裏10話 いつものあの頃
「うぅん」
俺は少し声をあげながら深夜に目を覚ます。
目覚めたら、壁、床、天井が全てコンクリートでできていて、壁に武器と時計が掛けられて、洗面所と机と椅子と棚とベッドがある部屋にいた。
いつもの光景だ。
俺は起き上がり、洗面所で髪と顔を洗い、歯磨きをする。
そして、『来未団』の制服を着る。
「ふふ」
俺は少しニヤける。俺が『由安』に来て8年、来未団のことを知り、憧れ、7年間死ぬほど努力して、来未団に入ることができた。
だから、嬉しくてこの制服を着るといつもニヤけてしまう。
少し時間が経つとニヤけが落ち着き俺は棚の上に置いてあるカローリメイトを食べる。
コンコンコンッ!!!
食べ終わるとドアからノックが鳴る、俺は足音を極力なくしてドアに近づき開ける。
そこには俺の憧れ、『時衛来叶』団長がいた。
「団長、おはようございます!!」
「あぁ」
俺が挨拶をすると、団長は無表情で冷たい声で返す。
「何か、ご用でしょうか」
「今日は俺と任務だ、お前の専用ライフルを持って行くぞ」
団長は冷たい声でそう言った、瞬間、俺の頭の中が喜びのオレンジ一色になる。
「!!!・・・はい」
俺は興奮を抑えて平然と返事をする。初めての共同任務・・・・・・嬉しくてたまらない。
俺は部屋にある、二丁のハンドガンを制服に付いているガンホルダーに入れ、懐にナイフを2本入れる。
そして、専用ライフルが入っている、バカ重いライフルバッグを持ち、部屋を出て、団長と一緒に任務に行く。
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30分後。
目的地ボロボロのでかい倉庫に着く。
「改めて、今回のターゲットはマフィア『飴』のボスと幹部。飴の構成員は総数150名で、下っ端や傘下を入れれば・・約400名」
団長は目的地に着くと、今回の任務の内容を話す。
「今、奴らはこの倉庫で会議をしてる。おそらく、かなりの構成員がいる」
そう言うと、団長は静かに倉庫の錆びたボロボロの大きな扉の前に立つ。
「!!!」
団長は目を限界まで見開くと団長の目が一秒ほど白く光る。
「・・・・・・階段があった、どうやら倉庫は2階もあるな、幹部陣がいないから多分2階にいる」
そう冷たい声で言うと、後ろにいる俺に視線を向ける。
「そ・・・瞬、お前は2階に行って、幹部陣を全員殺せ、扉を開けたらすぐに階段の場所を把握しろそのライフルで階段まで行け」
「・・・はい」
俺は喜びを隠し平然のように返事をする。
返事をした後、俺も扉の前に立ち、ライフルバッグから部品を取り出し、組み立てる。
大型ライフル『砲』。
無寺さんが作ってくれた俺専用ライフル。
銃口直径7c mのから撃たれる銃弾はばかげた威力だ。
俺は座りライフルを構える。
「・・・・準備完了です」
「よし」
団長はそう言うと銃とナイフを持ち、扉を蹴る構えをする。
「・・・・・任務・・・開始」
そう言うと、団長はでっかい鉄の扉を軽々と蹴り飛ばす。
「何じゃ!!!!」
「敵襲か!?」
蹴り飛ばした瞬間、構成員達が驚いたのか各々叫びはじめる。
俺は構えながら中の様子を見る。中には・・・・200人ぐらいいた。
俺は倉庫の隅々まで見て階段を探す。
そして、階段を見つけ標準を合わせて一呼吸で撃つ。
「ぐへぇ!!」
「ぐはぁ!!」
銃弾は何人かを貫き、階段に近い壁に1/3に刺さる。
そして銃弾は後ろの下半部の2/3が落ちる。
俺はライフルから手を離し、ライフバックにあるスマホを取り出し、画面に映るのはさっき落ちた銃弾の下半部。
「あーーーー!!」
スマホに向かって俺は叫ぶと銃弾の下半部から俺の叫び声が流れ、俺のスキルが発動し、銃弾の下半部と入れ替わる。
「うぁ!?なんじゃ・・」
近くに構成員がいたので、俺は一呼吸で銃を取り出し、構成員の眉間に銃弾をぶち込む。
「テメェぐは!?」
