穂高緒里絵の章_2-1
※一日目は上井草まつりの章と同じです。
というわけで、二日目から。
「ようしサボろう」
もう嫌だったんだ。
学校なんて行きたくなかった。
というのも昨日は、屋上で紅野明日香とか名乗る変な女子が降って来て踏み蹴りかましてくれた上、職員室に呼び出され、職員室前で上井草まつりとかいう変な女に撥ねられ、教室では自己紹介でスベり、クラスメイトたちに聞こえよがしに陰口を叩かれ、笠原商店で靴を受け取ったはいいものの、「きみをテイクアウトしたい」みたいな最低の下らない冗談を言ってしまったがために、笠原みどりに叱られた。
散々すぎた。
新しい学校に転入してきてまだ二日目ではあるが、新しい世界に馴染める気がしない。
そして、男子寮でも皆に避けられ続けている感じがして、もう嫌だ。
だから、サボる。サボタージュである。
もう登校なんてしないのである。授業なんて、受けないのである。
さて、そうと決まれば、どこでサボろうか。
と思って、思い浮かんだのは、町の南にあるというショッピングセンターだった。
「ふむ」
ここは、ショッピングセンターに行ってみようではないか。
どうやら新しく出来た施設らしく……事前にこの町のことを慣れないパソコンで調べた俺にとっても完全に謎に包まれている。この町の紹介をしているウェブサイトには載っていなかったからな。
謎。
謎だ。
そして、謎というものがあるのなら、それを解きたくなるのが人間ってもんだろう。
ましてそれが、行って見てみるだけという超単純で簡単なものならば尚更だ。
俺はショッピングセンターに向かうことにした。