17話 日本一の大富豪
4日後。
私たちはあんな事をしたので二週間ほど休校になった。
私は便利屋有事の事務所で掃除機をかけていた。
「いや~、暇だな」
私が掃除をしているとソファーで横になっていた瞬が気の抜けた声で言う。
「仕方ないでしょ、私たちがあんな事をしたんだから」
「それはそうなんだけどさぁー」
「まだ、廃校になってないのが不思議なくらいなんだから」
規唯はОBの多額寄付で成り立っていった。
特に斬島父からの額がすごく、億を超えていた
その斬島父がいなくなり、さらに問題を起こした校長、生活指導の先生、担任の先生は失踪。
廃校が決まっても全くおかしくない状態だ。
「あぁ、それは斬島父と同じくらい寄付をしてくれる人を義兄さんが見つけてくれたんだよ」
瞬がソファーから体を起こしながら言う
「え、誰なの?」
「商田栄馬社長」
「・・・・・」
私はその名前を聞いて自分の耳を疑った。
なので私はもう一度聞く。
「いま、誰だって」
「商田栄馬社長」
「・・・・・」
どうやら私の耳は正常なようだ、私は動揺しながら瞬に聞く。
「しょ、商田社長て、あ、あの日本一の大富豪の商田社長」
「うん」
「び、貧乏から日本一の大富豪になって『現代の豊臣秀吉』と称されて、あの栄馬カンパニーの社長である商田社長」
「うん」
私の問いに平然と言う瞬を見て私は頭を抱えて言う。
「この便利屋、そんなすごい人が知り合いにいたの」
「元々は社長が由安に護衛を頼んだんだ、護衛をしたのが義兄さんで、そこから仲良くなって、俺たち便利屋のことをかなり信頼してくれているんだ」
瞬がそう言った直後、バタッとドアが開く、そこにいたのはお兄さんだった。
お兄さんは私を見る否や言い放つ。
「二人とも出かけるぞ」
「「何処へ?」」
「栄馬カンパニーに」
「え!?」
私は驚きの声を上げた。
三十分後
私、瞬、お兄さんは栄馬カンパニー本社の待合室でソファーに座って待つ。
私は緊張のあまり体が震えていた。
それを見た瞬は声を掛ける。
「大丈夫だよ、俺も何度か会ったことあるけど、良い人だよ。」
「ででででででもももも」
私たちがそう言葉を交わしているとガチャン!とドアが開き、50代ぐらいの黒髪で、スーツをビシッと着た男性が来た、ネットや本何かで載っていた商田社長の姿だった。
「おぉ、商田さん、寄付の件、ありがとよ」
お兄さんは礼を言いながら立ち上がり社長の前に行き左手を前に出す。
「いや、いや、こんなことでよければ」
物腰柔らかい声を発しながら、社長もお兄さん同様左手を前に出し二人は握手をする。
「それに斬島には恨みもあったからな」
悪い顔をしながら社長が言うと二人は手を離しお兄さんはさっきまで私たちが座っているソファー、社長はもう一つあったソファーに座った。
社長は座ると瞬と私をに見つめて言う。
「瞬君、久しぶりだね元気にしてたかい」
「はい、商田社長もお元気そうでよかったです」
「うん、うん・・・で、君が」
「は、はじめまて、幸田新渚です」
私は震えた声で言う、すると社長は優しい笑顔をむけながら優しく言った。
「緊張しなくていいよ、私なんてただのおっさんなんだから」
「は、はい」
私はその言葉を聞くと緊張で震えていた体が落ち着き震えが止まった。
不思議だ、社長の声を聞くと落ち着く。
お兄さんの声とはまた違った声だ。
この声でASⅯRを販売すれば売れそうだ。
「そういえば、商田さんさっき言っていた恨みって?」
お兄さんが社長に質問を問いかける、私もそのことが引っかかっていた。
「あぁ、そのことかい・・・私は高校の頃、斬島にいじめられててね」
「え!?」
私は驚き声を上げる、社長は笑顔ではあるが声に怒気を感じる。
「私の家は貧乏でね、死ぬ気で勉強して学費を全額免除して規唯に通っていたんだ、だからだろうね斬島いじめの標的にされたよ」
「・・・・・」
「路地裏で殴られたり、靴を隠されたりとかいろいろされたよ、辛かったよ、親には心配をかけたくないし、学校側に言っても意味ないし・・・正直、学校嫌いだったよ」
「・・・・」
「だからこそ」
社長は私を見て物腰柔らかい声で言う。
「君が無事で本当に安心したよ、勝手何だけど君の話を聞いた時学生時代の私と重ねてしまってね、すまないね、こんなおっさんと一緒なんていやだよね」
「いえ、いえ、そんな一緒なんて・・・恐れ多いです」
私は頭を下げながら否定した。
私は否定した後少しの間をあけて躊躇しながら質問する。
「あ、あのなんで規唯に寄付を、何か思い入れでもあるんですか?」
私の質問を聞くと少し斜め上を見ながら考え言う。
「う~ん、ないね、学校には悪い思い出しかない、寄付をしたのは、今の生徒が困るからというのもあるけど、やっぱり母校だからなくなるのはそれはそれでさみしいから・・・・質問はもうないかい?」
私ははっきり言う。
「はい、大丈夫です」
社長は私がそう言うとお兄さんの方を向く、すると笑顔から真面目な顔をして言う。
「来叶くん、一つ、頼みがあるんだけどいいかい?」
「別にいいですよ、で、どんな依頼なんですか」
「過激派宗教『神の恵みの会」の壊滅を頼みたい」
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