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32話 新メンバー

「斬島乱介って、確か行方不明になってた」


 お兄さんが顎をさすりながらぼそっと言う。


 斬島乱介、瞬がめっっっっちゃくちゃクズな人と言っていた。確かニュースで逃亡し雲隠れしたと聞いたが、何故、軟田さんに依頼をしたのか、私は少し混乱していたが落ち着いて考える。


「えぇ、どうやら、ある組織が匿ってたみたい」

「どこの組織だ、そんな厄介者を?」

「えっと、確か、神の恵みの会だっけ」

「「「「!!!」」」」


 神の恵みの会って、確かこの前、瞬達が壊滅した変な宗教団体。何故そんな所に?

 まさか、乱介は恵みの会の信徒だったのか、そんな考えが一瞬よぎったが、すぐに軟田さんが答えを言ってくれた。


「神の恵みの会トップだった小手アスマが元々斬島カンパニーの社員だったらしくて、かなり気にいられていたそうよ」

「うん? じゃあ何で辞めたんですか、二年前に斬島カンパニーを自主退社したって、商田さんのメールではそう書かれてたんだけど」


 瞬が疑問に思い軟田さんに質問する。


「それはね、新しいビジネスを始めるために辞めたのよ」

「?」

「元々神の恵みの会は何の変哲もないただの迷惑なそこそこ人数がいる迷惑な宗教団体だった、だけど、斬島社長がそこに目をつけたの、アスマとお抱えの半グレから数人に入信するように命令したの、目的は宗教ビジネスを始めるためにね」


 なるほど、更地から作るよりも土台が出来た土地の方が良いに決まってる。その説明を聞いた瞬も何度か首を上下に振り納得する。


「後は簡単、入信して、暴力で支配して、さらに半グレを入信させ戦力を大きくして、あの形になった。しかも、この事業、半グレを除いて知ってるのは斬島社長とアスマだけ、ほとんど斬島社長専用の銀行になってたみたいよ、金を下ろす時も、最低でも十人は経由して」

「なるほど、それなら足も付きにくいし、誰かに利用されることもない、しかも、隠れるのに丁度いいし、金もある、依頼した理由は神の恵みの会(あいつら)じゃ信用できないってとこか」

「そう、宗教の上納金と僅かな財産で私に依頼してきたみたい」

「なるほど、そういえば、その情報はどうやって知った?」

「依頼するときに言ってくれた」

「なるほど、で、お前は依頼を受けたのか?」

「まさか、受けるわけないでしょ」

「だよな」


 軟田さんのまっすぐな返答に質問したお兄さん少し笑みを浮かべる。


「まぁ、その後が問題だったんだけどね」

「何かやらかしたのか?」


 目を逸らして言う軟田さんに何か察したのか無寺さんが心配そうに声を掛ける。今までとは打って変わった様子に私は不思議に思ったのと同時に、何だかんや言って心配してる無寺さんを見て、無寺さん優しいなぁとほっこりした。


 軟田さんは少し渋るがゆっくりと答える。


「その・・・・斬島社長を・・・・殺しちゃった」

「「「「・・・・・・・・え?」」」」

「その・・・・ごめん」


てへぺろっと舌を少し出して笑う軟田さん。次の瞬間、無寺さんが立ち上がり軟田さんの頭に拳骨を飛ばす。


「いったぁぁぁぁあぁいい!!!」

「何、やってんだぁぁ、ボケェェェェ!!」

「まあ、まあ、まあ、落ち着け、智和」


 怒号を上げる無寺さんをなだめるお兄さん。お兄さんの静止の言葉を聞いた無寺さんは少し顔が強張るが、数秒経つと落ち着き静かに座る。


「で、何で殺したんだ?」


 落ち着いた無寺さんを見届けたお兄さんほっと息を吐き改めて軟田さんの目を見て質問する。その目はいつもより真剣な目だった。


「え、えっとね」


 軟田さんは頭を右手でおさえてもじもじしながらも答える。


乱介(あいつ)、私を襲おうとしてたのよ、しかも、みんなのことをすごく馬鹿にしてたから、つい」


 少し申し訳なさそうに言う軟田さんを見て無寺さんは少し呆れながらも頭をかきながらもため息を吐く。


「・・・殴ってすまなかった」

「ううん、気にしないで」


 無寺さんが少し頭を下げ謝罪する。それに対し軟田さんは温かい笑みを浮かべ許す。

 二人のやり取りを見ていたお兄さんはほっとし胸を撫で下ろしていた。それを見ていた私と瞬はお互い顔を見合わせ笑みを浮かべる。

 

