最終章_2-4
洞窟の外に出ると日光が眩しかった。
「そういや、本子さんは、日光とか浴びても大丈夫なタイプの幽霊なのか?」
「はい。平気です。その気になれば光合成もできます」
「それは……便利だな……」
「これからどうしよっか……」
利奈っちが不安そうに呟く。
「どうもこうも……本子さんの除霊を最優先にすべきだろう」
「輝く本は? 探さなくて良いの?」
「それは、だってこの町にあるってこと以外で手がかりが無い以上、本子さんの曖昧な記憶が鮮明になることに期待するしかないぞ。だからもう、待つしかないんじゃないのか?」
「そっか」
「それで、だな……まずは何処に行くか……」
「やっぱり、霊とか、仏とか、神とか、そういうオカルティックなものに詳しい感じの人に話を聞きに行く……っていうのが良いと思うけど……」
「オカルティックねぇ……」
「でも、そんな人……いるかなぁ……ちょっと思いつかないけど……」
「うーん……」
俺は少し考え込み、
「あ」
思いついた。
「ん? 誰か居る?」
「ああ。志夏だ。生徒会長の伊勢崎志夏」
「え、本当に会長さんと知り合いなの? 達矢」
「まぁな。転入初日にいきなり会ったぜ」
まだ授業にも出ていなくて、先生にも挨拶していないので「転入した」と言って良いのかどうかは疑問だが。
「それで、会長さんは、幽霊とかに詳しい人なの?」
「幽霊っていうか……神様とか、好きらしいぜ。何と言っても自称・神だからな」
「そうなんだ」
「さて、それじゃ、えっと、学校に居るかな? 利奈っちはどう思う?」
「特に用事もなくて、授業中じゃなければ、生徒会室に居ると思うよ」
「ゴーゴー!」
本子さんは、楽しそうに声を出した。