表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
378/579

フェスタ_達矢-1

※フェスタ共通ルートから繋がっております。

「さぁ、誰を手伝うの? たっちゃん!」


 志夏は言って、俺の返答を待った。


 ぶっちゃけ、祭りなんぞ、面倒くさかった。


 とはいえ、面倒だやりたくないなどとはっきり言うのもはばかられるというもの。


「いや……」


 と言葉を濁すことしかできない。


「まさか……私を手伝いたいとか言うつもり?」


 志夏を手伝うのも、何か違う。今の俺は、何にも縛られたくないのだ。


 もう、この際だ。正直に言おう。俺は自由が欲しいと。


「俺は誰も手伝わねぇ!」


「まぁ、反抗的……」


「だいたい、無理矢理連れて来て手伝わそうなんて、おかしいじゃねぇか。拉致して強制労働なんて、マトモな人間のすることじゃねぇよ!」


「だって、神だもの」


「はい……?」


 何言ってるのこの子。神とか言ったか?


「まぁ、手伝いたくないのなら仕方ないわね。私も今は人として生きている身だわ。好きにして良いわよ」


「え?」


「たっちゃんに、自由行動を許可します」


「でも……良いのか? 俺だけ」


 なんと、俺は戸惑った。自分で願ったことだとしても、突然自由を与えると言われると、何をすれば良いのかわからなくなるのは俺だけじゃないと思う。


 とはいえ、よく知らない誰かを手伝うなんて、やる気の無い俺はまっぴら御免こうむりたい。


「まぁ、いいんじゃない? 皆、そんなの気にしないちょっとアレな子たちだし」


「そ、そうか。じゃあ、お言葉に甘えて……」


 俺はそう言って、


「うん、じゃあね」


 志夏の声を背中で聞いて、生徒会室を出た。





 さて……いきなりやることがなくなったぞ。


 俺は、何もわからないまま生徒会長を名乗る女に連行され、突然自由を与えられた。


 ……何なんだこの展開は。


 転校初日から文化祭だのウィンドミルだのフェスティバルだの。何が何だかさっぱりだ。


 ここは、現実逃避も兼ねて……とりあえず寮に帰るというのはどうだろうか。


 そうだ。


 そうしよう。


 俺は元々そういう不真面目な子なのだ。


 前の学校では無断遅刻とサボタージュを繰り返し、その恥ずかしいほどの無気力の末にこの街に送られてきたという経緯がある。


 いきなり文化祭なんて、転校早々やってられっか、といったところだ。


 さぁ、それでは帰るとしよう。


 俺の寝泊りする寮の一室に。


 そして無人の寮に戻った俺は、特にやることもなくゴロゴロして過ごし、いつの間にか眠り……。


 次の朝を迎えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