11話 だって、お前・・・いじめっ子で、
空原と一緒に学校に着いて、教室に向かっていると周りの人がヒソヒソと喋っている。
喋っている人たちの目線はさまざまで怯える目、軽蔑する目、男の人は怒り目をしている。
空原はそれを見て私の耳元で言う。
「やっぱり、あの斬島達が何か言いふらしたみたいだな、気にするなよ」
私はそれを聞いて小さく頷き、空原と一緒に教室に行く。
教室前まで来て私はドアを開けようとするが、ドアノブに中々触れない。
「・・・・・」
斬島達がおそらく、クラスメイトや友達に言いふらしたのだろう。
みんなはどう思っているんだろう、知らない人に嫌われるのはまだいい。
・・・・けど、知り合いや友達に嫌われるのは、怖い、昔のようになりたくない。
そう思うと、ドアを開けられない。
そうしていると、空原が私の手を握る。
「!!!」
私は顔が熱くなりながらもし空原の方を向く。
「安心しろ・・・・・そのなんだ・・・・・お前のような言葉は俺は掛けられない、けど安心しろ俺は味方で友達だ」
そう言うと、空原はやさしい笑顔を見せる。
「・・・・・ありがとう、空原」
空原が手を離し、私はドアの方を向き空原に握られていた手でドアを開ける。
私たちが教室に入ると教室にいる全員が私たちを見るなり、ヒソヒソと話し出す。聞き耳を立てると、「おい」、「あれ」、「どの面引き下げて」と小声で話していて重い空気が充満していた。
「みんな、おはよう!」
「「「「「!!!!!」」」」」
空原は教室に入ると、いつものように挨拶をする、私を含めた教室にいた全員が驚き全員が黙る、ここでもクラスの男の人の中には空原に怒り目線を向けている人もいる。
「うん? おいおい、どうしたみんな、そんな目線を俺に向けて」
空原が不思議そうにそう言うと足音が響く。
「よく・・・・そんなことを言うわね、あなた達」
私と空原は声をかけられたので声が聞こえた方向を向くとそこには・・・・・・明らかに傷を盛ってギプスなどを付けている斬島達と全校集会で見たことがある男の生徒会役員がいた。よく見ると役員の人は斬島に似ていた。
「おぁ、斬島・・・おはよう」
空原は斬島に笑顔を向けるが、圧も一緒にかけていた。
「で、これは斬島の仕業か?」
「うん、昨日のことを全校に言いふらしたの、あなた達の悪事を」
「悪事?」
空原はキョトンした顔を浮かべる。
「ええ、昨日の放課後、私たちと新渚が遊んでいて突然新渚が路地裏に行こうと言って、路地裏に行ったら空原くんが襲い掛かって来たことね!!!!」
そう言うと、斬島はギプスを付けている右腕をこれでもかと強調するように左手の手のひらで差す
「おかげで私たちはこんな大怪我を負ったわ、どうしてくれるよ!!!!」
私は空原に近づき耳元で言う。
「空原、一応聞くけど」
「俺は斬島達にあそこまで怪我を負わせてない、骨は折ってない」
「だよね」
私は胸を撫で下ろす。
「何、コソコソと話してるの・・・・とにかく、もうあなた達のことは先生と生徒会にも伝えたからね、人を傷つけたことを後悔しなさい!!!!」
どの口が言うだ!!!!
と思っていたら生徒会役員の人がこちらに向かってズンズンと歩いて、空原の前に立ち空原の胸ぐらを掴む
「てめぇー、うちの妹に傷を付けてくれたな!!」
生徒会役員はそう言いながら睨む。
やっぱり、私が思った通り斬島のお兄さんだった。
「ぷ、ぷははははは、はっははは!!」
空原は斬島兄に胸ぐらを掴まれて爆笑していた、それを見た斬島兄は眉間に皺を寄せさらに睨む。
「チッ、この野郎!!!」
斬島兄は空原に殴りかかる。
「フンッ!!!」
「イタッ!!!」
空原は拳が届く前に斬島兄に掴まれていた手を強く握る。すると斬島兄は掴まれていた手を離し一瞬怯む。
それと同時に空原は斬島兄の腕を掴み、背負い投げをし斬島兄を床に叩きつける。
「グハッ!!!」
「おいおい、先輩、何するんですか?危ないじゃないですか」
「お前が言うな!!!・・・・というか何がおかしいんだよ!!!!」
「だって、斬島に言われても、ねー、そもそも怪我させてたのお前らだし」
そう言いながら空原は掴んでいた腕を離す。
「はぁー、何が言いたいんだよ」
「そうよ、何が言いたいのよ」
斬島兄妹は空原に質問する。
「だって、お前・・・いじめっ子で・・・・・人殺し、だろ」
空原はさっきの嬉々とした声とは違い、憤怒の声で言う。
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