15話 恩返しと覚悟
私が泣き止んだ後、私達は部屋に入りリビングに入り、叔母さんは昼飯を作るためにキッチンに、私と叔父さんはソファーに座って待っている。
そんな中私は・・・頭を抱えていた、理由は・・・・近所の人にギャン泣きしてる所を見られてしまった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
はっっっっっずかしぃ!!!
それはあんなにギャン泣きしたら、気づくよな〜〜!!
近所の人めっちゃくちゃ温かい目で見てたなー、みなさん私が元気がない事を心配してたからなー、だからあんなに温かい目で見てたんだろう、泣いている人もいたし、みなさんに安心してもらえたことはホッとしてる。
でも!!!!!
やっぱり恥ずかしぃぃぃ!!!!
「・・・・死にたい」
私はあまりの羞恥心に呟いてしまう
「叔父さんは死んだら、悲しいぞ」
「・・・うん」
新聞を読んでいた叔父さんが読むのを一旦やめて優しく答えたので、私は少し口角を上げながら言い、ふと聞きたい事を思いだし、叔父さんに聞く。
「叔父さん、依頼料ってどれくらい払ったの?」
「それは言えないよ、新渚のことだ、値段を聞いたら責任を感じてしまうだろ」
「いや、そういうわけじゃなくて、便利屋に恩を返すために値段を知ろうと思って」
「恩返しって?」
「便利屋で働いて恩返しをしようと思って」
「おぉ、そうか・・・・・・はぁ!!!」
叔父さんは立ち上がるほど驚く。
30分後
叔母さんの料理ができ、私達は料理を食べていた。
久しぶりの叔母さんの料理に私はほっぺたが落ちそうになっていた。前食べたうなぎも美味しかったけど、叔母さんの料理の方が何千倍も美味しい。
「やっぱり、叔母さんの料理は美味しいね」
私は叔母さんに向かって笑顔で言う。
「ふふふ、新渚にそう言われるのも久しぶりね、嬉しいわ」
叔母さんも私を見て笑顔を浮かべ明るい声で言う。
あぁ、幸せだな、本当に、斬島達にいじめられてから幸せを感じたことなんてほとんどなかった、空原と話している時、一瞬だけぐらいだ。
「ん、んん、それで新渚、便利屋で働かせてもらうと言うのは?」
全員が食べ終わると、叔父さんはわざとらしい咳払いをし私の言ったことに質問する。
「あぁ、便利屋に恩返しがしたいから、働かせてもらおうと思って」
「はぁー、そんなの許すわけないだろう、なぁ、おまえ」
「いいわよ」
「な、叔母さんもこう言っててええ!! いいの!?」
叔父さんは叔母さんの回答に驚く。私も正直驚いた、絶対反対されると思っていたから。
「うん、新渚の目が本気だからね、本当に恩返しがしたいんだな〜て思って」
叔母さんがそう言うと、叔父さんが私の目をよ〜〜く見る。
「た、確かに本気の目をしている・・・だけど、あの人達は危ない人だし」
「大丈夫、大丈夫きっとあの人達が新渚を守ってくれるわよ」
「守ってくれるって、何かあったらどうするんだよ」
「大丈夫よ、あの人達は信用できるし・・・・・それに」
叔母さんは私の方を向きニマニマしながら言う。
「あなた。瞬くんのこと気になってるんでしょ♡」
「・・・・・は、はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
私は叔母さんの唐突な発言に声を荒げる。
「こら、新渚、うるさい」
叔母さんが私にめーっと赤ん坊を叱るように注意する。
「だ、だって叔母さんが変なことを言うから!!!」
「そ、そうだよ新渚に彼氏はまだ早い!!!」
「いや、叔父さんそう言うわけじゃなく、そもそも、私は空原のことなんて気になってなんか・・・あぁ、もういい!!!!」
私は少し葛藤すると席を立ち、リビングのドアの近くに置いてあるスクールバッグを持ち頬を熱くさせ言う。
「今から、便利屋に言って働かせてもらえるように頼むから、それじゃあ!!!!」
私はそう言い捨てて家を飛び出す。
「あぁ、もうあの子たらいつの間にか恋をしちゃて、あんなに頰を赤らめて、青春ね」
「はぁ、まぁ、あの子がそう言うなら・・・・それにあんなにちゃんと自分の意見を言えるようになって」
「何、あなた、泣いてるの」
「君こそ、泣いているじゃないか」
「・・・・・そうね」
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「ダメだ」
「そうですよね」
私はアパートを飛び出した後、便利屋の事務所に来て、昨日来た時と同じ構図ではなく、全員がソファーに座っていのは同じだが、空原がお兄さんの右隣に座っている、さらに空原が俯いた。
私はそれを気にしながらもお兄さんに「便利屋で働きたい」と言ったら、こうなった。
「幸田ちゃんわかってると思うけど、ここで働くってことは」
そう言うと、お兄さんの空気が変わる、まるで太陽の火が消えるように。
