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風車は力強く回転を繰り返し規格外の強風は坂を駆け抜けてゆく  作者: 黒十二色
フェスタ_柳瀬那美音(幼馴染の昔話)
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フェスタ_那美音-5

『上井草家の娘、手首を切る』


 そのニュースは村中を駆け巡った。


 それは、何年か後にマナカの耳にも入ることになるのだが、


 上井草家の娘というのをマツリだと勘違いした人間がとても多かった。


 真実を知る人々は、そういった噂話をいちいち訂正して回るほど暇ではなかったので、手首を切ったのはマツリということで落ち着いた。


 そして、後にマツリを何とかするために村中が動くことになるのだが……今はそれよりも幼馴染同盟の方に目を向けよう。


 ある日のこと。


「聞いた? 皆」


 学校からの帰り道。サハラ、すなわち笠原みどりは聞いた噂を仲間に語っていた。


「はにゃ?」


 カオリ、すなわち穂高緒里絵は首を傾げた。


「あぁ、あの話?」


 マリナ、すなわち宮島利奈は知っているようだった。


「何かあったにゃん?」


「自分の手首を切ったっていう噂だよ」マリナ。


「誰がそんにゃこと?」


「マツリ」


「えぇっ!?」


「その後、どうしてるの、マツリは」


 マリナがサハラに尋ねると、小さくサハラは頷いてから、


「何かね、ずっと家に閉じこもってるみたい」


「大丈夫なのかにゃ? 大丈夫なのかにゃ?」


「わからないけど……」


「……迎えに行こう」


 マリナは拳を握って、そう言った。


「どういうこと?」とサハラ。


「やったことは重大で、許されることじゃないけど、やだよ。こんなの」


「マリナ……」


「マツリだって素直じゃないだけで、反省はしてると思う」


「そうかな?」


「わたしはそうだって信じてる」


「あたしも、信じてりゅ」


「暴力振るわれてる人に信じられてるって、何か不思議な人ね、マツリって」


「マツリには、わたしが必要なんだよ」とマリナ。


 マリナにとって、マツリが必要なんだろうな。と、サハラは思った。


「なんたって、幼馴染同盟だもんにぇ!」


「そう……だね」


 サハラは、言って、雲が高速で流れていく空を見つめた。




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