最終章_2-7
バタンと閉じられ、ガサガサと袋から肉まんが取り出された。
昼飯。俺たちの前には、肉まんが並んだ。
「てか、言いたいんだけど、いいかな?」
明日香が何か言いたいらしい。
「何だ」
「また中華?」
不服らしい。
「美味しいんだから良いでしょ?」
そして、また俺のオゴリである。
金を払っていない明日香に文句を言われる筋合いは無いはずだ。
「そろそろ、和食が食べたい」
「和食……ていうと?」
俺が訊くと、
「コロッケとか、カレーとか」
とか言った。
「それ和食なの?」と利奈。
たぶん、違うと思う。
「……仕方ない……夕食まで我慢してあげるわ!」
言いながら、明日香は肉まんにかぶりついた。
「何様のつもりだ……」
「あ、それで、明日香。報告なんだけど――」
利奈が言いかけた時、明日香は、
「どうせ何も得られなかったんでしょ?」
利奈の言葉を遮るようにして返した。
「その通りだが……」と俺。
「で、でも」と利奈。「手がかりは掴んだもんね!」
「ああそうだ。今日の夜に、幽霊っぽい子に会いに行く予定だ」
「へぇ……何だか楽しそうね。二人ばっかり」
「お前は連れて行けないぞ。明日の朝までは外に出ちゃいけないんだからな」
「へいへい……」
不満そうに、肉まんを食べていた。