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18話 神の恵み?・・・・・・クソだな

「神の恵みの会って頭のおかしい宗教だっけ?」


 お兄さんが社長に質問する。


「あぁ、そうだ、200年前の『妖美の光(ようびのひかり)』を神の恵みだと言って、謎の考えを教えている頭のおかしい集団だ」


 社長がそう答えると、言葉に怒気が宿る。


「最近、指導者が変わって過激になってね、突然訪問して勧誘するんだよ」

「それが何か?ただの迷惑な宗教じゃないですか、さすがにそんな理由で壊滅はしませんよ」

「・・・・問題はその後でね、何度か勧誘して入信しなかった場合、あつらは・・・・・『暴力』を振るう」


 社長は膝の上で拳を強く握りしめる。


「人目がないところに無理やり連れて行ってタコ殴りにしたり、ひどい時は誘拐するおそらくそこでもやってる、うちにも被害がでてね、重傷者6名、行方不明者2名」


 社長の顔に般若が宿り言う。


「さすがに・・・これは・・・やりすぎだね!!!能武(のうぶ)に捕まるだけじゃ~~~罪は償えないなぁー、指導者と幹部は殺害!!!無理やり入信された者たちの解放、他の入信者は口止めをするなら殺さなくてもいい」

「・・・・・・・」


 それを聞いたお兄さんは頭を掻き、考える素振りを見せ返事をする。


「わかった、その依頼受けよう」

「ありがとう、来叶くん」


 二人は握手をし、社長はお兄さんの目を見て言う。


「今夜21時、やつらのアジトで集会があるそこを襲撃しろ、あとで場所や入り方を教える」


 社長の言葉に怒気がなくなる。


「おぉ、そいつはありがたい・・・あぁそうだ一つ頼みたいことがあるんだけどいいか?」

「うん、何だ?」

「幸田ちゃん、ここで預かってくれないか」

「え?」


 私は突然のことで思わず変な声を出す。


「最近襲撃されてな、安全が確認できるまでは一人にはできない」

「わかった、そのくらいことなら」

「ありがとう」

「い、いえ、お兄さん、私は大丈夫ですだから」


 私は落ち着きのない声で言う、皆さんの手を煩わせるわけにはいかない。

 私が言うとお兄さんは私の方を向き真剣な表情で言う。


「幸田ちゃん、このことに関しては絶対に譲れないよ、君の安全が最優先だ」

「・・・・・わかりました」


 私はお兄さんの言っていることを理解し頷きながら言った。


「あ、そうだこれも渡そうか」


 そう言うとお兄さんは私の前に立ち懐から何かを出し、それを私に渡す。

 私はそれを受け取る、それは鉄製の棒で先端にはスイッチの様な物がついていた。


「これは?」

「それは、もし今後君が誰かに襲われて命が危険な時、先端のスイッチを押せ、君を守ってくれる、肌身離さずもてよ」

「はい」


 私の返事を聞くと安心した表情を浮かべドアの方に歩き出す。


「瞬、仕事だ行くぞ」

「はい。義兄さん」


 お兄さんの言葉を聞いた瞬は立ち上がりドアの方に歩き出し、二人は部屋を出る。





 二人は事務所に戻り無寺と合流した。


「ということわけだ、智和準備しろ」

「急だな、まぁいいけど」

「久しぶりですね、殺しの仕事なんて」

「そうだな、ま、今回は落ち着いてやれば早く終わる」


 三人は言葉を交わしながら武器が置いてある部屋(新渚は知らない)の前に立ち来叶がドアノブを掴み回し言う。


「さぁ、準備するぞ」

「はい!!」

「おう」

        


