フェスタ_明日香-10
アルファ「どんな物語にも、いつかは終わりが来るもの。色々あったこの試合も、気付けば最終回を残すのみとなりました。さてこの最終回。ポイントはどこになるでしょうか、解説の達矢さん」
達矢「そうですね――」
みどり「やはり、覚醒したまつりちゃんの前に、ランナーを出せるかどうかだと思います。ここまでノーヒットノーランで来ていますが、さすがのマナカでも九回まで来れば疲れが出るでしょう。まして、先ほどまつりのアニメ直球を何球かバットに当てたことで、左腕にも疲労が溜まっているんじゃないでしょうか」
アルファ「なるほど。解説ありがとうございます、みどりおねーたん」
あれ、俺の存在理由って何なんだろうな。
ここしばらく全然解説できてないぞ。
アルファ「さぁ、この回は、不良Cくんからです」
RUN「さっき不良Aくんが死んだからなぁ。燃えてるやろなぁ」
達矢「いや、死んでないからな。勝手に殺してやるな」
RUN「せやな、達矢くんも死んだもんな」
達矢「死んでないだろ、足あるもん。死んだら足なくなるんだよ。本子さんのように!」
本子「むむっ、それは本子に対する侮辱ですか?」
達矢「うぉ、本子ちゃん。いや、そういうわけじゃなくてだな……」
本子「なんだ、そうなんですか」
達矢「ていうか、本子ちゃん、レフトの守備してなくて良いのか?」
本子「どうせグローブが持てないので、役に立てません!」
達矢「本子ちゃんも、苦労してんだな」
本子「そうですよ。利奈っちはドジだし、本子はいつもドキドキです☆」
まぁ、楽しそうだけども。
アルファ「さぁ、そんな会話を繰り広げている中、不良Cくんがバッターボックスに入ります」
が、
アルファ「しかし三振しました」
達矢「はやっ」
アルファ「つづく不良Bくんも気合が空回り。見所無く三振しました」
達矢「おいおい……不良どもが可哀想だろ。もうちょっとちゃんと実況してやれよ」
アルファ「すみません、あまりにあっさり三振してくれたもので……」
不良C「くそぉお! Aさんの死を活かせなかったぁああ!」
達矢「何度も言うけどな、死んでないからな」
アルファ「さぁ、そしてバッターボックスに向かうのは……上井草まつり!」
バットを握って、上井草まつりがバッターボックスへと歩いていった。
みどり「す、すごいオーラだわ」
紗夜子「マツリ。治ったばっかりの左腕で投げるわたしのボールなんて、簡単に打てるよね」
浜中紗夜子は挑発した。
まつり「まなかは、そんなの問題にしないでしょ」
紗夜子「いくよ!」
まつり「うん!」
そして、紗夜子は振りかぶって、
紗夜子「……っ!」
投げた!
