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死神部隊

街は蜂の巣をつついたがごとき騒ぎでした。


仲間であるはずの聖堂教会が王城を攻撃しているのですから、それも当然です。


ひときわ大きな声が街に木霊しています。


『神の言葉に耳を傾けてください。我々は神の言葉を実行しなければなりません』


魔法により拡大された声は何度も何度も、街の中に木霊します。


『我々は神の声に従い、王城を攻撃します。許しがたき悪に、承認しがたき邪に、聖なる鉄槌を!』


街のいたるところに、魔法により投影された少女の巨大な姿が浮かび上がっていました。


神の使いの証である真っ赤な瞳に、白色の肌。


聖女は巨大な杖を持ち、背中から光翼を生やし空中に浮かんでいました。


彼女がいるところは白い光にあふれていました。


「やられたな……本当にあいつがやったなんて……」


姫様は苦しそうに言い、私は急いで姫様を抱えなおしました。


とにかく基地に行かなければいけません。


軍は命令を受けなければ動くことができません。


命令することが許されている姫様を連れて行かなければなりません。


私は再び夜の街を駆け出しました。


魔法で一時的に視力を上げ、真っ暗な路地を走り抜けます。


『王と女王には神の鉄槌が下りました。さぁ、レノア姫を捕えなさい!彼女を許してはなりません!』


『罪あるものに鉄槌を』


聖女の大音量の声が何度も何度も王都に響きます。


「いたぞッ!」


「打ち上げろッ!」


やがてバッタリと遭遇してしまった騎士たちにより、私が斬るよりもはやく合図が打ち上げられてしまい、再び多くの追手に追跡されることになってしまいました。


私は何とか街の中を駆け回りましたが、やがて広場に追いつめられ、周りを囲まれてしまいました。


『神の鉄槌を』


空に浮かぶ聖女からの強力な魔法の撃ち下ろしと、騎士たちによる執拗な攻撃により私の身体にも傷がつくようになってしまいました。


騎士の攻撃を1つかわし、剣をブーツのつま先で蹴り上げてその反動で右の騎士を斬り殺したところに、聖女の砲撃が撃ち下ろされました。


「ッ!!」


私は直撃する寸前で剣に当てて跳ね返すことに成功しましたが、次の騎士の攻撃は避けきれそうにありませんでした。


私は咄嗟に姫様をブン投げて極大自爆魔法を使おうかと思いましたが、視界の端に一瞬映った、ここから逃げ出そうとしている少女とその家族を見た瞬間に、それはできないと思いなおしました。


これはもう、運を天に任せて姫様を川のほうにブン投げて、姫様が見事に着水して、そのまま逃げ切れることを望むしかないのだろうかと思い、姫様をなげようと全身に力を込めました。


その時、私の周りの騎士たちの首が一斉に空中に飛び上がりました。


続いて血が噴水のように立ち上がり、聖女から私たちを覆い隠すような煙幕となりました。


「間に合った。遅くなって、ゴメン」


「まぁ、そういうことだ。よく耐えたな」


どさりと崩れ落ちる騎士たちの間を、彼女たちは何事もないかのように気軽に声をかけながら歩いてきました。


「アンビエント、タナトス隊長……」


私の元同僚と元上官である2人がそこにいました。


アンビエントはワイヤーを回収しながらこちらに頷いてみせました。


「キッドも来てる。あそこ」


とアンビエントが指さした先では、同じく私の元同僚であるキッドと聖女が激しく撃ちあっていました。


「キッドが聖女を引き付けている。その間に基地に戻るぞ。おい、肩に担いでるそれ、ちゃんと生きているんだろうな?」


いよいよキーマンの聖女と死神部隊が登場。

次回から反撃開始です。

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