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異界渡りシリーズ

狐火の姫巫女

作者: 星宮雪那

異世界トリップした少女は、姫巫女様と呼ばれ、神殿で儀式と祈りを捧げ、世界の邪気を浄化する役目を持たされて旅に出る。

ふわふわとした狐火が周辺を漂う。

それは、円を組むように形作り。

気付けばその中心に一人の人影が産まれた。

いや、召喚されたのだ。

「いらっしゃい。」

囁く様な甘やかな男の声は、低く何処か色気を含んで居る。

しかし、呼び出された者は、ただただ呆然とほうけた様に周囲を眺め。

暫くして、眼前の者に気付いて、戸惑ってあた。

「…仮装?コスプレ?てか、ここどこ?」

彼は召喚された者からしたら、とても風変わりな服装だった。

古い平安時代見たいな狩衣だ。

無論、召喚した者からしたら、呼びたした者の方が風変わりな服装。

素肌の見える夏のセーラ服に、スマホに学生鞄に、部活用の運動着の入ったスポーツバックと、リュックに入ったお弁当とお菓子とペットボトル数本とタオル。

今日は土曜で、完全に部活用のフル装備だ。

いつもよりいろんな物を持って、意気揚々と玄関から一歩踏み出したら、半な所に出た。

なんだこれ?

「よく来たね、異世界の狐火の姫巫女様。」

すげえイケメンが居る。

何か耳と尻尾が有るよ?

機嫌良さげに尻尾フリフリしとる。

あぁなんかわかりやすいね。

尻尾気になって、話が頭に入ってこないよ。

「ひ、姫巫女様?

ちょ、そんな、ダメです大胆過ぎです。

ひゃっ、あ、あっ、そこはダメ、あふん。」

気付いたらつい我を忘れて、尻尾もふもふしまくってしまった。

イケメンさんが、息も絶え絶えグッタリ倒れてから、我に返る。

落ち着いた頃にイケメンさんに聞いたら、ここは異世界で、数十年に一度彼等が崇拝する神様の神域を浄化する為に、別の異世界から清らかな乙女を召喚して。

姫巫女として、聖なる光の魔法?見たいな力で浄化を手伝ってもらうそうな。

何でも、同じ世界の人だと世界の影響を受け過ぎて、浄化する力が起こせず。

異世界の乙女に神が力を与えて引っ張り込む形なのだとか。

物騒な戦闘も無いし。

生贄とかでは無いので一安心。

騙されてなければ、浄化完了したらこちらに来た時間に戻れるみたいだし。

まぁ、ともかく頑張って見ますかね?

