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超能力暴走バトル編_33

 鍵を握る壺が砕け散った。


 そんなバカみたいな事態を目前にして、逃げたくなったのは紗夜子だけではなかった。


「さらば!」


「待てぇい」


 逃げようとした戸部達矢の腕を、上井草まつりが掴む。


「ヘイヘイ達矢、壺が割れたのは、誰のせいだと思う?」


 戸部達矢は目を逸らした。


「俺のせいじゃない」


「キミのせいだろ!」


「いやまぁ、俺のせいも少しあるけど、俺だけのせいじゃない!」


「自分がやりましたと言え!」


「ちょっとまて、落ち着けまつり。お前が言ってることは何だかおかしい」


「おかしくない。あたしは何もしてない。達矢が全部やった」


「お前はそんな子ではないはずだ。正々堂々とした素晴らしいバカのはずだ。いつからそんな子になった」


「……いや、だって、えっと、なぁ?」


 そう言って、まつりはみどりの方を向いたが、みどりはまつりから距離をとって知らないフリをした。薄情である。とはいっても、責任を押し付けられてはたまらないというのは、理解できることだ。みどりこそ何も悪いことしていないのだから。


 普段はボケーっとした利奈っちでさえ、その場から立ち去ろうとしている。


「利奈。利奈はどう思う?」


 と、まつりが逃げようとする利奈の肩に手をかける。


「え」宮島利奈は体をビクッと弾ませ、「な、なにが?」


「この事態は、達矢のせいだと思わない?」


 どうやら責任を全て達矢に押し付けることで解決をと考えているようだ。


 普段のまつりなら、正々堂々と、やははごめんなさい自分がやっちゃった、と申し出た上で責められたら暴れるところなのだろうが、壺の重要度を上井草まつりは理解しているのだ。それが無いと紅野明日香を何とかすることが叶わないことも。


 砕け散った今、明日香を救うことは二度とできないと思ったわけだ。


 利奈はしっかりと掴まれた肩に視線を送りつつ、


「うん、えっと、達矢かな。達矢が全部悪い」


 そういうことになった。みどりは、そもそも関わりたくないので、その光景を遠巻きに見つめていた。


 利奈に取り憑いた幽霊は言う。


「あぃややー、この壺がこわれたら、もうおしまいでしょうからねー。そうそう簡単に新しいやつとか作れませんからねー」


 達矢は色々と悲しかったり悔しかったりで、絶望的な気分になった。


 それこそ、明日香の仲間になって町でも星でも焼き払いたくなるくらいに。


 しかし、その時だった。まつりたちにとっては予想外の人物が登場した。


 その腕には、なんと壺が抱えられていた!



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