「殺されても文句はないてっことだよ」
お兄さんが冷たい声で言う、本当に凍りそうなほどに。
「はい、もちろんです」
だけど、私は平然と言う、正直何で平然でいられるのかわからない、気になるが、今はそんなこと気にしないで私は言った。
「・・・・・・一応理由を聞こうか」
「私は便利屋の皆さんに助けられました、理由は叔父さんと叔母さんが200万払ったからです」
「何で依頼料がわかった」
「叔父さんが最初に出した額が200万くらいだと空原に聞きました」
私がそう言うと、お兄さんはゴゴゴォオとすさまじい圧を出しながら瞬の方を向く。
「瞬」
お兄さんは空原に圧をかけながら絶対零度の声で発する。
空原はお兄さんの目を見ながらあわあわしながら必死に慌てながらも答える。
「いや、伝えてないよ!!! 確かに最初にお二人が尋ねた時、出された200万ぐらいって言っただけで」
「・・・そうか」
お兄さんは圧をかけるのをやめて、再び私の目を見て言う。
「で、幸田、わかった理由の続きを言ってくれるか」
「はい、社長さんなら、額を上げないと思ったからです」
お兄さんは、いい人だ、絶対に。
空気が変わっても、滲みでる優しさがある、だから平然と答えられる、今気づいた。
会ったばかりだけど私が見たこの人はそういう人だ。
一応、確証を得るために叔父さんから直接聞こうと思ったけど、叔母さんがあんなことを言ったから思わず飛び出してしまい、確証を得られずに事務所に来てしまった。
「そうか」
「はい・・・けど、依頼料全然足りてないんじゃないですか」
「「!!?」
「・・・君は本当に賢い子だね」
お兄さんは調子を崩さず答える。 そう、200万じゃ足りるわけがない、斬島カンパニーの不正の情報を手に入れるには、だから社員の人に情報をもらうしかない。
でも相手は、斬島カンパニー、あまりにもリスクがある、200万で請け負うとは思えない。
だから、自腹で額を増やして、メリットとリスクを同じにしたと思う。
多分、1000万か、2000万、それ以上。
そんな事をしたら、依頼料なんて意味がないのに。
「だから、恩返しがしたいです。せめて、本当の依頼料分まで、働いて返させてください!!」
私はそう言い、頭を下げる。
「「「・・・・・・」」」
三人が聞いて少しの静寂の時間が流れる、そしてお兄さんが口を開けて流れを変える。
「・・・・・理由は分かった・・・君が本気なことも・・・・だが、ダメだ!!!」
「俺も反対だ」
「すまん、幸田、俺も反対だ」
無寺さんが手を挙げながら言うと、空原も続いて手を挙げて言う。
「・・・・・・・」
まぁ、分かってた。
どれだけ、私が恩返ししたいと思っていても、この人達は私の安全を優先する。
だからこそ!!!!
「お願いします、恩返しをさせてください!!!」
私はこの人達に恩返しがしたい。
私がそう言うとお兄さんが私の目を見て言う。
「・・・・覚悟は伝わった・・・・分かった、その覚悟試させてもらおう」
「え」
「「!!!!」」
次の瞬間、瞬く間に私の横に座り、リボルバーを出し、銃口を私の側頭部に向ける。
本当にまばたきをした一瞬だった。
「落ち着けよ、瞬」
「え」
お兄さんがそう言ったので私は空原の方に目線を送る。
空原は鬼気迫る顔で銃を構えていた、銃口の先を捉えていたのはお兄さんの側頭部。
「落ち着くだと!! こんなの落ち着けるわけないよ!!!」
私はそれを見て、空原に言葉をかける。
「空原、落ち着いて」
「!!」
「この人は私を撃たない」
と、強がっているものの正直なところ、怖い。
だけど、撃たないという確信はある。
「そうかな」
お兄さんが引き金を引く。
次の瞬間、銃声が部屋中に響く。
「瞬、腕を上げたな」
お兄さんは頭を後ろにのけぞっていた。
恐らく、さっきの銃声は空原が引き金を引いたんだろう。
でも。
「ね、撃ってないでしょ」
私は生きていた、傷一つなく。
お兄さんは確かに引き金を引いた、けど、銃弾は入れなかった。
私がそう言うと、お兄さんの雰囲気が戻り、
「ぷ、ぷはははははははあはは!!!」
高らかに笑った。
「これはすげー!!! まゆ一つ動かさなかったぜ!! すげー覚悟だな」
「だって、お兄さんが私を撃つわけないですから」
「・・・本当にすげぇーな」
お兄さんは私に感嘆しながら銃を懐にしまう。
それを見た、空原はため息をつき、落ち着いたのかソファーに座る。
無寺さんはそれを見て、空原の肩を優しく数回パンパンと叩き、
「どんまい」
お疲れさまみたいに言う。
空原は悔しそうな顔をし、それを見たお兄さんはさらに大笑いする。
そして、笑いが落ち着き、私を見て手を差し出す
「合格だ、ようこそ、便利屋有事へ」
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