フェスタ_紗夜子-6
皆で協力してやった結果、すぐに屋上は風船だらけになった。
数百……いや、もしかしたら千単位あるかもしれない。それくらい大量。かなりの量だ。
屋上にロープを張り、そこにヘリウムの入った風船を大量に結んでいた。
なんか、このまま風船を増やしまくれば、いつか学校全体がフワフワと浮き出しそうである。
だが、まぁ、そのためにはもっともっと、気の遠くなるくらいに多くの風船が必要なのだろうが……。
まるで、野球場でラッキーセブンの前に観客全員でジェット風船を構えてる風景を見るようだ。そのくらい、風船で埋め尽くされている。といっても、浮いている風船は丸っこくて、ジェット風船ではないが……。
そして、そんなカラフル風船畑がようやく完成をみた頃に、おりえがやって来た。
「あっ、できてるっ、すごーい」
すごーい、じゃねぇっての……。
お前は逃げた後、作業をサボって何をしてたんだ。と言いたい。
そして、おりえが、軽率にもロープに括りつけられていたヘリウム風船数百本をロープから解き外して手にした時――!
「はにゃーーーーん!」
軽い気体であるヘリウムの入った風船を大量に抱えていた色んな意味で軽い女の子が、ロープに絡めとられて空を飛んだ!
きっと、突然吹いた強風も手伝ったのだろう。
今までそよ風だったのにな。
ああ、でも何となくこんなことになるんじゃないかって気はしてた。
神さまはサボっている子をちゃんと見ているものなのだろう。
そう、まるで他人に仕事をさせて自分は好きなことをしていた穂高緒里絵に、神罰が下ったかのようだ!
「うにゃーーーー誰かたすけてーーーー!」
叫んでいた。
「しばらく反省していてもらいたいものだわ」
伊勢崎志夏は呟いた。
しかし、
「やっはーーー! たのしーーーー! 景色サイコーーーー! 絶景ーーーー!」
次の瞬間には予想外に楽しんでいた……。