「あの、姫巫女様、知らない様なので。

その、我らにとっては尻尾は好きな異性に触らせる所なので。

愛玩動物のように触れてはなりませんよ?」

最後はごにょごにょと、自分は好きにしても良いんですが、気持ち良かったし。

とか、何か小声で言っていたけど、良く聞こえなかった。

そっかぁ、尻尾もふもふはセクハラかぁ。

うん、残念。

気を付けよう。

「所で姫巫女様、お名前は?」

「高原榛名、ハルナと呼んでね。」

しかし、何故か微笑むだけで呼ばれるのは姫巫女様呼びだ。

そんなこんなで、イケメンさんに連れられ、大きな屋敷にたどり着く。

屋形は戦国時代のお城見たいな天守閣?見たいなのがある大きな感じだ。

装飾は和風何だけれど、床は畳じゃなくフローリングとか絨毯だった。

突き刺す違和感が凄いよ。

何処か色々混ざってら。

ちなみにこのイケメンさんは、神官や陰陽師的な職業で、マーズ・カルアと言う赤髪の赤い瞳の持ち主。

もう、完全に西洋名でずっこけた。

分かりやすく言うと。

西洋のMMOに無理矢理ねじ込んだ、コレジャナイアジアン和風感満載です。

その後紹介された天守閣に居る帝様は、日本神話の神様みたいな服装で、金髪碧眼なハンサムさんでした。

御簾越し会話でもなく。

もう、普通の玉座に座っていたよ。

帝と言うより、王様です。

すげえ脳筋タイプなので、気さくだけど暑苦しいです。

その後、あれよあれよと言う間に、メイド達に拉致られ。

お風呂で磨かれ。

気付いたら、日本神話みたいな巫女服になってた。

露出は現代セーラー服よりは無いけど。

十二単よりは薄着だな。

この姿でゆったりと椅子に座っていたら。

何故かメイドさん達が真っ赤にっなって俯いていた。

少しして、マーズさんが部屋を訪れたら、今度はマーズさんが真っ赤になってた。

何でも黒髪の黒瞳な姫巫女は、神が与えたフェロモンが強く出てるとかで。

どうしてか、相手が魅了状態になりやすいんだとか。

んな事言われても、魔法すら無い世界から来たから。

力の制御どころか、自分の能力がある自覚も感覚も分からない。

取り敢えず、この世界の簡単な歴史とか一般知識。

後はこのよくわからない能力制御を学ぶ事にした。

まず、魅了を防ぐアクセサリーを着ける。

そんで平常心を保つ。

ざっくり言うとそんな感じ。

私には、よく分からなかったが、自分の内側に微かに感じだ違和感を、鎮めるように落ち着かせた。

そしたらそのうちコントロールは上手く行ったらしい。


十二箇所の干支的な神殿で儀式と祈りを捧げる。

日本のような島国だから、それ程大きな国では無いけれど。

国中に分布する神殿には長旅になった。

マーズさんと私、世話係のメイドさん二人、武士二人と護衛が四人、馬車操る者は二人交代。

本当はもっと大人数にしたかったらしいのだが。

あまり多くても、長旅の食費や維持費がたいへんになってしまう。

だから、少数精鋭に絞ったんだそうな。

で、あまり出ないはずの魔物がチョロチョロ現れたり、盗賊とか現れたりしたけど。

気付いたら、彼等が倒していた。

私要らないんじゃないか?

ごめん、役に立って居るのかわかんないや。

だって、闘い方とかさっぱり分からない。

でも、ダンス部に居たから身体はそれなりな鍛えて居ると思うから、誰かに護身術位は習うかな。

そう思ってマーズさんに相談したら、メイドさんに習う事になった。

メイドさんマジくノ一。

何故か服装は、大正浪漫メイドさんなのだけどね。

所で皆に名前言っても、今だに姫巫女様としか呼ばれないのはさみしい限り。

でも、五つ目の神殿でで理由が分かったの。

五つ目の龍の神殿の巫女が、優しく教えてくれた。

「名前には神の力が宿ります。

特に巫女や姫巫女様は、役目を終えるまで人界の災厄を、名を呼ばれる事でその身に受け易くなるの。

守護する者達は、むしろ貴女様に被害が及ばないようにあえて呼ばれないのです。

決して悪い感情で呼ばないのではありませんから、あまり気に病まないようにね。」

ちなみに、私が呼ぶ分には、言葉に加護が架かるからむしろ良いのだそうだ。

うーん違いが分からないけど、皆に気遣われているのは分かった。

そうこうしているうちに、犬獣人のメイドさんと、虎獣人の護衛さんが旅の途中でリア充になった。

怪我したメイドさん守って闘って魔物倒したのがフラグだったようです。

もう一人の猫獣人のメイドさんは、豹獣人の武士さんに惚れられてますが、スルーしてるのは旅の前からなので、こたらは進展薄いようです。

私は、小柄でまだ13歳なせいか、子供扱いはされても、そういった対象にはならないみたいです。

ただ、マーズさんにはもふもふマスターとか言われ。

時々二人っきりになると、尻尾を無防備にフリフリ見せてくるのです。

これは色恋とは別の誘惑だよ。

二人キリならもふもふしていいってマーズさんに言われてるから。

問題無いよね。

頑張ってるご褒美だよね、

狐獣人のマーズさん毛並み良過ぎ!

(誘惑に負けるの図)

でも、もふもふしてると、マーズさん大声出さないようにしてるけど。

時々甘い変な声になるんだ。

くすぐったいのかな?

しかし榛名は知らなかった。

わざわざ消音魔法と、強めの結界張って。

他の人が入れなくして居たりする事を。

マーズさんとんだ変態ですた。

後に、猫耳のメイドさんにバレて、マーズさんが正座で怒られていた。

うん、くすぐったの私だけど、マーズさんは年上で。

世間知らずのイタイケな姫巫女様騙くらかした的な扱いのようだ。

世知辛いね、マーズさん。

猫獣人のメイドさんが落ち着いた頃に、私の居た世界に愛玩動物は居ても、獣人は居なくて色々分からなかったとフォローを入れて。

私も気を付けると約束した。

まぁ、マーズさんに多少聞いては居たんだけど、もふもふの誘惑恐ろしや、だな。

げふんげふん。

ちなみにマーズさんには、どえむのろりとか罵られてた。

何故か、満更でもない感じのドヤ顔してたから。

かなりの変人さんなのは間違いなさそうだ。

面白いし、強いしかっこいいのにね。

あ、こう言うの、残念なイケメンって言うんだっけ?