緑色の閃光を纏った速球がミットに入った。
轟音が鳴り響く。
アルファ「初球は外れてボール」
まつり「おいおい、ビビってんのか?」
紗夜子「コントロールが難しいんだよ。全力投球は」
まつり「確かに。わかるわ、それ」
小さく笑った。
アルファ「初球ボール球から入りましたね達矢さん」
達矢「はい、そうですね。ボールでした」
アルファ「ノーヒットノーランのために、上井草まつりを歩かせるということは考えられますか?」
みどり「絶対に無いですね」
アルファ「プライドですか」
みどり「プライドです」
アルファ「ちなみに、上井草まつりの次のバッターは、何故か板前さんが控えています」
板前「…………」
板前さんは、ベンチ前で、バットを抱えてしゃがんでいた。
みどり「あれ? 不良Aくんの代わりに入ったのって、深谷さんだったよね……キャッチャーで。それ以前に、板前さんは、戸部くんの代わりに入ったんだから、紅野さんチームじゃ……」
志夏「なんか、『打たせてくれ』って言われたから、打席を譲ったみたいよ」
みどり「そりゃまた何で……」
志夏「板前さん、見せ場が無いからじゃない?」
みどり「なるほど……それじゃあ、今ファーストに入ってるのは、深谷さん……」
言って、みどりはファーストに目を向けたのだが、
みどり「――ってあれ」
そこに居たのは華江さん。
華江「ばっちこーい!」
ファーストミットをつけて腰を低くしている。案外ノリノリだった。
みどり「カオリのお母さん……だ」
アルファ「あぁ、ここで情報が入ってきました。先程まで上井草まつりの球を受けていた男子寮長の深谷さんですが、左手をスーパー複雑骨折して病院に搬送されたそうです」
達矢「えええええっ」
みどり「さすが……まつりちゃんの速球はミット越しでも骨を粉砕するほどの威力なのね」
達矢「ところで、実況しなくて良いのか? 紗夜子はもう振りかぶってるぞ」
アルファ「はっ! さぁ、浜中紗夜子。ふりかぶって第二球を投げたっ!」
轟音、閃光。
まつり「くっ……」
アルファ「これはストライク! ワンボールワンストライクとなりました。手が出なかったでしょうか」
達矢「さすが紗夜子だ……まつりのアニメ直球と互角以上のボールを容易く投げていやがる」
みどり「マナカは、バカなところを除けば、すごい人なんですよ」
アルファ「バカなんですか?」
みどり「何でもできるし、成績もかなり良いんだけどね、性格がバカなの」
アルファ「なるほど」
みどり「性格がバカなのは、まつりちゃんも一緒だけど」
達矢「この街に、性格がバカじゃないヤツなんて居るのか?」
みどり「どういう意味かなぁ」
アルファ「さぁ、紗夜子たん。三球目を投げた!」
チリッ!
アルファ「打っていってファウルチップ!」
打球は真後ろに飛んで、フェンスにぶつかって転々とした。
アルファ「タイミングは合っています。しかしワンボールツーストライク。追い込みました」
達矢「追い込みましたね」
アルファ「みどりおねーたん。紗夜子たんの決め球は何ですか?」
みどり「いっぱいありますよ」
アルファ「と、いいますと?」
みどり「三振を取るならストレートでもいけますし、変化球だと高速スライダー。スプリットフィンガード・ファストボール、チェンジアップ。打たせて取るなら、低めのカーブ、大きく曲がるスライダー、カットボールやツーシームなんかもあります。全てが一級品で、ストレートしか打てないまつりちゃんには、当てにいってもまず当たらないと思います」
アルファ「なるほど。ここは変化球でいけば、抑えられる、ということですね」
みどり「いくら、覚醒したまつりちゃんでも、そんな一瞬で変化球打ちが上達するなんて、ありえないです。今も、変化球のサインが出ていると思いますよ」
紗夜子「…………」
アルファ「あっとしかし、紗夜子たん、捕手を務める男子生徒Dくんのサインに首を振ります」
RUN「ストレートやな」
みどり「そうみたいだね……」
アルファ「上井草まつり。彼女はストレートには滅法強い、いわゆる香車タイプのバッターなのですが、ストレートでいきますか?」
みどり「いくでしょう。これだけ首を振るマナカも珍しいですね。あ、ちなみに、バッターとしてのマナカは変化球打ちで初めて真価を発揮する子です。バッティングが柔らかいんです」
アルファ「あ、今はそんな話いらないです」
みどり「あ、すみません……」
まつり「…………」
じっとマウンドの紗夜子を見据えるまつり。
紗夜子「…………」
静かになった。
街に吹いていた風が止んだのだ。
観客も、二人の戦いを見守る人々も、静か。
緊張した空気。
誰も声を出せずにいた。
