1話 ある人とない人
この世界は不条理だ。
ある人とない人でこんなに差別されなきゃいけないなんて、不条理以外のなにものでもない。
この世界には異能力がある。
この世界では誰もが当たり前のように持っている物だ。似たようなものだったり、能力の規模が違うものもあるが、一人一人それぞれ多種多様な能力がある。
そして私が仰向けになって見える光景もこの世界では当たり前のものだ。
空を飛んでいる人間が20人ほどいる。手や足などの体の部位で風を出し、飛んでいる人たち。鳥の羽、虫の羽などで飛んでいる人たち。
少し見ただけどこれだけ色々方法で飛んでいる。
そして・・・今・・・・私をいじめている人たちも異能力を持っている。
「キャハハ!! あー楽しーい。ほら叫け喚け!」
今、嬉々として私を風で体を切り刻んで楽しんでいる人は七風操美。
自分の半径七メートル以内なら風を自由に操れる異能力持っている。
「ちょっと、操美。あんまり傷つけないでよ。治せなくなるから」
不満げに七風を注意する人は保治まな。
軽傷なら瞬時に怪我を治せる異能力を持っている。
「ねぇねぇ次は私にやらせてよ。最近、こいつをなぐれてなかったからいらいらしてるだよねー」
指の関節をポキポキっ鳴らして不機嫌な態度をしているのは弁田身子。
指の関節を鳴らすと一時的に身体能力をあげる異能力持っている。
「そんなこと言ったら私なんて、ずっと異能力発動しないとバレるから、あんまり殴れてないだけど。」
文句を行っている人は志透明。
空が飛べる人がいるのにいじめがバレてないのは、志透の異能力で十体まで生物を透明にし、透明になった人以外誰も見えなくすることができるからだ。
「まぁまぁ、いいじゃない。こいつがぼこぼこにする姿を見るのも。でも明は殴れる回数確かにすくないよね。じゃあ明日は明がやっていいよ。」
「マジで! やったー」
志透にいじめをやっていい許可をだした人は斬島京子。
五人のリーダーで、家がかなりの金持ちで私と五人が通っている学校に寄付をしている。
手から斬撃を放つ異能力を持っている。
私はこの五人のクラスメイトに毎日いじめをうけている。
ほとんど誰も来ない、横幅が大人4人分ほどの肩幅しかない路地裏で私はいじめられている。志透の異能力で全員を透明にし、斬島、七風、弁田、保治、志透が私をボコボコにする。
怪我をしたら、保治の異能力で治し、また私をボコボコにする。
これの繰り返しだ。
・・・なんで私いじめ受けなきゃいけないの?
私、誰か傷つけたの?
ねぇ、なんで?
なんでこの人たちはいじめをするの?
・・・・・・・・・・・・いや、わかっている。
いじめをする訳を私は最初からわかっている。
だって私は。
「いやーやっぱ新渚はいじめがいがあっていいわ。抵抗しないし、あ、ごめん。抵抗しないじゃなくて、抵抗できないだよね」
斬島は仰向けになっている私を踏み台のように踏み、
「『無能力者』だもんね。」
と高らかに笑いながら斬島はバカにするように言った。
そう、私・・・・・幸田新渚は無能力者。異能力がない。
その後、二時間ほどいじめられ、五人は満足し、意気揚々と帰った。
私も重い足取りで住んでいるアパートに帰宅する。
自室に着き、私は無気力に歩いて寝室に入り、ベッドに飛び込み自分の身をベッドに委ねた。
「・・・もう、いやだ」
私はそう言いながら、枕に顔を埋め、枕を濡らした。
そして、私は現実から逃げるように目を閉じた。
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