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粗食の晩餐

バーバから話を聞いた後に、もう日も落ちたので宿をどうするかを聞かれたが、どうもこの村には旅籠もホテルも無いらしい。なんでも、村の住人は100人も居ないらしく、旅行に来るような人間も居ないらしい。じゃあどうするかと聞くとバーバ家に泊めてもらえることになった。残念ながらバーナ嬢はすでに結婚して二人のお子さんが居るらしく。いまは旦那の家で暮らしているので、お風呂でドッキリ!とか朝起こしに来て幸せな目覚めから始まる幸福な一日とかは出来ないのだ。…異世界に来てもラッキースケベが起こるわけではないらしい。ちなみにバーバはわざわざこの世界でもっとも食べられているという料理をご馳走してくれた。


「…真っ青なスープと茶灰色のパンですか。これが主食なんですか…ちなみに材料費とかおいくらですか?」

「カラミも渋い面でスープと10分くらいにらめっこしておったよ。ちなみにスープとパンはどちらも銅貨一枚位で買える。まぁ凶作でもせいぜい銅貨10枚つまり10ナルじゃな」


1ナル=100円くらいだろうか?つまり一日三食同じメニューで、計算すると一日の食費は銅貨6枚…600円くらいか?分かり安いように1ナル=100円と考えたが、そうすると今俺の所持金は金銀銅貨が一枚ずつなので、1万101ナル。日本円にして101万とんで100円である。いや為替相場がどうなってるか分からないんですがね。帝都や商都では、別の通貨かも知れないし、物価もこんな田舎より高いだろう。グゥと、腹がなったので、パンとスープを食べることにする。食器は皿とスプーンがある、もしやカラミが伝えたのだろうか?まぁこういう物の形はある程度同じ形に収斂していくのかも知れない。

「いただきます。う~ん美味しいですね。スープのほどほどの塩気と、パンのぼそぼそした硬さがみごとに調和している」

「食いながら喋るな」

「はい…すいません」

まぁ腹は膨れたのだからよしとする。…もしもアレルギー反応のある食品だったらと思うと、最後の晩餐としては、作ってくれた人には悪いが、やはりみすぼらしいなと思う。まぁカラミは一ヶ月の間死ななかったそうだ。とりあえずこの世界の食品は日本人である俺の体を即座に害するものでは無いらしい。発がん性とかトランス脂肪酸とかはどうか知らないが。

「ご馳走様でした。いやホント美味しかったですよ、飽食の時代に慣れた現代人にとって新たな発見でした」

「…年寄りはゆっくり食うんだ。食い終わってから話しかけな」

確かにゆっくり食っている。食器を下げようかとも思ったが。台所が見当たらないし、そもそも水道が無いような…洗い物どうすんだろ?暇なので仮想視界に切り替える。やっぱりまだ慣れないが、ステータス画面は俺の生命線と言える。この世界の人間には活用できないメリットがいっぱいあるはずなのだから、慣れておかなくてはならない。天職と設定はいじったので今度は状態を操作して見る。


状態─所持金(1万101ナル)─所有物(穴熊の箱)─所有技─所有業


穴熊の箱と言うのは、黒曜剣とかヒノキ?の棒とかを突っ込んでいるはこだ。別に穴熊・魍魎・美少女なんて当然入ってない。とりあえず技と業が何が違うのかを確かめておきたい。画数の多い方から確かめて見ることにする。


所有業─異世界転移者◎─迷宮完全攻略者①


はて、何のことなのか分からない。異世界転移者と念じて見ても迷宮完全攻略者と念じて見ても、特になにも起こらない。これまでの業績?を記録しているのだろうか?丸や数字はレベルとは違う気がするが、何のことやらさっぱりである。仕方ないので技の方を見て見る。


