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フェスタ_アルファ-2

 アルファと二人で校内を練り歩いてみたが、どっこいアイスクリームの店は見当たらず!


「アイスクリーム……か」


 廊下で呟く俺。


「アイスクリーム……」

 呟き、ずーんと沈むアルファ。


「無いな、アイス」


「おにーたん、嫌い」


「なぁっ!?」


 いきなり嫌われたぞ! ショック!


「ならばここはショッピングセンターに行って……」


「残念ながら、ショッピングセンターは臨時休業だ」


 どこからか、店長の若山さんのような声がした。


「臨時休業なのかっ……」


 ならばもう、手が無いじゃないか!


 アイスを売ってるところなんて、心当たり無いぞ!


 いや、しかし、そのことをアルファに悟られてはいけない。


 気付かれたら嫌われてしまう……。


 ここは、なんとしても、アイスクリームに関する情報を入手しなければ。


「もしかして……この街にはアイス無いの?」


「い、いや……どうだろうな……」


 するとアルファは、


「イマドキ、空母や潜水艦や戦艦にだってアイス製造機械が導入されているとゆーのに……」


 まぁ、これだけ歩いて見当たらないってことは、無いんじゃないかって気もしてる。


 やばい。


 空気が沈んでる……。


 どうしよう。


 誰か、誰か助けてっ!


 心の中で言った、その時だった――


「ファルファーレ! ファルファーレじゃないの!」


 どっかの姫が、目の前に現れた。


 姫。そう、姫だ。


 ていうか、何だか姫的な格好してるけど、こいつ浜中紗夜子じゃないか。


「さよたん!」


 アルファは嬉しそうに叫んだ。


 知り合い……か?


「おう、紗夜子、この子――」


「たっちー! たっちーじゃないの!」


「あ、ああ……そうだけど……どうしたの、お前」


「なんか、演劇やらされてたから、演劇っぽく言ってみた」


「そうっすか」


 変なやつだな。


「で、この子は、お前の連れなのか? 親しいみたいだが」


「そういうわけじゃないけど……」


「さよたん! 術後の経過はどうですか?」


「もう全快したよ。バスケットボールだって全力で投げられるよ」


 言って、紗夜子は左腕をぐるんぐるんと回した。


「ボウリングの球だって上手投げできるよ」


「あぶないからやめましょうね」


「うふふっ、そうする」


「えへへ」


 笑いあっていた。


「何だ、紗夜子。左肩、怪我でもしてたのか?」


「そうだよ。でもファルファーレの手術で治ったよー。肩治してくれてありがとねー」


「お安い御用ですぅ。また、さよたんのパスタ食べさせてくれるなら、右肩もどうぞ壊してください。治しますから」


「こいつぅ、冗談きついぞっ」


 小突いていた。


「うふふふふ」

「えへへへへ」

 何この……変な二人……。


「ところで、さよたん」


「何? ファルファーレ」


「アイスクリームが食べたいです!」


「アイス……? うーん。それはちょっと守備範囲外かなぁ……」


「そうですか……残念です」


 そこで俺が、「せめて、アイスとか売ってる店とかでもいいから、教えてくれるとありがたいんだが……」とか言ってみたのだが、


「無いよ」


「え?」


「たっちー。残念だけど、今のこの街でソフトクリームを手に入れるのは困難なんだよ」


「そりゃまた何で……」


「二年生のクラスで出しているイチゴミルクと抹茶ミルクが大変な好評で、牛乳が全部そっちに流れてるの。卵もたまごやき屋台のおかげで不足気味だし」


「つまり……それは……どういうことだ」


「原料となる物資が無い」


「……そういうことらしいぞ、アルファ」


「アイスが食べられないなら……こんな学校、いりませんね……」


 えー、何か過激なこと言ってるんですけど……。


「テロをしかけます!」


「は……?」


 本当に、何なんだ、この子は……。


「アイスクリーム!」


 言いながらアルファは、ポケットからロケット花火を取り出した。


 何してんの……この子……。


 更に、どこかから取り出したライターでロケット花火に点火する。


 ロケット花火は、「ひゅーーーーー!」とテンション高めの声を上げて校舎内を飛んだ。


 割と人が多い場所を……。


 ざわつく人々。悲鳴混じりに。


 おい……。


 おいおいおいおいおいおい……!


 何してんだこの子は!


 絶対にマネしないでください。といわなきゃならんような最悪級不良行為だぞ。


「二発目! いきます」


「おいやめろ! アルファ」


「やっほう!」と紗夜子。


「何でお前も楽しそうなんだよ! 止めろよ!」


「これでこそお祭りだよ☆」


 この姫の格好した紗夜子たん、ノリノリである。


 だめだ……こいつら……マトモじゃねぇ……!


「二発目ぇ!」


 点火した。「ひゅーーーーー!」飛んだ。


 人ごみの中を。


 悲鳴が飛び交う。


「おいこらぁ! 危ないだろうが!」


「まだまだいきますよ!」


「いくな!」


 と、その時――


「ロケット花火の音がした方へ来てみれば……これは面白い!」


 利奈のパパが現れた。ムキムキだった。


「ワシとロケットバトルをしようというんだな、ファル子! 良い心がけだ!」


 宮島父が、巨大ロケット抱えてやって来た!


「うぇええええ!?」


 逃げないとヤバイだろどう考えても!


「あたしのロケットには、魂がこもってる! そんなハリボテには負けないっ!」


 って、ロケット花火に魂込めてんのかよ。


「ハリボテ? まぁ見ていろ!」


 そして、宮島父は、巨大ロケットに点火した!


 学校は、「どかーーーーん!」と声を上げて爆発した。


「何だぁ、これ……」




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