幕間_10_伊勢崎志夏の怒り-2
志夏「達矢くん、いいかげんにしなさい」
達矢「え、えっと……」
志夏「さすがに節操なさすぎでしょ。あなた、誰でもいいわけ?」
達矢「あの、意味がわからないんだが」
志夏「そりゃね、年頃の人類ってのは、ハーレムみたいなの求めちゃうものなのかもしれないけど、自重が見られない行動が多すぎよ」
達矢「そんなこと言われても」
すると志夏は、一つ溜息を吐いて、
志夏「まったく、懲りないわね。まぁでもね。あなたのそういう行動によって、固定された町に変化が生まれてるのも事実なのよね」
達矢「お前さっきから何言ってんだ」
志夏「ずいぶん長いこと大事な人を置き去りにしてるみたいだけど、反省の言葉くらい欲しいわね」
達矢「すみません」
志夏「心が入ってない!」
達矢「いやいや、だって、お前が何言ってんだかわかんねぇから……」
志夏「言い訳は要らない」
達矢「どうしろと。ちょっと一方的すぎるだろ、会話をしてくれよ」
志夏「思い出しなさい。自分の運命とか宿命とか、役割とか、そういうの。そして大事な人を大事にしなさい」
達矢「……大事な人ってのは、誰のことだ」
志夏「私のことじゃないからね」
じゃあ誰なんだと首を傾げた。
そんな夢を見た。