所有技─武者サムライ─武芸百般─呼吸法①─歩法①─礼法①─剣術①─槍術0─手裏剣術①─馬術0─……

所有技─探索者ディガー─アイテムボックス0─トラップサーチ①


ふむサムライの方はすげーいっぱいスキルがある。緑の文字がバーバ家のテントを突き抜けるほど長い、まぁあくまで俺の視界だけの話であり、実際にはテントに穴を開けるなどという恩を仇で返すことはしていない。まるのなかの数字は多分習熟の値だろう。礼法が①って…俺の人生経験っていったい…まぁこの礼法はあくまで武家の作法なのだろう。うん、ならば現代人の俺の礼法とは、あんまり関係ないはずだ。まぁ正直それほど礼儀正しい人間でもないのだが。さてセカンドジョブである探索者は、あんまりスキルが無い、まぁ罠発見は便利だが。しかしアイテムボックスか…間違いなく便利スキルである。バーバも食い終わったようなので聞いて見る事にするか。


「質問よろしいですか?アイテムボックスってご存知ですかね?」

「袋や箱にアイテムを収納する空間を創る魔法のことじゃ。ほれ松織シュバツの袋をやろう、そいつに魔法をつかうのさ」

小さな濃い緑の袋を投げ渡される。いくらなんでも親切すぎる気もするが、まぁ好意に甘えよう。呪文が頭の中に浮かぶ。

れの具床ぐどこまつる。かしこかしこみもまをす。」

呪文もしくは祝詞を捧げると、シューンっという音が響く。成功したのだろうか?仮想視界に切り替える。


所有技─探索者ディガー─アイテムボックス①─トラップサーチ①


ふむ成功したらしい。試しに穴熊の箱からひのき?の棒を袋に入れる。すると、50cmはあろうかという棒が、手のひらほどの小さな袋の中にするすると入っていく。青いネコ型ロボットの道具の中でもっとも必要とされる物を手に入れたのだ。しかも重さをほとんど感じない。う~ん便利だなぁ探索者。

「ちなみにアイテムボックスの魔法が使えるのは、探索者ディガー商人アキンドといったジョブじゃ。普通騎士だの戦士だのは使えんものじゃ、あまり人前では使わんほうがいいかもな」

使ってからいわれてもなぁ…まぁ彼女は20年前にも似たような光景を見たのかも知れないので、問題ないだろうが。少しは警戒した方がいいかも知れない。我ながらマヌケな…いや?待てよ?

「20年前にやってきた男以外にこの20年…いや村の歴史の中で同じような…おかしな言葉や力を持った人は居たのですか?」

「いや、お主で二人目じゃ。もっとも村の歴史はたかだか100年程度じゃし、行き倒れなら何人かおったから、お主やカラミのような境遇の奴も居たかも知れん。まぁもう遅い時間じゃし、他に聞く事がないのならば、洗い物をして寝るとしようか」

「あぁ、もうお聞きすることはありませんよ。ありがとうございました。洗い物手伝いますよ、でもどうやって洗うんですか?たらいに水張るんですか?」

「たかがさら二枚じゃ手伝う事もない。そこのたらいとってくれ」

「はい、どうぞ。水汲んできますか…って井戸はどこに」

「あぁ知らんのだな。銅貨有るか?」

「?どうぞ」

財布から銅貨を取り出し渡す。コインランドリー?いやたらいに銅貨を投げ入れてなにやら呪文を唱える。

アクア

銅貨が水に変化していく…便利だなー俺も覚えるか。一言だし、金さえあればサバイバルも楽勝になるな…って当たり前か。


「これが金の普遍的価値というものじゃ。簡単な呪文を唱えるだけで、金はパンに変わりスープになり、火種となる。これがあらゆる人間が唱えることが出来る共通魔法コモン・マジックじゃ」


そしてさっさと洗い物をしてしまうと用はすんだとばかりに老人は寝てしまう。年寄りは寝るのが早いのは異世界でも同じらしい。まぁまだ40前なのだが、って、そういやこの世界の一年って何日だ?いくらなんでも老けすぎではないだろうか?まぁ明日聞いて見るとしよう。とりあえず朝は明るくなり夜暗くなるというのは共通しているようだから。

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