旅は問題無く終り、最後の神殿で儀式と祈りを終えた時。

私の姿がこの異世界から消え始めた。

「姫巫女様…いえ、榛名!私の榛名。

貴女様を愛してる!

どうか待っていてくださいね。

私は…!」


最後まで、マーズさんの声は、転移の轟音に掠れて聞こえなかった。

私は、皆にお別れ言う暇も無く。

元の世界の玄関先に戻った。

長い長い白昼夢の様な出来事は、私の手が握る物。

綺麗な狐の炎の様な、マーズさんに最後に貰ったお守り数珠が。

それを真実と告げていた。

少し泣いてしまって、外で待っていた幼馴染みが、流石に困ったようにオロオロして私を宥めている。

私の見た不思議な出来事を休日に話すと、軽く驚いただけで信じてくれた。

うちの街は、昔から異界との歪みが起こり易いとかで。

そういった異世界トリップ事件は多いんだそうな。

知らなかった事だらけだよ。

三年後、幼馴染みが私とは違う世界の勇者として召喚され。

私も姫巫女の力が残っていたみたいで巻き込まれて召喚される。

そして無自覚ハーレムるおバカ幼馴染み。

だから、ハーレムなんて沢山の人に気を使わなきゃいけない時点で、あの豆腐メンタル野郎が対処出来る訳無かろう、と気付けよ。

私は絶対フォローして上げないんだからね。

とか、何かマジ色々あったんですよ。

そんなおバカの無自覚ハーレムる行動に、結局なんだかんだと一年間、こちらに戻るまで振り回されるのは、又別の話。


マーズさんの事ですけど。

私が18の高校卒業式の日。

帰りの桜並木の花吹雪に紛れて、私の前に出現した。

あの時から、彼からしたら二年程しか経過して居ないんだって。

こっちからしたら、五年経過。

だから一瞬誰だか分からなかった。

だって、あのもふもふが無かったし。

赤い髪では無く金髪赤い瞳の、スーツ姿のイケメンサラリーマンみたいだった。

「榛名様、お美しくなりましたね。

あの後、修行を積み。

女神様に頼んで、異界渡りの仕事に転職したのです。

この姿は幻影術で姿変えしているのですが。貴女様の世界基準の姿に見えてますか?」

少し赤くなりながら、私は頷く。

私に会えてとても幸せそうに微笑むイケメンとか、鼻血出そう。

幼馴染みもイケメンだけど、アレはまだガキって感じだし。

大人の色香漂うイケメンとか、あの頃の子供時代なら分からなかったけど。

もう年頃の乙女には、これはいささか刺激強いですよ。

てか、私はまだマーズさんに付き合う、など一言も言ってないんですけどね?

案の定、幼馴染みがマーズさんに喧嘩売り始めた。

何だか凄くめんどくさい。

その後、大学卒業後に私も幼馴染みも異世界トリップ経験を買われ。

本来は身寄りの無い者が中心なので、レアケース採用だったのは。

ここと姫巫女時代の異世界と、幼馴染みの召喚された異世界での、三カ所の神の加護がついていたせいだ。

チート実力採用って奴だね。

そして異界渡りのお仕事につく事になった。

政府お墨付なこの街の秘密組織。

いずれこちらも有能な先輩達から、どんな事をするのか。

どんな異世界に自ら異界渡りするようになるのか。

お話が有るかもだけど。

榛名の話はここまで。




これまでの作品が転生物なら、これは異世界トリップものです。

榛名ちゃんの幼馴染み君はいわゆる天然タラシで、榛名ちゃんに片思いしてます、がスルーされ。

変わりに勇者召喚され。

ハーレム作り上げてしまいます。

ますます相手にされません。

不憫な子です。

マーズさんですが、あくまで幼馴染み君よりは、多少意識はされているみたいです。


あ、異界渡りのお仕事ですが、渡る異世界がまだ少ししか思い付いて無いのと。

これも長編になりそうなので。

天使と伯爵のシリーズ落ち着いたら書くと思う。

幼馴染み君の勇者ハーレムの話は、話の舞台装置的な一コマなので、ぶっちゃけ何も思い付いてません。

思い付いたら書きますね。



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