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3つの愛

「と、言うわけで新しい仲間のアイだ。ちょっと変わっているが、仲良くしてやってくれ」

ホテル・エインに帰ってきて、フロントに追加料金を払ってから部屋に帰って早々紹介した。

「…繋がっていませんね。役に立つんですか?」

アイのことをジト目で見ている。値段は180万ナルだったので役に立たなくては困る。

「無礼じゃぞ!犬風情が!」

「目も悪いのですね。この耳はどう見ても狼です」

2人はにらみ合っている。仲良くしてくれそうだ。まぁクーは頭が良いので上手に付き合うだろう。

「…病院行かなくて良いの?痛そうだよ?」

病院で直るんだろうか?

「美味そうな飯だ、2人とも頑張ったな」

部屋の中には俺の帰るタイミングを見計らったように、出来たての食事が用意してある。カーペットの上には『オリアスの酒』『イズのソテー』『スキウィ風スープ』『黄緑竜の狩猟風香草焼』『ザッハトルテ』がある。以前カラミ邸でご馳走になった物の再現だ。スープの中の米が少し多めだ、俺に配慮してくれたのだろう。

「以前カラミ邸で馳走になったものを用意しました。御主人様のお体にとって何が毒となるか分かりませんので」

心配してくれるのは嬉しいが、偏食になってしまう。追々俺の体で何が食べれるか実験しなくては。

「フン!貴様等の用意した食事にしては上等じゃな!さぁ妾に食べさせるが良い」

アイは有る程度は自分で体を動かせるが、箸を使うほどの事は出来ない…まぁこの世界の箸はまだ見つけていないが。

「その前に自己紹介くらいはしませんか?私は御主人様の古参奴隷クー・ル・ギ・シ・ジュウインです。分からないことがあれば聞いてください。エルフ王家という来歴もあるでしょうから、多少敬意は払いますが、奴隷としての自覚は速めに持ってください」

はて、王家だって言ったけか?

「私はヘルだよ~旦那様に付けてもらったんだ~いい名前でしょ~」

ヘルが御辞儀をする。体を動かすたびに色々揺れている。豊かな体を見せ付ける意図は無いだろうが、痩せ形のアイは嫌味に見るかもしれない。

「…シ・ジュウインじゃと?何故奴隷などしている?」

「見れば分かるでしょう?獣人とはそう云うものです。エルフのような亜人とは出生の形態が違います」

お互い疑うような目をしている。

「…ソウドよ。その犬は帝国皇帝を輩出したことのある家の生まれじゃと知っておったか?」

「家族は居ないと聞いた。俺は本当だと思った。それだけのことだ」

クーが訳ありなのは察していたが、彼女は俺の隣を選んだ。特に聞く事も無い。恐らく人間の家族に捨てられたんだろうとは思っている。

「…フン!妾はアイリシャン・ル・バズィフィールじゃ。名前からも分かるようにバズィフィール王家の第三女じゃ!貴様等の主人である平・ソウドの正室じゃ!」

勝手に結婚するなよ。

「…エルフの社交界事情は詳しく有りませんが、エルフの上層階級が大量に奴隷になったと耳にしましたが、もしや…」

「フン!確かに王国は崩壊したが、血脈は絶えておらん。ソウドに種付けさせて強大なハイブリッドを産み、新たな王国を建国するのじゃ!」

種馬扱いか、美女に言われるとなんともいえない興奮が有る。

「貴方は純血でしょう、ハイブリッドは貴方の子供世代では産まれません。エルフと云えど寿命は100年が精々、建国の母にはなれませんよ」

エルフの寿命はそんなもんなのか、まぁ地球人が変質してなることのある種族だから、亜人と云えど寿命やスペックも人間とは変わらないのかな。

「自己紹介も終わったことだし、冷めないうちに食べるぞ。いただきます」

手を合わせて食べ始める。クーとヘルも手を合わせていただきますと云う。アイは見よう見まねで手を合わせようとするが、中々うまくいかない。

やはり体が繋がっていないと不便なんだろう。アイの隣にクーが座り、手合わせを手伝ってから食べさせている。クーは本当にいい娘だ、この中では一番年下だが。


「貴っ貴様!妾にこんなことぉ!そっ!そこはっ!だめじゃ~そんな風にしゃわりゅにゃあ~」

嬌声がホテルの一室に響く。

「頭が乗って無いのにえらく肩凝ってるな。なんだかんだで苦労しているんだな。お姫様が奴隷になるくらいだから大変だとは思うが、めげるなよ」

クーとヘルは公衆浴場に行っているので、俺はアイをマッサージしている。頭を見える位置においているので、百面相が楽しめる。首の取れた女を部屋に一人にするわけにも行かないので、その間に洗礼のマッサージをしているわけだ。

何でもエルフは人間とは新陳代謝が違うので、あまり老廃物が出ないので風呂にも1年くらい入らないらしい。現に前入ったのは3ヶ月前らしいが、彼女からは森林のような匂いしかしない。便利なものだ。

「ところで聞くのを忘れたが、この部屋に泊まるのか?なんならもう1つ部屋を取るが」

両隣の部屋も正面の部屋も空いている。このホテルは経営不振なんだろうか?

