表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風車は力強く回転を繰り返し規格外の強風は坂を駆け抜けてゆく  作者: 黒十二色
フェスタ_紅野明日香(野球ルート)
433/579

フェスタ_明日香-3

 翌日。校庭。


 学校は文化祭本番。


 野球でもサッカーでもラグビーでもカバディでも。


 何でも出来そうなくらいに広い校庭だった。


 そこに、揃った両チーム。


 まずは、俺たち、紅野明日香チームのメンバーを紹介しよう。


 まずは、俺、戸部達矢!

 器用なバナナ好き娘・紅野明日香!

 自称、神・伊勢崎志夏!

 自称、風紀委員・上井草まつり!

 理科室の幽霊・浜中紗夜子!

 商店街の看板娘・笠原みどり!

 堕ちたアイドル・大場蘭!

 病弱な風紀委員補佐・風間史紘!


 合計八人!


 ――って、足りねぇじゃねぇか!


達矢「野球は一チーム九人だよな……」


志夏「ふっ、何が言いたいのかしら、たっちゃんは。私がいくら人間ではなく神だからといって、人数を集められないわけがないでしょう?」


達矢「いや……だって、事実お前の他に七人しか居ないじゃねぇか。この場には……」


 言うと、


志夏「こんなこともあろうかと、助っ人を呼んでいるのです!」


達矢「助っ人?」


志夏「そう、ミス柳瀬です!」


 志夏が名を叫ぶと、


那美音「…………」


 サングラスを掛けて変装した謎の女が姿を現した。


 年上っぽいオーラを放っている。


 あれこそは――


 二重スパイ・柳瀬那美音!


 というわけで、これでとりあえず九人揃ったわけだが、不良チームはどうだろうか……。


 俺は、不良集団に目を向けた。


不良A「点呼!」

不良B「イチ!」

不良C「ニ!」

不良D「サン!」

不良E「シ!」

不良F「ファイブ!」

不良G「シックス!」

不良H「セベン!」

男子生徒D「エイツ!」


不良A「ようし、揃っているようだな」


 九人揃っているようだった。


 ふと、観客席から、


おりえ「きゃぁああー! Dくーん、頑張ってー!」


 女子からの声援。


 それに対して過剰に反応したのは……。


不良D「うほっ。オレのファンなんていたんだな、いやぁ照れるなぁ」


 が、しかし、おりえが応援しているのは、


おりえ「あなたじゃないにゃん。あたしが応援しているDくんは、あっちのDくんだにゃん」


男子生徒D「え、オレっすか」


不良D「くっそぉおおおお! 貴様よくもッ!」


 で、内紛。


不良D「Aさん! あの男! 女に応援されてヘラヘラしてますよ! いいんすか!」


男子生徒D「いや……ヘラヘラなんてしてないっすけど……」


不良A「何だと。女に応援されるような軟弱モノは、わがチームにはいらん! 即刻出ていきたまえ!」


不良ども「「「「でーていけ! でーていけ!」」」」


 出て行けコールが巻き起こった。


男子生徒D「いや、え……わ、わかったっす」


 ……そして、Dくんは、志夏の前に来た。


志夏「何か?」


男子生徒D「仲間に入れて欲しいんすけど。あのわけわからん不良を懲らしめたいんで」


志夏「いいわよ。ちょうど一人足りないところだったの」


達矢「足りない? いや、九人居るじゃねぇか。俺、紗夜子、まつり――」


紅野「てかさ、まつりは何でこっちのチームに居るの?」


 そりゃ、まつりと不良が争ってたからだろ。


 まつりと不良の争いに介入したのに、何でまつりと不良が同じチームになるんだよ。何を言っとるんだ、明日香は。


まつり「はぇ? そりゃだって、不良とモメたのは、あたし――」


紅野「そんなの関係ないじゃん。まつり、不良じゃん」


まつり「なっ――」


達矢「おい明日香」


 俺は明日香と小声で話す。


紅野「何?」


達矢「まつりと不良の争いに介入したのに、何でまつりと不良を同じチームにしてんだよ」


紅野「いや、これには作戦があるのよ」


達矢「? 何だよ作戦って」


紅野「同じチームで野球をやってるうちに仲直りして、チームメイトで仲良くなって、ケンカをやめるんじゃないかなっていう、ね」


達矢「なんつーか、単純だな、お前」


紅野「世の中ってのは、実は単純(シンプル)なものなのよ」


達矢「そうかぁ?」


 割と複雑な人間が多いような気がするけどなぁ。


 ともあれ、明日香は言った。


紅野「とにかく、まつりはあっち。ね、志夏」


志夏「そうね」


まつり「えぇえええ……」


 不満そうだった。


志夏「というか……そうね、戦力構想外ね、上井草さんは。皮をむくことができないピーラー並に使いどころがないわ」


 戦力外通告をした。


まつり「なにぃ!? その言葉ぁ! 後悔させてやる!」


 言って、まつりは不良チームの方へと悔しそうに走って行った……。


 意外と扱いやすいヤツなのかもな、上井草まつり。


志夏「これで、それらしい構図になったわね」


達矢「それらしい構図ってのは何だ?」


志夏「上井草さん率いる不良軍をやっつける私たちっていうね!」


達矢「あぁ……なるほど……」


 すると遠くから、まつりの声が聴こえてきた。


まつり「何としてもぉ! あいつらには勝つわよ!」


 不良どもはお通夜状態。


まつり「おらぁ! 返事しろ貴様らぁ!」


不良ども「「「は、はい!! まつり様!!」」」


 不良チームは、まつりに乗っ取られたようであった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