小鬼襲撃編 その12 守る
ルーカル正門
ドーン!っと裏門の方からルーカルの町のの壁を遥かに上回る炎が見える。上からは雷がドンドンとゴブリンを倒していく。
「どうなってるんだ...これは何かの夢なのか?」
騎士団長はあっけにとられた顔をもして、そうつぶやく。
「あれは光の民、ロゴスと言うより化け物だ」
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ルーカル上空
リリスがブルードラゴンに攻撃した時の魔法と威圧感を出して裏門の敵を全滅させるのを見る。
「裏門、正門のゴブリンの数がもう殆ど居なくなったな」
(はい、ですが魔力が残り僅かです。早めに決着をつけないと行けません)
「そうだな」
山の方角を見つめる。そして翼で山の方へ飛んでいく、突然移動を止めてゆっくりと山に降りていく。その下にはゴブリンが数名、その前に椅子に座ったキングゴブリンがいた。
「キングゴブリンお前は俺が倒す、五年前の戦いに終止符を打つ為に」
「小僧が!」
中から舞い降りるミタマ、眉間にシワを寄せイライラするキングゴブリンが見つめ合う。
「チェンジ、盾」
杖を盾にと戻す。そして木刀を強く握りしめて、魔力を体中に巡らせる。一気にキングゴブリンとの距離を詰め、木刀を振り下ろす。
「グッ!」
キングゴブリンは腕で防ぐが、座っていた椅子ごと飛ばされる。防いだ片手から血が流れる。キングゴブリンはとても痛そうに手を押さえる。
「そうか...お前があの男の言っていたガキなんだな!」
キングゴブリンは怒鳴るように大きな声で言った。
「あの男?」
キングゴブリンは立ち上がり周りのゴブリンに近づく、そして他のゴブリンの頭を片手で掴む。
「?」
いきなり掴んだゴブリンの頭を潰し、持ち上げ口でムシャムシャとゴブリンを食い始める。
「お前なにやってるんだ...」
怪我をしていた片腕が蒸気のようなものを発して治っていく。共食いをして、傷を癒やしたのか?そんな事まで出来るのか?
「ふぅ、おい!お前らあれを持って来い」
すると残りのゴブリン達が怯えながら奥にいく。そして、大剣を持ってキングゴブリンにそれを渡す。キングゴブリンはそれを持って構える。
「掛かってこい小僧」
さっきのように地面を蹴り、キングゴブリンに木刀を振り下ろそうとする。キングゴブリンはそれを見て、剣を横に振る、それに当たらぬように攻撃を辞めて後ろに下がる。間合いが長い...
「お前のようなガキにゴブリン達は倒されたのか」
もう一度地面を蹴り、キングゴブリンに近付く。
「また同じ事をつまらぬ!」
キングゴブリンが横に大剣を振る。だが、ミタマは後ろに下がらず突っ込んで来る。バカが!さっきの雷の魔法で魔力が少ないから、早く決着をつけようとして、突っ込むとは。ミタマに大剣が当たる、直前盾を片手で構える。
「ロックシールド!」
盾と大剣がぶつかり合いカキン!っと音を上げると同時にミタマの体が逆さでゴブリンの顔の目の前にある。こいつ、剣を盾で流し、勢いで浮き上がった!
ミタマがそのまま木刀に魔力を込め、思いっきりキングゴブリンの頭に木刀を降る。ゴブリンの頭に直撃する。よし!勝った!
(ミタマ様攻撃が来ます!)
キングゴブリンの拳が飛んでくる。ミタマは受け身を取れず、キングゴブリンのパンチに思いっきり当たるり、飛ばされ木に当たる。
「グッアッ!」
攻撃に思いっきり当たり、口から血を吹き出す。
「おい!餓鬼舐めるな、俺がそんな攻撃で死ぬ訳がないだろ」
キングゴブリンは歩いて近付いてくる、そのお腹はブルードラゴンのように紫色の光を発している。まさか、あいつの中にもあの石が?