紗夜子は、キャッチャーのサインに、こくりと大きく頷いた。
大きく息を吐きながら振りかぶる。
足を高く上げて、そして――
紗夜子「やぁあああ!」
投げた――
まつり「うぁあああああああああああ!」
ガッ――
ボールは、バットに衝突して潰れた。
まつりのフルスイングが、紗夜子の直球を捉えた。
ぶつかり合う光。
閃光が火花のように散っていた。
紗夜子「いっけぇええええ!」
紗夜子のオーラが、まつりのバットを押し返す。
まつり「うらああああああああああ!」
まつりもバットを押し込む。
その一箇所に、一瞬の力が、集まった。
勝ったのは――
まつり「やぁあ!」
とてもとても澄み切った高い音が、響いた。
振りぬいた。
飛んだ。
打球が。
高く。
遠く。
放物線を描いて、校舎を超えていった。
レフトをふわふわとうろつく本子さんの頭の上を越えて、
校舎の窓にボールがぶつからないように設置されてあるネットを越えて。
更に、逆風なんてものともしないで校舎すらも越えて、見えなくなった。
誰にも文句がつけられないような、完璧な当たりだった。
まつり「…………」
打った本人が、信じられないような顔をしていた。
アルファ「ほ、ホームラン! ホームランです!」
みんな「「「「うをおおおお!」」」」
歓声。
どうしたことだろうか。
あの上井草まつりが、賞賛の歓声を浴びている。
自称風紀委員で、乱暴で、人々をビビらせたり静まりかえらせるのが得意な不良の大ボスみたいなまつりが。
紗夜子「ベース。回ってきなよ」
まつり「本当に、あたし、打ったの? 今」
紗夜子「うん」
まつり「嘘でしょ……」
紗夜子「悔しいけど、今日のまつりになら、打たれても……うん……」
まつり「あ、ありがとう……良い球だった!」
みどり「えっ、あのまつりちゃんが『ありがとう』なんて言ってる……。何の奇跡なのこれは……」
大袈裟だな、おい……。
まつり「…………うん」
まつりは一人頷いて、走りだした。
ホームラン後の儀式。ダイヤモンド一周。
一塁を蹴って、二塁へ向かう。
二塁も蹴って、三塁へ。
まつり「…………」
那美音「…………」
まつりは、三塁を守る那美音と、目が合った。
まつり「…………」
那美音「強くなったわね。まつり」
まつり「……っ」
那美音の声を背中で聴いて、まつりはホームベースを踏んだ。
アルファ「今、ホームイン。一点差に追い上げる特大ホームラン!」
不良ども「うぉおおおお! まつり姐さぁあん!」
ハイタッチで迎えられる。
アルファ「上井草まつり! 意地を見せました! おっと、ここで、セカンドの紅野明日香が浜中紗夜子の立つマウンドに駆け寄ります」
紅野「大丈夫よ、紗夜子。まだ一点リードだから」
紗夜子「ごめんね、打たれちった」
紅野「気にしない気にしない。次のバッターは、いかにも野球とは無縁そうな板前さんだから、そこで最後のアウトとって、皆でお寿司食べに行こう」
紗夜子「お寿司……そんなの久しぶり……」
アルファ「ところで、あたしも『sushi』を御馳走になっても良いのでしょうか」
みどり「当然でしょ。実況おつかれさま」
それ、みどりが決めることなの……?
アルファ「えへへ、ありがとうございます」
板前「『sushi』じゃねぇ! 『寿司』だ! ウチで出すのは!」
紗夜子「ねー、早く再開しようよ」
アルファ「おっと、そうですね。さて、そして、板前さんに打席が回ります」
板前「よし、打つぞ……」
華江「ちゃんと空気読むんだよー」
ファーストの華江さんが、そんなことを言った。
すると板前は、
板前「もしも、もしもこの打席でヒット――いや、ホームランが打てたら」
何か言い出した。華江さんに向かって。
華江「あん?」
板前「華江さん! もしもホームランが打てたら、刺身でいうところの、ダイコンになってくれないか?」
華江「は?」
板前「だ、だから、ツマに、なって、くれないかな、なんて」
華江「あんた、最初からそう言いなさいよ。ダイコンって何だい、ダイコンって」
板前「寿司で言うところのガリ」
華江「ふざけてんの?」
板前「マジメだよ! 好きなんだ! 華江さんのことが!」
告白していた。
告白っていうより、プロポーズ……か。
華江「じゃあ、言い直しな。もっとマトモな告白考えなよ」
板前「このホームランをキミに捧ぐよ。結婚しようよ」
華江「きもちわるい」
板前「…………」ずずずずーん。
アルファ「おーっと! 板前! 落ち込みましたぁ!」
みどり「アルファちゃん……そこ実況必要かな」
華江「あっははは。まぁ、打ってきな」
紗夜子「板前さん、悪いけど打たせないよ」
板前「いや、打たせてもらおう。これは、人生を賭けた一打席だ!」
と、その時――!
