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東十条と米軍将校

「おい、彫りを入れるなら、どんな図柄がいい?」

「刺青か? なら、桜がいい」

「脂ののる頃合いを見計らって彫るのがええよ。艶とか全く違う」

「この桜の図案がいいな」

「本当に彫るのかい?」

「見ているだけだ。父ちゃん母ちゃんに、自分の身体を傷つけてはいかん、そう言い聞かされて育ったんだ」


「そこの外人さん、江戸に酷いモノを落としてくれたね」

「救援物資だ、新兵の訓練が行き届いていなかった」

「日本をどうするつもりだい?」

「無条件降伏だといったはずだ」

「Nine was Nine, Ein ist ein. Article No. Nine. No war, Know Word」

「おしゃべりが過ぎるよ」

 女将は東十条の宮にちくりと針を刺した。

「痛ぇな」


「とりあえず、酒でも飲もう。日本酒でいいか?」

「それじゃつまらん、闘尿といこう」

「ほう」

「酒を交互に飲んでいって、先に便所に立ち上がった方が負け」

「いいだろう」

「ポツダム宣言は、ポーツ、ダム宣言、ポーツ、無駄、宣言」

「無駄弾があれば輸入するということか?」

「地球儀で見ると、狭い国でね、石油は出ない、鉄もない」







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