「よくもブハッ!?」
他の構成員が襲いかかって来たので二人の腹を弾き、うずくまっているところを、ナイフを取り出し二人の喉を掻き切り周りの状況を見る。
すると構成員のほとんどは団長に襲い掛かっているが、全員多種多様に殺されている。
俺はそれを見て銃をリロードし、階段を上がり2階に向かう。
階段を登ると、そこには屋根裏のような場所で机があり、六人がソファに座っており、さらにソファのすぐそばには護衛らしき三十代ほどの厳つい顔をしたハゲがいた。
「な、何だ貴様!!!!!?」
ソファにいた一人が声を上げる、移動中写真で見たボスの顔と同じだ。
「由安だ、お前達を殺しに来た」
「ゆ、ゆゆゆ、由安!?」
俺が由安の名前を出すと、ボスらしき人はしりもちを着く。
「ボス、ここは私が」
そう言うと、ハゲは銃をだし、俺に銃口を向ける。
「死ね!!!」
そう言いながら、ハゲは三発撃つ。俺は全て躱しながら、ハゲの横大体10m離れたところに行き、そこで一発撃つ。
「のぁ!!!」
ハゲは直前で躱すが、額に掠り血を流す。
「調子に乗るなよ小僧!!!」
ハゲは俺の方向に向きながら銃を捨て、拳を力強く握る。すると両手が出刃包丁のようなでかい刃物に変わると俺に向かって走る
俺はハゲの首を狙って二発撃つ、が、ハゲは出刃包丁を盾のように構え銃弾を弾く。
俺は瞬時に銃を捨て、2本のナイフに切り替える。
「うおりゃー!!!」
ハゲが俺に斬り掛かり、俺はガードの姿勢をとる。
「ふん!!!」
ハゲが雷のような一撃を振り下ろす、俺は何とか2本のナイフを交差するよう出刃包丁を挟むが威力が全く落ちない。
「ぐぅぅ!?」
それでも俺は腰に力を入れ何とか耐える、気を抜けば、一瞬で真っ二つになる。
すると、ハゲは少し力を緩めながら一歩下がる、俺は力を入れてたせいか少しよろけてしまう、まずい!!
ハゲはそれを待っていたかのように出刃包丁の平(平な部分)で俺を吹き飛ばす。
「がはッ!!!」
俺は壁に叩きつけられ、落下とともに顔から倒れ込む。
「ひ、ひひひ、よくやった玉!!!」
俺の状態を見てなのかボスは気持ち悪く笑いハゲを褒めるが、ハゲは返事をしない
他の幹部たちも安堵の表情をする。
俺は「意味のないことをして」と心の中で呆れる。
「ひひひ・・・・・うん?どうした玉、早くとどめを・・・・」
ボスは反応しないハゲを見て近寄ると、ハゲは背中から倒れる。
「あ、ああああぁぁ!!!」
倒れたハゲを見てボスはまた尻もちをつく。
ハゲは眉間に銃弾が二発刺されていて、目を開けたまま死んでいた。
他の幹部陣もそれに気づくと、安堵の表情から絶望の表情に変わる。
「な、何で、何で玉が!!! ・・・・・まさか、こいつの仲間が!?」
ボスは両手で頭を抱えながら言う。
「いや、そのハゲは俺がやった」
「「「「「「!!!!!」」」」」」
俺はそう言いながら、立ち上がる。
そう、ハゲは俺が殺した。
俺が吹き飛ばされる中、もう一丁の銃を取り出し、即座に二発撃ち、二発とも眉間に刺さった。
ボス達が気づかなかったのは一階の騒音がうるさかったからだろう。
俺は全員が驚いてる中、もう一丁の銃を拾い、ボスに銃口を向ける。
「ひぃぃ!?」
ボスが悲鳴を上げ、それに対して俺は無表情で言う。
「さぁ、死のうか」
そして、俺はその場にいた全員を一切の躊躇いもなく射殺した。心は・・・全くと言っていいほど、痛まなかった。
俺は殺し終わり階段を下る。
階段を降りきるとあちこちに死体があった。
死体は色々な表情をしていた。
驚きの表情、困惑の表情など、そして、絶望、泣いて許しをこう時の表情、それが一番多い表情だった。
俺は周りを見ると、血まみれの団長が死体を椅子代わりに座っていた。
「!! 瞬、ターゲットは?」
団長が俺に気付き殺したかを聞く。
「はい、全員殺しました」
俺が団長に近づきながら言う。
「そうか・・・・よ、よくやった」
