表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆめ販売店  作者: みちる
3/3

Ⅲ*悪夢 

何かが追いかけてくる。

それが何なのかはわからない。

だが、私はそれを確実に「怖い」と思い、「逃げなくては」と本能的に感じている。


どれだけ走ったのかわからない。

とにかく走って、走って、逃げた。


だが、奴は確実に私を追ってくる。


―――…

――――――



「…またこんな時間」

間宮嶺(まみやれい)は、枕元に置いてあるスマホの【2:23】という表記を見て、小さくため息をついた。

ここ最近、連日悪夢に悩まされ、まともに眠れていない。

見る内容はいつも同じ。なぜこんな夢を見るようになったのか、まったくわからない。

ベッドから体を起こし、水分を摂ろうと冷蔵庫に向かった。


テーブルに座りぼーっとスマホをいじりながら、ふと「悪夢」と検索をかけてみた。

「どうせ寝ても悪夢しか見ないんだし、対処法でもあればな」

表示されたSNSのつぶやきを見ると、「悪夢を見たときは無理やり寝ない」「ホットミルク」「悪夢は予知夢」などよくある体験談が多数投稿されていた。


それらをスクロールしながら流し読みしていると、ふととあるワードが目に入った。


「夢、売りませんか」



「夢を…売る?」

表示されたページをタップすると、ホームページらしきWEBサイトに飛んだ。


【見たい夢はありませんか?当店では様々な夢を販売しております! 見たい夢がない場合はオーダーメイドでも承ります! 悪夢や気持ち悪い夢を見てしまった方!あなたの夢、売りませんか?】


うってつけじゃないか。

そういえばなんとなく聞いたことがある気がする。最近、脳科学の解明が進んだことにより、「夢」をコントロールできるようになったとか。「夢を売る」というのも、脳科学の方面で「夢を取り出す」ことができるようになって、新たな職種が誕生したとニュースで話題になっていた。


ちょうど今日は休みだし、行ってみるか。


――――


「おはよう」


「おはよう。あれ、また眠れてないの?」

妻のサユリが、心配そうにこちらを見つめる。


「ああ…わかる?なんか最近変な夢ばっかり見てさ」


「クマすごいよ。大丈夫なの?」


「さすがに1週間くらいちゃんと眠れてないかな。でもよさそうなの見つけてさ。今日ここ行ってみようと思うんだ」

【ゆめ販売店】のホームページを見せる。


「これって、最近発明されたっていう、夢を買えるってところ?」


「そうそう。悪夢も買い取ってくれるらしくてさ。ついでにいい夢があったら買ってこようかなって」


「でも…なんかこわくない?脳に直接何かされて、廃人とかになったら嫌だよ」


「レビューとかクチコミ見たけど、そんなに危険なものじゃないみたいだよ。それに、流行最先端って感じでいいじゃん。眠れるならどんな手段でも試したいし、物は試しだって」






―――――

【執筆中】


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