「まぁ、でも、その後が問題だったんだけどね」


 軟田さんは視線を若干逸らしながら、冷や汗をかき目を少し泳がせる。


「? 何か、あったのか」

「その、殺す前にさ、乱介(あいつ)、他の殺し屋達に依頼したって、言ってたんだ、ねぇ~」

「・・・・・・さっきの謝罪、撤回していいか」

「ごめん」


 軟田さんの失敗にその場にいた全員が呆れるしかなかった。


「一応、何か持ってないかと思って、身ぐるみはがして、あいつのスマホを調べてみたけど、情報は特になくて、多分、一人一人、別のスマホで連絡してたんだと思う。だから今度はあいつが言ってた依頼した殺し屋で知ってた奴が二名いたから、突明(とつあき)薄助(はくすけ)に協力してもらって、昨日その二名に会って乱介の死んだことを伝えたんだけど、金を前払いで貰ってたらしくて、依頼は遂行するって言って、二名とも話にならなかったよ。殺そうかと思ったけど、あんた達なら大丈夫だと思って、一応医田さんにだけ連絡して、今日来たってわけ」

「そうか、色々聞きたいけど、お前、突明と薄助と一緒に行動してたのか」

「うん、団が解散した直後からずっと、二人はまだ仕事が色々残ってるから一段落したらあいさつに来るって」

「・・・そうか」


 それを聞いたお兄さんは優しい笑みを浮かべていた。


「あの、突明さんと薄助さんって?」


 私は手を上げ、恐らくその二人が年上だと思いさん付けをし、質問する。


「突明さんと薄助さんは元来未団の隊長だった人達だ、二人は義兄さんの一つ年下で俺を含めて義兄さん、無寺さん、俺、軟田さん、突明さん、薄助さん、あともう一人が来未団の最高戦力だったんだ」