^

^

^

^

^


21時


 三人は最寄り駅から徒歩15分にある三階建ての大型スーパーに来ていた、商田社長から聞いたアジトの場所だ。


「さぁて、行くか」

「はい」

「おう」


 三人はスーパーに入り、すぐ近くに清楚な美人店員に来叶が声を掛ける。


「すみません」

「はい、どうなされましたか?」


 来叶が声を掛けると店員も優しい丁寧な口調で言う。


「『恵みの場所』をお聞きしたいのですか」

「・・・・こちらです」


 店員はそのままの口調でエレベーターの前まで案内する。

 エレベーターのドアが開く、店員が入りそれに続いて三人も入る。

 店員は三人が入った瞬間、付いてあるボタンを3、3、2、1、3、2と順に押す。

 すると、下に階がないはすが、エレベーターが下に動く。


《地下二階に到着しました、ドアが開きますご注意してください》


 1分後エレベーターが止まりドアが開く。


「「「!!!」」」


 三人はドアの向こうに広がる光景に驚く。

 広がる光景は、中世ヨーロッパあたりの時代に作られた闘技場が地下に置いた様だった。

 一階は戦う場所で床は地面になっている、二階は観客席になっていて観客席にはたくさん人が座っている。


「次からは自分たちでやれよな」


 店員はさっきとは打って変わって荒々しい声、荒々しい口調で言う。


「は~~い」


 来叶がふざけて返事をする店員は舌打ちをしてどこかに行った。

 三人は一階から一番近い観客席に座り周りに聞こえないように話す。


「意外と簡単でしたね」

「ま、こんなもんだろう、指導者が変わるまでは本当にただの迷惑な集団だ、裏のことなんてほとんど知らないからだろうな」

「まぁ、金属探知機すらないのはやばいと思う、おかげで武器を持ち放題だった」


 智和はそう言いながら他の人には見せないように二人に黒いキューブを見せる。


「おいおい、よく持ち出したな」

「安心しろ、万が一探知機があったとしても探知できないようしてある」

「さすが、無寺さん」

「瞬、お前にも一つ・・・というか俺が使うよりお前のほうが使える」


 そう言うと智和は持っていた黒いキューブを瞬に渡す。


「・・・無寺さん、これもしかして」


 瞬がそう言うと智和は頷き、瞬は真剣な表情に変わる。


「なるほど、確かに一番俺が扱える、ありがとう無寺さん」


「いいよ、そこまでの大きさの物を圧縮できた時、誰に持たせるか考えたら、一番最初に思いついたのが、お前だったからな」


「なぁ、智和、俺には無いのか」

「無い」


 智和は即答する。

 そうしていると一階の奥から白い司祭服を着た三十代くらいの男が現れ、直後、歓声が鳴り響く。


「あれが指導者の」

「はい、小手(こて)アスマです」


 アスマはマイクを持ち話す。


「みなさん、よく集まってくださいました、では・・・」


 アスマは熱弁をした。

 内容は200年前に妖美の光が全世界に降り注いだことで我々人類はスキルを得た、アスマはこれを「神の恵みであり、リセットだ!!」と言い、この力を使って人類は1からやり直すという内容だった。

 三人は何言ってんだこいつという顔で見ていた(信徒のみんなは夢中で誰一人気づいてない)。

 アスマは熱弁し終わると今度はいや~~な笑みを浮かべ言う。


「さて、今回も愚か者に制裁をくわえるよーーー、『闘愚者(とうぐしゃ)』を始める!!」


 観客が歓声を上げる、心なしかアスマが現れた時より盛り上げっている。

 そして奥から上半身裸のムキムキの男と同じく上半身裸の細身の男がボクシンググローブをはめて現れる。


「!! 義兄さんあれ」

「あぁ、商田さんとこの行方不明になっていた社員の一人だ」

(しかも、あの顔、恐怖で支配されている顔だ)


 来叶は細身の男の顔を見て心配していると、アスマは腕を上げる


「さぁ、闘愚者・・・開始!!!」


 アスマが腕を下げ闘愚者の開始を合図をする

 合図されると同時にムキムキの男は拳を強く握る、すると、筋肉量が数倍になる。

 ムキムキの男は雄叫びを上げながら殴り掛かり細身の男の顔面を殴る。


「ぐはぁ!?」


 細身の男は2mほど吹き飛び大の字に倒れ鼻血を出し気絶する。

 ムキムキの男はそれを見て醜悪な笑みを浮かば言う。


「愚者に制裁を」


 ムキムキの男はゆっくりと細身の男に歩みよ


バッンンン!!!!


 次の瞬間、一発の銃声がが鳴り響きムキムキの男の左足が吹き飛ぶ。


「ぎゃぁぁぁぁ!! 足が!! 僕の足が!!! あぁぁぁあぁぁ」


 ムキムキの男は傷口を抑えながら泣きながらのたうち回る。

 観客もそれに気づき悲鳴を上げる。


「・・・誰だ!! 誰がやった!!]


 観客とアスマは周りをを見る。


「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」


 2人を除いた全員が一人の男に視線が釘付けにされる。

 その男はリボルバーを構えていた来叶だった。銃口からは煙が上がっている。来叶はそのままの体勢で般若の顔を静かに怒る。


「『闘愚者』だと・・・・・クソなことしてんじゃんねーぞ」


 次の瞬間、来叶は一発撃つ。


 銃弾は泣きながらのたうち回っていたムキムキの男の頭を吹き飛ばし絶命させた。


読んでいただきありがとうございます。


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18話の気になったところ 9行目 「できなかった」→「しなかった」かなあ 「あつら」→「あいつら」 11行目 「社長は膝の上で拳を強く握りしめる」かなあ 26行目 「あるだけど」→「あるんだけど…
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