「そうじゃな奴隷と一緒の部屋というのは少し困るな、折角の初夜じゃしな」

「アイ?そもそもお前は庭師として雇ったと云うのを自覚しているのか?」

「ソウド?お主は妾を妻として迎えたのではないのか?」

何時そんな事言ったんだ。

「恋人なら既に2人いる。子供も産んでもらうつもりだ。彼女達も納得している。お前は単に使用人として雇ったんだが、聞いてなかったのか?」

耳は長くても聴力は低いのか?腰を刺激しながら聞く。

「んん!妾を迎えに来たのでは…ん!なかったのか?お主は伝説に云う光明の皇太子ではないのか?全ての亜人奴隷を解放する…」

首だけのアイは不安げな顔をしている。

「知らんな、そんな奴。俺は単に自分の欲のために動くだけだ。確かに現状の奴隷制度はいずれ破壊するが、それも単に俺が今の奴隷制度が嫌いなだけだ。自分で利用する分にはいいが、他人には使わせたくない」

正直な気持ちだ。いずれ今の制度はある程度変質させる予定だ。上手く行くかは知らないが。

「だから、お前を庭師として扱うか奴隷として虐げるかは俺が決める。正室にするならあの2人だ。まだお前とは、ほんのわずかな絆さえ芽生えてもいない」

「お、お主…酷い奴なのか?」

泣きそうだ。こんな顔も可愛いな。

「あの2人は恋人だから優しくする。お前を恋人にするか従業員にするかは決めてない。さてどっちになりたい?」

「恋人じゃ…頼む…愛してくれ、妾はお主にイカれてしもうた。何故かは知らぬが、お主の姿を見た時に電撃が走った。お主が愛しい…初めてじゃ、こんな感覚は…」

やはり俺は奴隷に一目惚れされるスキルを持っているかもしれない。これからは奴隷を買うのは気を付けよう。まぁクーとヘルに買わせてもいい。俺の精力から云って同時に10人以上相手をしても大丈夫だが、資産や人間関係から云って恋人にする限界は3人位だろう。まぁとりあえず今日は新しく部屋を取る必要は無い。エルフと獣人に金髪美女を心行くまで楽しむとしよう。


「お主等いつも朝は大丈夫なのか?体中痛いんじゃが」

「その内馴れます。ヘルも最初はそんなものでした」

「う~んでもわたしはクーちゃん程上手にできないから…」

一夜開けて三者三様の反応をしている。三人を相手にするのは大変だったが、ようやく精力も落ち着いてきた。以前のように気絶した彼女達にまで追撃する気は大分抑えられた。

「さて、朝飯も食い終わったことだし、今日はアイの望みを叶えるとしよう。呪いを解くんだよな?」

「首無しの呪いなどどうでもよい。じゃが、この呪いを掛けた外道は殺す。協力してもらえるか?…ソウド?」

いい眼だ。王家の誇りと奴隷の従順さが同居した眼だ。

「もちろんだ。可愛い奴隷の頼みは聞いてやる。ただ俺にも出来ない事はあるからその辺は留意してくれ」

「ソウドほどの怪物なら、必ずあの黒髪の呪い屋を殺せる」

怪物と来たか、まぁ昨日は随分怖い思いをさせたわけだし当然か。アイの話によると彼女の生家を壊滅させた黒髪の男は、言葉巧みに王家に取り入り王家の秘宝を盗みだしたそうだ。そして王家の人間全てに呪いを掛け、とある伯爵の軍隊にエルフの王国民を殆ど奴隷にさせたそうだ。無法だな、この帝国では合法だが。しかし伯爵が黒幕か?でかい相手だ。

「ラウジ伯爵とは元々敵対関係にあったが、奴に恨みは無い。我等が弱かっただけの事じゃ」

そういうもんか、潔いことだ。

「とにかく黒髪の男は王国の上層部全員に呪いを掛けた。戦争の勝ち負けは決した。せめて呪いを解くことで奴にだけは勝つ。それが父王の遺言じゃ」

そういうもんか。

「話は分かりましたが、どうやってその男を見付けるのですか?手掛かりはあるのですか」

「クーならニオイで分からぬか?」

「私の鼻は本物の犬程ではありません。精々1メルほどの距離しか分かりません。大体ニオイも知らない男のニオイなど追えません」

充分すごいがな。

「そうか…まぁ気長に探すしかないじゃろ」

ちょっと落胆している。

「どんな男なんだ?特徴を教えてくれ」

「ソウドと同じ黒髪じゃ、じゃからお主に買われた。…勿論恋をしたのも理由じゃ。知り合いに小太りの男はおらぬか?顔は…何と言うか凹凸の無い顔じゃった」

小太り?まさか。

「ヒロタ・ジュンとか云う奴か?眼に光の無い不気味な奴だ」

該当しそうな黒髪の男の名前を挙げる。

「そうじゃ、そいつじゃ。やはり知り合いか」

奴も手の広い奴だ。しかし奴隷解放が目的なのになんでそんな事したのやら。まぁ奴の目的などもはや知りようも無いが。

「私達を誘拐した奴です。御主人様が殺しましたが、呪いは解けていませんから別人でしょう」

「そうか…あんな化け物を殺してしまうはな。奴の持つある装備が解呪の条件じゃ。それさえあれば皆の呪いも解ける」

「装備か、奴の持っていたアイテムは回収されて騎士団が保管しているそうだ。アオミに渡りを付けてもらおうか」

「できるのか?やはりソウド…お主こそ妾の愛じゃ。100万メルの森を互いの子孫で満たそうぞ…」

アイが抱き付いてくる。彼女の首の断面は上から見ると実に美しい…一体どういう切り方をすればこんな風に切れるのやら、今度魔物で試してみるか。

「先に産むのは私です」

クーも右腕に抱き付いてきた。

「皆の子供で野球の試合が出来るといいねぇ」

ヘルも左から抱き付いてきた。三者三様の柔らかさだ。さて、朝から高まってきたが、どうせ大した予定も無い。GMの遺品を取りに行くのは午後からでもいい、三人の美女を楽しんでからでも遅くはない。さて、誰を一番にするかな。

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