「死ね!」
キングゴブリンが大剣をミタマに振り下ろす。体が動かないどうしよう...何も出来ない...俺はこのまま死ぬのか?また死ぬのか、五年前のように何も出来ずに...でも、もうどうしようもない、もし、この攻撃を防いだとして俺はこいつに勝てない。
「ごめん、皆」
口からそんな言葉がこぼれる。ごめん、皆?どうしてだ?何でそんな言葉がこぼれたんだ?...あぁそうか、俺が負けたら、皆殺されるんだ。ゴブリン達の相手をして皆、もう体力も残っていない俺が死んだら誰もこいつを倒すことが出来ない、だから皆殺される、冒険者の人達や兵士の人達。
それに、町の人達、ギルドのお姉さん、そして、リリス、エノメも...。五年前のあの日、俺は大切な物を守る為に強くなると決めて旅に出たのに、結局俺は弱いまま何も大切な物は俺には守れなかったな...
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(そんな事ない!)
!?なんだ?俺は目を開ける。そこにはエノメが、立っていた。ここは?
(ミタマは何も守れないなんてことないよ!)
横からも声がして、横を見る、そこにはリリスも立っていた。...いや俺は何も守れなかったんだよ。お前らを守ることも、町の人を守る事も出来なかったんだよ。
(ミタマ様は私達ををいつも守ってくれたじゃないですか)
俺が?お前らを?そんな事ない。
(ミタマは私の、あいつの大切な町をドラゴンから守ってくれた)
あれは俺はトドメを指しただけでリリスが自分で守ったじゃないか。
(そんな事ない)
そんな事あるんだよ!!!いつもいつも、お前らを守っていたのは俺じゃないお前ら自身だ俺は何もしていない!!!
(......)
.......。そっと2人が俺を抱きしめる。
(あなたは優しい人だから、誰かが困っていたら誰でも助けちゃうお人好しだから、気付いて無いのかも知れないけどね。私達はいつもあなたに助けられて、守られているんだよ)
.......俺は守れていたのか?
(もちろんだよ)
..........
(あなたは強いから何でも守れちゃうでしょ、私との約束も)
約束...
.............................
次の瞬間、キングゴブリンに振り落とされた剣をはじく!
「なんだ?この力」
俺は起き上がる。
(あなたは何かを守るために強くなるのだから)
そうだな、エノメ、リリス、俺は守る。
「神剣!」
神剣を両手に握る、そしてキングゴブリンに攻撃する。キングゴブリンはそれを剣で受けていく。両者、一歩も引かずに剣の攻防を続ける。
「お前は俺に勝てない!」
ゴブリンがそう言って大きく剣を降る。ミタマは下がって避ける。
「俺は約束を守る為にお前を倒す」
ミタマが神剣を大きく上に上げて構える。それを見たキングゴブリンも剣を構える。
「良いだろう。これで終わりにしよう」
両者に静けさが続く、そして足に力を入れ、2人同時に動き出す、ガキン!っと剣と剣がぶつかり合う。
「お前じゃ、俺を切れない!」
ギチギチと剣同士が音を鳴らし揺れている。
「うお!!!!!!!!」
剣により力を入れる。どんどんと力を押していく。
「うおおおお!!!!!!!!」
キングゴブリンは汗を多くだし、耐える。
「そんなボロボロの体のどこにこんな力が」
「うおおおおおお!!!!!!!!!」
ミタマが雄叫びのような声をあげると同時に、背中に片方の白い翼、そして片目が金色に変わる。そしてパリン!っとゴブリンの持っていた大剣が壊れる。
「なっ」
その勢いのままゴブリンの体を切ろうとする。
「お前じゃ切れ」
グサッと神剣がキングゴブリンの体を切っていく。
「その姿、その力、まるであの!」
キングゴブリンがそれを言う前に神剣で真っ二つにする。ゴブリンの体が倒れる。そして、ミタマの背中と目が戻る。そして神剣が消える、周りにいたゴブリン達はキングゴブリンがやられたのを見て走って逃げ出す。
「か、勝った...」
ミタマはそう言って倒れる。
次回 小鬼襲撃編 ラスト




