表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/579

上井草まつりの章_6-3

 チャイムが鳴って、授業が終わった。休み時間の開始である。


「戸部くん」


 そして、休み時間になってすぐにみどりが駆け寄ってきた。


 俺は立ち上がった。


「よう、エクスカリバーじゃねえか」


「聖剣かよっ」ぽすん。


 意味のわからないボケに、お約束のツッコミを入れてくれた。


 このやり取り自体、意味がわからないが。


「って、そんなことよりも、大丈夫? 天井に刺さって生きてるとか、戸部くんおかしいよ」


「俺じゃなくてまつりがおかしいって言ってくれ」


「戸部くん……さっきさ……まつりちゃんさ……」


「ん? まつりがどうした」


「戸部くんのこと『殺す殺す』ってブツブツ言ってたから気をつけてね」


「大丈夫だ。あいつに俺は殺せない」


 なぜなら今の俺は規格外に丈夫だからだ。


 たぶん、西洋風のソードに刺されても生きていられるし、和風のカタナに斬られても生きていられるだろう。そういう何か神聖な何かの加護を感じる。


「ところで、みどり。もしかして、さっきさ……」


「何ですか」


「まつり、泣いてたか?」


「…………はい」


 他人にひどいことをしておいて、自分がされると泣くとか、どんだけ面倒な女だよ。


「わけわかめライスだぜ」


「どんなわかめですか」ぽすん。


 手の甲で撫でるように叩かれるのがもう快楽。みどりのツッコミは可愛い。でもたまに少しズレてるかもしれない。どっちかと言うと、どんなライスなのかの方が気になるところだろう。


 けどまぁ、何ていうかな……とにかく、ツッコミになってくれなくても、まつりにモイストされないようにしてやりたいな。と思った。


「みどり」


「はい?」


「俺は、まつりに勝つぞ」


「はぁ……」


「俺が風紀委員になってやっても良い。それどころか、生徒会長になって風紀委員という権利を剥奪し、排除しても良い」


「え……あっ、政権交代かよっ」ぽすん。


 思いついた顔で、みどりはツッコミを入れてきた。


 いや、ボケじゃなくてマジで言ってるんだがな。


「みどり、お前をモイストの恐怖から救ってやる!」


「まぁ、それはうれしいけど。でも、あんまり、やりすぎないようにね」


「おう」


 そしてみどりは軽く手を振り、去って行った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