9話 だって・・・お前は・・・・・
「幸田・・・・・お前はアニメや漫画で出てくる殺し屋てわかるか?」
「?え・・えぇ、何となく、依頼で人を殺して報酬を得る?みたいな感じかな?」
空原の質問に私は戸惑いながらも答える。
「まぁ・・・そんな感じだ・・・・・」
空原は少し間を空けて神妙な顔のまま答える。
「俺たちはそれだ」
「え??どういう・・」
「俺と義兄さん、無寺さん元殺し屋だ」
「・・・・・・は?」
空原が平然のように言うので私が驚いく。私が驚いている間にも空原は平然と話す。
「俺たちは国家機密組織『由安』にいた。由安は簡単に言えば裏の仕事・・・人を殺したり、あらゆる方法で情報で集めたり、人を拷問するなど、世間では公表できないことをする組織だ。
そこで俺たちは暗殺を専門にやっている支部組織所属していて、俺がNo.3、無寺さんはNo.2、義兄さんがトップだったんだけど・・・・・俺たちは由安を抜けたんだ。」
「あ・・あぁ・・」
全てを聞いた私は唖然としていた。あまりの驚きにまた素っ頓狂な声を出してしまう。
「まぁ・・・簡単に言えば・・・俺たちは人殺しだ」
「・・・・・・・」
空原は明るい口調で言って言ったが、今まで見たことないほど暗い雰囲気で私の目を見ないで言った。
その言葉に私は何も言うことができなかった。
「・・・・・・で、抜けること時に色々あって、組織から狙われているだ・・・まぁ殺しのターゲットにされているんだ。さっきの狙撃手は多分組織の人間で俺たちを殺しに来たんだと思う」
空原は少し間をおいて、いつもの雰囲気で話した。
「・・・・・そう」
「驚いたか」
空原は私にどう思ったか聞く。
「そりゃね・・・正直、私は今夢の世界だと思っているから」
「残念ながら夢じゃねーぞ」
「そうね、夢にしては意識がしかっりしてるし・・・・・そういえば、叔父さん達と三人はこのことを?」
「あぁ、三人は知らない、ただ叔父さん達は由安のことは話してないが、俺たちが裏の住人てことは伝えた。」
「そう」
「「・・・・・・」」
私は何も言えずにいた、正直何を言えばいいかわらない・・・・・空原にかける言葉がない。
「・・・・・ごめんな」
「・・・・え?」
空原は向かって頭を下げ、暗い口調で話す。
「俺みたいな人殺しに助けられても・・」
「謝らないで!!!」
「!?」
私は強い口調で言うと、空原は驚き顔を上げる。
「私は驚いた・・・・けど、あなたを怖がってるわけじゃない!!!」
「・・・・・」
「私はあなたが馬鹿なことを知ってる、あなたがアホなこと知ってる」
「え? 悪口」
「そしてあなたが・・・・・人を思い苦しい時に寄り添ってくれる優しい人だって、私は知っているよ」
「!!!」
「私にとってあなたは・・・・・『人殺し』じゃなくて『親友』で『恩人』だよ」
私はあの時の空原のように優しく微笑んだ。今度は私が助けることは出来なくても、励ますことは出来る。
「だから、改めて言うよ」
私はいつも空原と話す時の笑顔で告げる
「私と親友になってくれてありがとう。私をいじめから救ってありがとう。」
私の言葉を聞いた空原は涙目になる。
「・・・・・そっか、そうか、やっぱり変わらないな」
空原は涙を流しながらも笑っていつもの声で言う。
「ありがとう、俺のことを親友と言ってくれて」
「・・・うん!!」
私は満面の笑みで言う。
「うううぅぅうぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅうぅぅぅぅおおおおぉぉぉおおおぉぉぉ!!!!」
「「「え!?」」」
突然泣き声に私達は聞こえた方向に向くと、お兄さんがめちゃくちゃ泣いていた。
「しゅ〜〜〜〜〜〜〜ん!!よかったな、こんっっっっっっっっっな良いが親友できて、義兄さん嬉しいよ〜〜〜」
「「「・・・・」」」
私と無寺さんも引いていた。空原何か涙が引っ込むぐらい引いていた。
「社長、気持ち悪いですよ。」
「イタッ」
無寺さんはお兄さんの頭に拳骨を喰らわす。
「さぁて、と」
お兄さんは自分の涙を手で拭い、切り替え真面目な面持ちに変える。
「改めて、作戦会議をしよう。」
お兄さんは何かを企むように笑い、作戦会議を始めた。
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「じゃあね、幸田ちゃん、瞬に気をつけろよ、瞬、送り狼になるなよ」
「ならねーよ!!!」
「あ、あはは」
作戦会議が終わり、あたりが暗くなったのと、斬島達が私に何かするかもしれないで、空原が送ることになった。
「今日はありがとうございました。さようなら」
「うん、じゃあね」
「バイバイ!!!」
私たちは事務所から出て、無寺さんとお兄さんは手を振り(お兄さんはめちゃ振っていた)ながら見送ってくり私達はアパートに向かう。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
帰宅中に私たちは何も話せなかった。正直、いつものように話せない。
今からすること考えると・・・・・正直いつものように雑談できない。
空原も私の様子を感じ取ったのか、何も話せなかった。
無言が続く中、アパートに着き私の部屋に着いた。
「じゃあな」
「・・・うん、また明日」
空原は少し笑いながら別れの挨拶を言う。
空原はさっき通った道をまた通る。
「・・・・・・あ、あのさ!!!」
「うん?」
私は空原に向かって叫ぶ、このままなのは、何か嫌だから。
空原は私の叫ぶにゆっくりと振り返る。
「き、聞きたいことがあるんだけど」
「うん、何だ」
「私のこと『幸田』って」
「うん?あぁー、何か、その流れで、嫌だったか?」
「いや、大丈夫、その呼び方で・・・・あ、あと!!!」
「?」
「・・・・何で私のことを救ったの?」
私は言った直後、後悔した。何でこんなことを聞いたたんだろうと。
「・・・・ふ、ふふははは」
空原は私の言葉を聞いて吹き出しくすくすと笑った。
「な・・・・何よ!!! そんなにおかしい!!」
私は口を尖らせ、頬を膨らませ不満を露わにする。
「いや、ごめん・・・・・・『大事な人』だから」
空原は少し間を置きニコと笑って言う。
「? ・・・・そう」
「というか、言ってなかったけ?」
「あ」
そう言えば、言っていた気がする。斬島達に言ってた。
「ご、ごめん」
「いや、謝らなくて良いんだよ。俺は質問に答えただけだから」
空原は穏やかに笑って言う。
「・・・・じゃあな、明日は任せとけ!」
空原はそう言うとまた通った道を通る。
「うん・・・また」
私はそう言い、部屋に入る。
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「『何で私を救ったの?』か・・・・ふふ」
空原は帰宅途中、幸田の言葉を思い出し、笑っていた。
そして、月の光で、空原の白髪が少し白く光って見える時、空原は懐に手を入れ何かを取り出す。
それは、写真だった。
黒髪の幼稚園児ぐらいの恥ずかそうしている男の子。
黒髪の幼稚園児ぐらいの笑って男の子の肩に手を置く女の子。
黒髪の大体11、12歳ぐらいの女の子が満面の笑みで笑っていた。
その写真を見た空原は少し哀愁を漂わせながらも笑って呟く。
「救うに決まってるだろ、だって・・・お前は・・・・・『初恋の人』だから、そして今も『好きな人』だから』
そう呟きながら空原は帰宅する。
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