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広島のNew Clair
関東大震災後。
「江戸で大地震があったらしい」
「全部焼けたと」
「上方は全部下町に角材を売ったらしい」
「広島もするか」
「やれ、引越だ」
「みんな、立ち去るがよい」
徴兵から帰ってきた農家の次男三男は驚いた。
「おい、家がなくなっておる」
「うちもだ」
驚くのも無理はない。町が丸ごとなくなってしまっている。
何でも大地震あとで、
「いや、もしや、噂の核爆弾かもしれん」
来日中の駐在官は言う。
「New Clear」
「どういう意味だ」
「自明です」
「新しくさっぱりしたな」
「坊主頭みたいなものだな」
「また家が建つ」
「いえ、それが、人体に害を及ぼす物質で汚染されてしまうので、人はしばらく住めない、そうです」




