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幕間_04_伊勢崎志夏の怒り-1
志夏「達矢くん、満足?」
達矢「なんだ、突然」
志夏「いろんな人間とイチャついて満足かって聞いているの」
達矢「え、いや別に、誰ともイチャイチャしてないんだが」
志夏「そりゃね。今の達矢くんはそうでしょうけど。でも、誰があなたにとって必要なのか、ハッキリした方がいい」
達矢「いや、すまんが、意味がわからん」
志夏「あなたが、知らない町に放り込まれたことで、表面上は平気を気取って心の中で悩んだり傷ついたり苦しんだりしてるのは容易に想像できるの。そして人間だから男だから、恋に、つまり女の子に救いを求めるのも納得はしないけど理解はできる。でも、あなたが好きになるべきは、その子ではないでしょ」
達矢「はあ」
志夏「はあじゃないわよ。何度説教させるのよ。まったく」
そして志夏は、ため息をついて、最後にジトっとした視線を向けて、こう言った。
志夏「私を好きになれって意味でもないからね」
じゃあどういう意味かと首を傾げた。
そんな夢をみた。