「へぇー」


 どんな人なんだろうっと先ほど名前が出たお二人ともう一人にいつか会ってみたいなぁっと思った。


「まぁ、いつか二人にはいつか会えると思うよ、それで他に聞きたいことある?」

「あぁ、その会えた二人の殺し屋はどんな奴だった?」

「えっと、一人はよぼよぼの殺し屋おばぁさん、駒。もう一人はベテランの殺し屋、鉈鬼」

「駒て、おばぁちゃんは俺を襲った」


 瞬が町田の家に行く道中で襲ったおばぁちゃんのことか。


「何か、すごい目してたよ」

「・・・俺のこと仇って言ってたから」


 そう言う瞬の表情は少し暗いかった。おそらく、瞬が殺した中にあのおばぁちゃんの関係者がいたんだろう。その想像は当事者ではない私でも出来た。


「その、鉈鬼て、奴は俺を襲った奴だな」

「そう、結構、出来そう人だったけど、どうだった?」

「あぁ、そこそこ強かったぞ、11年くらい前まで所属して元来未団の団員だったらしい」

「ふーん、やっぱり、そうだったんだ」


 そう言う軟田さんは笑みを浮かべていたが、さきほどの笑っていた時よりも口角が低い気がした。


「お前、鉈鬼が元団員だって知ってたな」

「何となくね」

「・・・・そうか」


 お兄さんは俯き少しの間を空け小さく発した。その表情は少し悲しげだった。

 その後、重苦しい静寂な時間が流れた。みんな暗い表情で、時が進むにつれどんどん重くなってゆく。

 私は心配しつつも声を掛けることが出来なかった。適当な言葉を掛けてもこの雰囲気を払拭出来ると思えなかった。

 そんな空気の中、一人の美女が声を上げる。


「もぁ~、みんな、何、辛気臭い顔をしてさ」


 それはやっぱり軟田さんだった。少し口角を上げ温かい目で私達を見る。


「あんた達、そんな顔をしてたら、幸せがにげちゃうぞ♡」

「・・・ふ、そうだな、すまんな、こんな顔をして」


 軟田さんの言葉に少し笑みを浮かべ顔を上げる。それがきっかけになり瞬と無寺さんも表情が和らぐ。


「・・・・」


 すごいなぁー、軟田さんは、三人を温かく見守っている。みんなをよく見ており、どう言えば三人が安らぐのか理解している。


 私には出来ないな。


 けど、不思議と嫌な気分にはならない。それはきっと、軟田さんだから、だろう。ほんの数十分の時間だが、私はもう、この人のことが好きになってしまった。あ、決して恋愛感情ではない。

 

「で、私、ここで働いてもいい」


 軟田さんが言葉を発した瞬間、三人が渋い顔をする。うん、この人は三人のことを分かってないかもしれない。


「はぁ~~~~~~~~~~、分かった、いいぞ」

「「「「!!!!!!」」」」


 お兄さんはでっかいため息を吐き、了承する。


「ちょ、ちょっと待ってくれ社長、本当にこいつをいれるのか」

「別にいいだろ、女性がいたほうが新渚ちゃんも助かるだろうし」

「・・・・わかったよ」


 無寺さんは少し渋るがお兄さんの言葉を聞き納得する。


「う~~~~~ん、やったぁぁぁ~~~!!!!」


 軟田さんは水を得た魚のように喜び、まぶしい笑顔を浮かべ飛び跳ねる。


「・・・・賑やかになりそうだな」

 

 瞬は遠い目をしてぼそっと小さく呟く。


「うん」


 私は返事をし、これからのことに不安に思いつつも、嬉しくあった。















 何て、思ってた時期も・・・・あったけなぁー。


 あれからすぐに、軟田さんの入社歓迎会をすることになり、医田さんの店を貸し切ってやり、みんなすっごく飲んだ。


 そして、主役の軟田さんは。


「うぇ~~~~~~、ひっく、へへへへへへ、にぃなぁぁぁちゅあ~~ん、楽しんでるぅぅぅぅ」


 でろんでろんに酔っぱらっており、私の肩を掴み、アルコール臭い息を私の吹きかけていた。


「・・・・・・はい」


 私は悟った顔をし小さく返事をするしかなかった。


 軟田さんは最初の方は全然酔っていなかった。最初からかなり飲んでいたが、割と平常で絡んでくることもなかった。

 ただ、お兄さんと同じペース飲んだのがまずかった。最初の方は全然平気だったが、時間が進むにつれ顔が赤くなり、気づけば出来上がっていた。

 おそらく、いつもこんなに飲まないだろう。それを裏付けるようにお兄さんが申し訳なさそうにこちらをみていた。

 てか、何であの人は顔色一つ変えず、平常でいられるだ。もう、500mlのビール缶2ケース、日本酒一升、ワイン1瓶をすべて一人で飲み干しているのに。しかも、日本酒とワインはアルコール度数、バカみたいに高かった。あの人、本当に人間か?


「軟田さん、飲みすぎですよ、お水を飲んでください」


 私は机に置いてあった水を紙コップに注ぎ、手に持ち軟田さんに渡そうとする。この水は医田さんがあったほうがいいと思って歓迎会が始まる前から置いた物だ。あの人は本当に気が利くなぁ、前の焼肉の時も完璧な焼き具合だったなぁ。自分で焼くより数倍美味しかった。