そう言うと団長は俺のそばに来て恐る恐る俺の頭を撫でる。
「!!!!?!?!!!???!?!?」
俺は嬉しさと驚きでいっぱいで頭がパンクして放心状態になる。
「よ、よし行くぞ」
「は、はい」
団長が撫でるをやめたことで俺は冷静になり、俺と団長は倉庫を後にする
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45分後
俺と団長は由安の本部に戻り、一緒に大浴場に入り、上がって一緒に本部の食堂に向かっていた。
食堂に着くと無寺さんが食べていた。
「ん? おぉ、団長と瞬、任務どうだった?」
俺達に気づいたのか無寺さんが声をかける。
「あぁ、達成した、瞬がボスを倒してくれたおかげだ」
「へぇー」
団長は真顔で言うと、無寺さんが俺に向かってニコニコと笑いながらよかったなという視線を向ける。
「あれは団長がほとんどの敵を倒したからじゃないですか、俺が倒したのは構成員を4、5人、護衛一人、ボスと幹部六人だけです。」
俺がそう否定すると、団長は俺の方に向く。
「いや、十分だ。護衛のやつはかなりのてだれだっただろ」
「は、はい」
「護衛の・・・・玉だっけあいつかなりの実力者だ。そいつ倒しただけで期待以上だ」
「・・・・・いえいえ、そんな・・・・・もったいない・・・・・お言葉・・・です」
俺はそれ聞いて正直舞い上がったが、必死に抑えて平静を装う。
すると、ドタバタドタバタと大きい足音が響く。
無寺さんと俺は目を合わせて苦笑いをする。
団長は真顔から少し、本当に僅かではあるが笑顔になる。
足音がどんどん大きくなり、足音の主が姿を見せる。
そして、俺を見ると俺に向かって飛び込み俺に抱きつき叫ぶ。
「しゅんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!! 大丈夫だった?」
足音の主・・・・・姉さんは泣く。
「もう、姉さん、だい・・・・じょ・・・・」
俺は自分の目を疑う、姉さんの腹が切られ、血まみれになっていた。腹からは内臓などの臓器が見え、明らかに死ぬほどの血を流していた。
「ね、姉さん」
「そう、なの、ね、よかっ、た」
姉さんはそう言いながら安堵の表情を浮かべ、俺の体に寄りかかる。
姉さんの体は死体と同じ冷たさだった。
「あ、ああああぁぁぁああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ
あぁぁあぁあぁぁ・・・・あ」
俺は悲鳴をあげながら目覚める。
「はぁ、は、はぁ、はぁはぁはぁ」
頭の中がさっき見た姉さんの姿が焼き付いて、離れない。姉さんが、姉さんが、姉さんが!!!!!
「瞬!! 大丈夫、大丈夫、大丈夫」
そうしていると、義兄さんが部屋に訪れ、俺を優しくハグをし、優しく言いながら、義兄さんが頭を撫でる。
「・・・あ・・あ」
俺は義兄さんの体温を感じ冷静になった。
「落ち着いたか」
義兄さんは優しく声をかける。
「・・・うん、ありがとう」
俺は落ち着いて言うと、義兄さんは優しく笑いいつもの調子で言う。
「よし!! じゃ、学校に行け、新渚ちゃんが待ってるだろ」
「うん」
俺は覇気のない返事をし、身支度を済ませ、事務所から出て、新渚のアパートに向かって走る。
「はぁ、はぁ、はぁ」
俺は息を荒げながら新渚のアパートの部屋の前に立つ。
「すぅぅぅぅぅぅぅぅはぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は自分を落ち着かせるために深呼吸をしてインターホンを鳴らす。
ドアが開けられ新渚がいた。
俺はドア開けられた瞬間笑顔を無理やり作り、明るい声で言う。
「よう、学校一緒にいこうぜ」
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