那美音「マナカ、ボール貸して」
サードの那美音がそう言った。
紗夜子「え、やだ」
那美音「よこしなさい、ボール」
アルファ「おや、何でしょうか……。まさか交代? 何かアクシデントでもあったんでしょうか。あたしが手術した左肩ですから、肩痛が再発するなんてことは、ありえないとは思いますが……」
那美音「ボール渡さないなら、こっち来なさい」
アルファ「? どうしたのでしょうか」
みどり「さぁ……わかりませんねぇ……」
那美音「来い!」
紗夜子「やだ!」
那美音「ええい!」
アルファ「那美音おねーたま! マウンドに向かって駆け出しました」
紗夜子「!」
アルファ「紗夜子たん! 逃げおくれた! ボールを持ったまま捕らえられる!」
紗夜子「やだ! 一球でいいから! 一球だけ板前さんにボール投げたら貸してあげるから!」
那美音「それじゃ遅いのよ!」
那美音は紗夜子を後ろから抱きかかえて、そのままサードベースを踏ませた。そしてすぐに解放する。
アルファ「どうしたんでしょうか。やはり何かトラブルか……? 那美音おねーたまは、三塁塁審の風間史紘に何やら話しかけています。……うーん、ちょっとここからじゃ何を言ってるかまでは聴こえませんねぇ。あ。そして? あぁ、三塁塁審のフミたんは、主審の若山たんを呼びましたね。審判が集まります」
紗夜子「…………」
アルファ「何でしょうか…………あっ、これはっ!?」
若山(審判)「アウト! ゲームセット!」
板前「え、何で……」
アルファ「アウトです! どういうことでしょう!」
不良ども「うぉおおおおおい! 何でだよコラァ!」
三塁側ベンチから飛び出した不良が審判団に詰寄る。
不良D「何だぁ? 審判テメェ、買収かコラァ!」
不良C「野球賭博かオルァアア!」
まつり「…………」
珍しく、まつりは黙っていた。
史紘(三塁塁審)「いえ、説明するとですね、那美音さんからアピールがありまして」
不良B「何だよコラァ」
史紘(三塁塁審)「ホームランを打った後のベースランニングの際にですね、まつり様が三塁ベースを踏んでいない、と」
不良ども「なにぃいいいいいいいいいいい!?」
板前「うそ、打席ないのっ!?」
若山(審判)「試合終了!」
アルファ「試合、終了です!」
みどり「はぁ……まつりちゃん……」
達矢「まさか、ベース踏み忘れとは……」
アルファ「なんという幕切れ! これはひどい!」
不良ども「台無しだろぉおおおおお!」
不良B~D「「「「Aさんの死が無駄にぃいいい!?」」」」
達矢「死んでないっての……」
志夏「たっちゃんの死も無駄にぃいい!」
達矢「おいぃ! 生きてますけど!」
不良ども「「「こんなしょうもない終わりがあっていいのかよ!」」」
板前「締まらねぇええええ!」
そして、まつりは言った。
まつり「う、うっさい! 文句あるならかかって来やがれ!」
全校生徒「うおおおおお! 上井草まつりーーー!」
達矢「えええええ! 全校生徒かい!」
アルファ「さぁ、試合が終了しましたが、今度は乱闘が始まりました! 全校生徒入り乱れての大乱闘です!」
志夏「結局こうなるのね……」
おりえ「あたしもあたしもー!」
おりえは乱闘に入って行って、
おりえ「はにゃーーん!」
ふっとばされてる……。
華江「やれやれ」
板前「華江さん、血が騒ぐんじゃない?」
華江「埋めるよ?」
板前「すみません」
まつり「おりゃぁああああ! くたばれーーーー!」
利奈「今日のまつりのケンカは、いつもより楽しそう……」
まつり「しねぇええ! 戸部達矢ぁあああ!」
達矢「えぇええ! 何で俺!?」
紅野「飛べ! 達矢!」
達矢「どこに!」
紗夜子「ヘリウム風船ならいくらでも用意するよー」
季節風にでも乗って、世界一周して来いとでも言いたいのか!
