろうか」
「え〜?きになるのに!」
「また今度話す」
「わかった。じゃ、行こう!」
「あぁ」
「で、あとでルーカスと2人で話すならルーカスの好きな人聞き出せない?」
「え?!す、鈴華る、ルーカスのこと好きなの?!」
「ちがうよ〜!見て!」
そういって、ルーカスとルナが話している場所を指差す。
ルーカスは無表情に対しルナは軽く頬を赤く染めている。
「あぁ〜そう言うこと〜」
そういって、律はニヤニヤする。
ニヤニヤしてもなんだかんだかっこいいな〜、、、っ!
かっこいいなって思ったの?!律に対して?!
どうした私!っつ!
「ニヤニヤしない!じゃあ、聞いておいてね〜!」
「うん!じゃあな!」
「また明日〜!」
どうしたんだろう、今日の私なんか変?
ちょっとルナに聞いてみようかな〜
そんなことを考えながらルナのところに歩いていく。