フェスタ_志夏-2
で、しばらくして……。
「さて、と」
志夏の呟きが聴こえてきたかと思ったら、
ずぼっ
俺はようやく天井から引き抜かれた。
そして、目の前の光景を目の当たりにして、ぎょっとした。
なんというか、最高に近い光景が、そこにあった……。
いつの間にか、何人もの可愛かったり美人だったりする女の子たちが居て、しかも皆、コスプレをしている……。
「…………」
無言で俯く上井草まつりはお姫様。意外と似合う。きらきらひらひらしたのがこんなに似合うとは思わなかった。
「だいじょぶ? 達矢」
そう言った紅野明日香はバニーさん。
「大丈夫よね。戸部くんは丈夫だもん」
笠原みどりはナース姿だった。
「じゃあ、サハラの看病は必要ないね」
いや、是非看病してくれ。頼む。
って、そんなことを言った浜中紗夜子は、海賊。
パイレーツな服装だった。
「というか……どうして達矢は天井に突き刺さってたの?」
利奈っちは……これは巫女さんだろうか。そうだ。どう見ても巫女だ。
「違うわね、達矢くん! マリナがしてるコスプレは、ずばりゴーストバスターよ!」
なんじゃそりゃ。ていうか、このメガネの素敵女教師のコスチューム装備して俺の心の内を読んだ人は誰……。
「ゴーストバスター? では、本子がピンチじゃないですかっ!」
幽霊の本子さんまでコスプレしている……。
あれは……何だ……本のコスプレってのかな……。
頭の上に本を乗せてるだけみたいだが……。
「本子ちゃんは、今は『ただの不思議な本』だから大丈夫だと分析しました!」
そう言った青い目で銀色の髪をした少女は、あれは……もしかしてソフトクリームのきぐるみか何かだろうか……。
何というセンス……。
「達矢ぁ! 見てみて! マジカルやろ?」
魔法少女なアイドルっぽい関西弁の女の子が言えば。
「うにゃー」
野球のユニフォームに身を包んだムニャムニャ系にゃんにゃん女子まで居る……。
「そして私は、ウェイトレス! いらっしゃいませー!」
どうしよう、志夏さんのテンションがおかしい。
「…………すばらしいワン」
皆、かわいかった。犬のきぐるみを着た俺を除いてみんな。
素敵だった。
天国に居るのかと思った。
しかし、何故コスプレ祭り……?
「俺は今、すごく幸せかもしれないワン……」
だが、これらを着て何をしようって言うんだろうか、志夏は……。
「ていうか、こんな衣装どうしたんだ? 買ったのか?」
「わたしが作ったんだぜ! ヨーホー!」
この海賊はノリノリだった……。
「でもさ、しなっち」
「何? 浜中さん」
「コスプレして何やるの?」
「さぁ、もう私にも何が何だかわかんないわ!」
「会長さん、どうしたのかにゃん……」
「さぁ……」利奈。
「どうとでもなれってのー!」
叫んでいた……。
「なんか、ストレス溜まってるのね、級長……」みどり。
「そうだ。思いついたわ。今回の私の目的は、街中をコスプレイヤーだらけにすること!」
ものすごい変なこと言い出したんすけど……。
「そうだわ。それでいこう! さぁ、みんな! ついてきなさい!」
「「「「おー!」」」」
ゾロゾロと志夏に続いて歩き出した。