「うえぇ、うん、だいじょうぶぅぅぅ、うへへへ、わたちぃぃ、これのむきゃらぁぁ」


 そう言い、軟田さんは持っていたハイボール缶を一気に飲み干す。


「いや、ちょっ!!」

「ぷはぁぁ、うへ、うへ、うへへへへへへへへへへへへへ」


 私が静止の言葉をかけようとしたが、遅かった。軟田さんはニコニコ笑い、缶を机に置き、隅っこで高級ワインをちびちび飲んでいた無寺さんの方へスキップしながら行く。


「・・・ともかずぅぅぅ」

「ん? 何だぶぁぁぁ!?」


 無寺さんの前に立った軟田さんは名前を呼び無寺さんが軟田さんと目が合った瞬間、無寺の両頬を両手で挟む。


「え、えっとぃ、さきゅら?」

「・・・すき」

「え?」

「しゅきぃぃぃぃぃぃい!!」


 そう叫ぶと同時、軟田さんは唇を少し尖らせ、キスをしようと無寺さんの唇に近づける。


「ちょっ、ちょっと待てぇぇぇ!!!」


 唇と唇がくっつきそうなった刹那、無寺さんが間に手を入れ引き離そうと軟田さんの口を掴み引き離そうとするが、中々離れない。


「だ、誰かぁぁぁ!!」


 無寺さんが助けを求めてお兄さんに視線を送る、それに気付いたお兄さんは視線を外し日本酒を飲む


「ちっ!!!」


 助けが期待できないと知った無寺さんは医田さんと続打さん、分田さんに視線を送るが、医田さんと続打さんは互いに視線を合わせ酒を飲み、分田さんは医田さんの料理に夢中で気づいていなかった。


 そして、私は。





 視線が送られる前に持っていた水が入ってある紙コップを置き静かに店を出た。


「・・・はぁぁ」


 店を出て、扉を閉めた後、私は一歩進み、ため息を吐く。さて、これからどうしよう。


「あ」


 と思って周りを見ていたら、扉の真横に瞬が座っていた。いないなぁっと思っていたらこんなところにいたのか。


「・・あ」


 瞬がこちらに気づき私の方に顔を向けると思わず瞬と目が合い、何となく気恥ずかしくなり視線をそらす。


「おい、そらさなくてもいいだろう、泣くぞ」


 瞬は落ち込み少し暗い表情を浮かべる。


「ご、ごめん、何か、ちょっと恥ずかしくて、つい」


 私はもじもじしながらも瞬の方を向く。


「そうか、で、何ででたんだ?」

「軟田さんが酔っ払って、絡みのターゲットになる前に逃げた」

「そうか、俺もだよ」

「え? そうなの」

「軟田さんの飲むペースがいつもより早かったから、絡まれる前に逃げた」


 やっぱり、ペース早かったんだ。


「何か飲むか?」

「え?」

「あそこの自販機で、奢るぞ」

「そう、じゃあ、お茶で」

「OK」


 瞬は軽く返事をすると立ち上がり近くにあった自販機に行き、スマホで支払い買った商品を持ってこちらに来る。


「ほい」


 瞬は買ってきたわーいお茶を差し出す。


「ありがとう」


 私はお礼を言い受け取り蓋を開け一口飲む。


「ぷはぁ、うん」


 やっぱり、わーいお茶が一番うまい。


「私がこれ好きなの知ってたの」

「ん・・・・ぷはぁ、あぁ、いつもそれ買ってたから」


 瞬はさっき、わーいお茶と一緒に買ったバージアの銀の微糖を一口飲み答える。


「へぇー、私のこと見てるんだ」

「まぁな」

「・・・・・そっか」


 私は瞬をからかおうとしたが、瞬のまっすぐな返しに思わず、頬を熱くさせ照れてしまった。


「・・・・・・・なぁ」

「うん?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「・・・・・・うん、気づいてる」


 瞬の突然の質問に私は間を空け答える。


 気づいてはいた、歓迎会の時ぐらいに、髪色も違うし、顔もあんまり似てないし、何となくそうじゃないかと思っていた。なにより、瞬がお兄さんに向ける視線が兄弟に向ける視線じゃなかった。うまく言い表せないけど、あの視線は尊敬。上司や恩師に向ける者に見えた。正直、気になってはいた。

 

