表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
527/579

超能力暴走バトル編_12

 遠くから爆発を目にしたのは、二人の大人。窓の多い図書館の二階にある喫茶店跡地で外の風景を眺めていた穂高華江と若山三木雄だった。


 花屋の女経営者とショッピングセンターの店長という関係の二人は、町に残った酔狂な大人たちのうちの二人である。


 もう長いこと使われていないにも関わらずピカピカにしてあった館内喫茶店の椅子とテーブルを並べ、笠原商店で買ったペットボトル飲料とお菓子を並べて他愛の無い雑談を交わしていた二人だったのだが、そんな時に学校で爆発が起きた。


 遠くからの激しい轟音と振動を感じた。ビリビリとガラスが音を立てたので若山はその場から離れ、「ガラスから離れないと危ない!」と言ったのだが、華江はケロっとして、「なんてことないよ。ただの爆発だろ」と、そんな風に言って、窓の外に目をやった。


 図書館二階の窓からは、学校の二階から上が見えるようになっている。


 穂高華江の視界では、爆発の炎は確認できなかったものの、もくもくと立ち上る黒煙が見えた。立ち上がってみると、それが校舎三階から発せられているのが確認できた。


「店長さん、お願いしていいかい?」


「はい? 何をです?」


「下の玄関あたりにさ、ウチのバカ娘居るだろ? ちょっと伝えてきてくれないかね。校舎の三階で何か爆発したよってさ」


「はぁ、わかりました」


 若山は言われた通りに階下へと降りて、だるそうにのびてる緒里絵とカチャカチャとゲームしている紗夜子に爆発のことを伝えた。


 華江の娘である緒里絵は興味なさそうだったのだが、紗夜子の方が大きな反応を示した。ゲーム機を置いて、立ち上がったのだ。


「ふぇ? どうしたの、まなちゃん」


「行かなきゃ」


 机の上に携帯ゲーム機を放置したまま足早にエントランスに向かう。


 自動ドアが開いた。


「ま、まなちゃーん」


 後を追って、緒里絵も出て行く。


 残された若山は、わけわからんと思いながら頭を掻き、そして華江の居る喫茶店跡地へと戻ることにした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