金貸さない友情
世田谷の安居酒屋。
蒼と親友3人。山岳部つながりの4人組だ。
森山真司、野中雄一、秋葉紀之(突き放し)。
ビールで乾杯。
蒼が切り出す。
「就活、ワカメ落ちてやばかった。」
「それはいいですね。でも詳細を。」森山の丁寧ツッコミ。
「てやんでぇ、頭に海藻ってどんな面接だよ!」野中のべらんめぇノリ。
「関係ないことじゃのう。」秋葉の貴族風一蹴。
蒼は愚痴る。
「23億の父の話も出ちゃって。金欲しいよ。」
3人が同時にビールを止める。
金銭話の合図だ。
「貸さないよな。」蒼が念押し。
「それはいいですね、金以外なら。」森山。
「てやんでぇ、金だけはねぇ!」野中。
「下賤な願いよ。」秋葉。
共通ルール発動。金以外は全力支援。
蒼はため息。
「のぞき同行とかならやってくれんの?」
「それはいいですね!」森山即答。
「てやんでぇ、週1超えかよ!」野中爆笑。
「美しき堕落じゃ。」秋葉。
蒼のスマホ震える。銀行アプリ。残高見て、募金指が動く。
「ちょっと待って。」
3人が呆れ顔。
送信音。
「…電車賃なくなった。」
「またかよ!」野中。
「それはいいですね、送るよ。」森山が財布出す。
金以外なら、ルール内。
秋葉が肉まんを差し出す。
「これで腹を満たせ。」
蒼は笑う。
金失っても、こいつらがいる。
「なるほど、友情ってことか。」
飲みは朝まで。
金だけ貸さない、最高の4人組だった。