達矢「やめろ! 俺にそんな冒険心はねぇ!」
そして、男子生徒Dくんは、
男子生徒D「おらあ!」
不良Aと戦っていた。
不良A「効かん!」
いつの間に復活したんだ……不良A。
さすが不死身の男……。俺とは丈夫さがちがう。
利奈「まつりぃ! くらえー! スタンガン!」
達矢「利奈っちそれ反則!」
利奈「まつりにはこれの最大出力で……」
バチバチッ!
まつり「覚醒した今のあたしには、そんなものは効かない!」
利奈「えぇえええ!」
アルファ「ロケット花火ぃー!」
みどり「アルちゃんもやめなさい!」
宮島父「おい! 今どこかでロケットの音が聴こえ――」
ばっしーん!
宮島父「はぶぉ!」
巨大なロケットを抱えて登場した宮島父は誰かの平手で殴られ吹っ飛んだ。
華江「…………」
殴ったのは華江さんだった。
その烈しい音を耳にして、乱闘が止まった。
華江さんは、パンパンと手を叩く。
華江「はいはいそれまで! もう乱闘おしまい! 祝勝会するよ! 寿司で!」
みんな「寿司!?」
本子「ゴーゴー!」
華江「でも、本子ちゃんは食べれないだろ」
本子「大丈夫です、食べた気分になれますから」
アルファ「アイスクリームも、回ってますか?」
板前「え、寿司屋でアイスクリームなんて」
華江「ていうか、回らないタイプのお寿司屋さんに行く予定なんだけどねぇ」
アルファ「…………」ずーん。
華江「あ、あんた! 子供いじめてんじゃないよ!」
板前「えぇっ? 今のは華江さんでしょ!」
その時、まつりは後ろからアルファの肩を抱いて揺らしながら、
まつり「アイスクリーム♪ アイスクリーム♪」
なんかテンション高い。
紅野「バナナはあるの!?」
達矢「お前、今日くらいはバナナ我慢しろよ」
紅野「何ですって! ファニーボーン刺激するよ!?」
達矢「いや……えっと、地味に嫌だなそれ」
と、その時――
紅野「てか、あれ、何……?」
紅野明日香は上空を指差した。
RUN「なんや、ただのミサイルやないか。――ってミサイルって何やねん!?」
何その、ノリツッコミ。
志夏「また来たわね。ミサイル!」
宮島父「よっしゃぁああ! ここはワシのロケットでぇえええ!」
銀髪少女が、宮島父が持ってきていたロケットの角度を調整していた。
アルファ「軌道計算完了! こんくらいの角度です!」
宮島父「うっし! ワシのロケットが街を救うんじゃあ!」
宮島父は、ロケットに点火した。
そして、ロケットは火を噴いて、ミサイルへと向かっていく。
宮島父「ふぉおおおおおおお!」
ぐんぐん空に向かっていったロケットは、
ガゴン。
ミサイルに激突した。
そして――
ドゴオオオオオオオオン!
上空で大爆発……。
達矢「えっと……何これ……」
紅野「面白い街だね」
達矢「えぇえ!? それ今言うとこ!?」
志夏「でしょ! 私の自慢の街なのよ!」
しかし、今回も街は滅びた。
楽しげな思い出だけを残して……。
【フェスタ_明日香ルート 終わり】