 でも、聞けなかった。


 何か聞いちゃいけない気がした。


「聞いて、大丈夫なの?」

「うーん、まぁ、このままずっと聞かれないよりは聞かれた方がいいと思って、今聞いた。いつか、知ると思うから」

「じゃあ、お義兄さんとの関係、聞いてもいい?」

「あぁ、すまんな、こっちから聞いておいて、何かそっちが頼んだみたいになって」


 そう言い、缶に残っていたコーヒーを飲み干し、言う。


「義兄さんは、俺の姉さんの夫だ、だから、義理の兄弟になる」

「・・・・・・・・その、お姉さんは」

「・・・死んだよ、一年前に、丁度今から一ヶ月半前が命日だった」

「・・・・・そっか」


 私は小さく言うと、静寂な時間が2分ほど流れた。その間に私は何か一言言おうと思った。


 ごめん、ごめん、ごめん、この言葉が何度も思いついたが、絶対違う。


 かと言ってそれ以外の言葉が思いつかなかった。


 気が利いた言葉を一つも言えない。私はこんな自分が嫌になった。


「・・・すまん、自分で言っておいて、黙ってしまって」

「!!! いや、全然」

「いや、ほんと、ごめ・・・・・・」


 瞬が言う途中、急に黙る。私は何かあったのかと思い瞬の方を向く。


「・・・・・」


 私は瞬の姿を見て言葉を失った。



 瞬は・・・・静かに、泣いていた。


 一粒、一粒、一粒、目から雫が流れていた。声を上げず、黙って。


「・・・瞬」


 私は少し躊躇いながらも彼の名前を呼ぶ。


「・・・・・すまん、みっともない姿を見せて」


 瞬は服の袖で涙を拭い、笑顔を見せる。だが、その笑顔は無理作っているようにしか・・・見えなかった。


「・・・・ねぇ」


 このままじゃ、ダメだ。


「ん・・・何だ」


 私は何のためにここで働いているんだ。


「いつかさ、お姉さんの話、聞いてもいい?」


 便利屋に、瞬に、恩返しするためでしょうが!!


「え?」


 自分でも、失礼だってことはわかっている。だけど、私は瞬に助けられた、恩がある、そして、親友だ。

 だから、支えたい、助けになりたい。


 私が出来ることと言えばこれくらいだ。話すだけでも少しは和らぐかもしれない、正直こんなことしか出来ない。


 でも、やらないよりは絶対いい、ほんの少しでも、助けたい。


「今からでも、明日でも、一週間後でも、一ヵ月後でも、一年後でも、十年後でもいいからさ、聞かせてよ、お姉さんの話を。お姉さんの話だけじゃない、これから、もっと色んな話をしよう。嬉しかったこと、悲しかったことでも、いらいらしたことでも、面白かったでもいい、今まで以上に、いっぱい話そう。瞬のこと、もっと知りたいからさ」


 私の言葉を黙って聞いていた瞬は笑顔を浮かべる。その笑顔は瞬がいつも浮かべる太陽のように明るい笑顔。


「あぁ、そうだな、俺も新渚のこともっと知りたいしな、新渚の話も聞かせくれよ」


 その声は明るく、いつもの声。


「・・・!! うん!!」


 私は喜び、口角を上げ返事をする。


「姉さんの話は・・・今度でいいか」

「うん、大丈夫」

「ありがと」


 その後も会話は続いた。時間を忘れて、失った時間を取り戻すように、話し続けた。










 そして、翌朝、軟田さんは。


「おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 一時間ほど吐いた。



読んでいただきありがとうございます。


評価は自分がこれくらいかなと思った評価でいいので、下に⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を押してくれると嬉しいです


面白い、続きが気になる人はブックマークをしてくれると嬉しいです。


誤字があったら報告してくれると助かります。


良い点でも悪い点でもいいので感想をくれると、助かります。


みなさんが少しでも面白いと思えるように頑張ります。


次回は番外編を投稿する予定です。


これからも話を書こうと思っているのでよろしくお願いします。

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32話の気になったところと感想 2行目 「お兄さんは」→「お兄さんが」かなあ 6行目 「ある組織に」→「ある組織が」かなあ 30行目 「ぞれなら」→「それなら」 139行目 「三人ことを」? …
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