小鬼襲撃編 その4 それぞれ
雨の中地に死体と血増えていく。ゴブリン達は防具と圧倒的数で兵士達を押しのけルーカルに徐々に向かっていく。
「一匹たりともルーカルの町にゴブリンを入れるな!」
騎士団長が指揮をとるがどうにもならない。時間が経つほどこちらが不利になってくる。
「おい!ギルドからの応援はまだなのか?」
「後、少しだと思います!」
ここで戦ってる間に町の裏門に回られるとまずい、正面より兵士の数が少ない、量で押されたら一瞬で町への侵入を許してしまう。
「隊長!前!」
「!?」
前から矢が飛んでくる。とっさに避ける。
「矢だと?何故ゴブリンにこれを作る技術が?」
まだまだ沢山飛んでくる。何人かの腕や足に刺さり、動けなくなる。その動けなくなった兵士にゴブリンが笑いながら近づいき、1人が足を引っ張られゴブリンの群れの中に悲鳴を上げながら引きずり込まれていく。
「く、来るな!」
また1人ゴブリンが兵士を攫おうとする。片手に剣を持って笑っている。兵士は必死に逃げようとする。
「嫌だ!来るな!」
「グア!」
グシャ!っという音と同時に前に人が現れる。
「大丈夫か?」
「は、はい!」
「ギルドマスター!わざわざあなたが出るなんて、それほど敵は強大なのですね」
ギルドマスター!この人があの東の国最強の剣聖と渡りあったと言われている人。こんな所で会えるなんて!
「取りあえず、怪我人を後ろへ私が前に出る後の何人か続いてくれ、残りは魔法か弓で遠くから攻撃をするんだ」
前にギルドマスターが突っ込んで行く、どんどんと押し寄せるゴブリン達を斬り倒していく。その後から何人か続く。
「凄い!これがギルドマスターの力」
「何をボサッとしてる遠くから攻撃するぞ!」
「は、はい!」
兵士達の志気が上がる。これは心強い!
「待て~!!!私も一緒に戦うよ!」
???誰だあの亜人の少女は?みんながポカンとする。だが、ギルドマスターは少し嬉しそうな顔をする。
「面白い冒険者だ」
そう、ボソッと呟くと戦いに集中する。エノメはゴブリンに突っ込む。
「あの子、まだ子供じゃないか、それに何も武器を持っていない」
「!?」
「こら!君」
エノメが拳を握り締めて一匹のゴブリンを素手で殴ると勢いで周りのゴブリンも吹き飛ぶ。
「危な...???」
今、素手で殴った?しかも一匹殴っただけなのに辺りのゴブリン吹き飛んでるんだけど...え?
「オラ!オラ!」
次々とゴブリンを素手でぶっ飛ばして行く。
「あの子、魔力があんなに少ないのに強い」
「まあ、戦力が増えたならいい、協力感謝する!」
戦いは押され気味だったがギルドマスターとエノメのおかげでゴブリン達の勢いが止まった。だが、ゴブリンが多すぎてきりがない。
「どうしたらいいんだ!」
戦いが続く。
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ある村
ここの村の近くに例の洞窟があるんだよな。どこだろう?場所を村の人に聞こうとしたけど...誰もいない。
「誰かいますかー?」
無音。静か過ぎる、何かがおかしい。この村に人は居ないのか?
「ユナ」
(はい)
「この周辺で人を探してくれ」
(わかりました)
(.....)
何も喋らず無言になる。
「どうした?」
(それがこの村に人が居ないんです)
「人が居ない?」
(はい、その代わりに山の方に十数人の魔力を感じるんです)
「...山の方に?そこまで案内できるか?」
(はい)
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洞窟?
「本当にこの奥に人がいるのか?」
(はい)
ユナの案内で来たのは良いのだけれど、この洞窟...例の奴か?なんでこんな所に人がいるんだ?村に人が居なくて、洞窟の奥に人がいる...まさか!村の人達が魔物に食われた?もしもそうだとしたら早く行かないと!
「ユナ、もしも攻撃が来たら言ってくれ!」
洞窟の中に走って入っていく。足音と雨の音が洞窟に響いて少し不吉だ。
(右から来ます)
木刀を構え、魔力を込める。シャ!シャ!っと言う鳴き声の蛇のような姿がこっちに迫ってくる。木刀を頭に当てるが、押す力が強く徐々に押される。このままだと吹き飛ばされる!翼を出してジャンプして宙に浮かぶ。
「さて...このでかい蛇どう倒そうか?」
蛇...蛇か。
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ルーカル山付近
「ゴブリンキング様前線に強力な冒険者が二名ほど現れ、進行が遅れております」
「そうか...あれを出せ!それが無理なら気配を隠してルーカルの裏門から攻めろ、今正面を守るだけで限界だろう」
「かしこまりました」
キングゴブリンが椅子に座って仲間に指示を出す。するとスーツの男が現れる。
「もう、喋れるようになりましたか」
「まあな」
「いきなりその態度ですか」
「あんたのお陰でこの力が手に入ったからな」
キングゴブリンはニヤリと笑う。
「この力を使えばお前も倒せるかもな!」
いきなりスーツの男にパンチする。男にパンチが直撃し、吹っ飛んでいく。
「やっぱりな!お前が強ければわざわざ俺達にこんな事をさせなくてもひとりでルーカルを滅ぼせる筈だ。だがしないそれはお前にそれほどの力が無いって事だよな」
殴って飛んで行った男にどんどん近づいて行く。その姿はとても楽しそうだ。
「フッフッフ!」
「何だ?何が面白くて笑っているんだ?」
「いや、なにキングゴブリンも他のゴブリン同様頭がお悪いようでゴブリンはゴブリン何だなと」
「なに?」
キングゴブリンが男の胸ぐらを掴む。そして今度は殺す勢いで殴ろうとする。
「!?」
これは人形?すると突然後ろから声が聞こえてくる。
「それが本物じゃないと分からない時点で私よりかなりの格下なんですよ。あなたは」
後ろに振り返りながらパンチをする。すると次は人差し指でパンチを止められる。
「私がルーカルを襲わないのはまだその時ではないからですよ」
重力がかかったように体が重くなり、キングゴブリンは膝をつく。
「精々、私達の駒に成れたことに感謝してください。いい働きが出来れば後はその力を使って好きにしてください」
それだけいうと目に見えない速さでどこかに消えた。
「キングゴブリン様大丈夫ですか?」
立ち上がると突然ドン!っと椅子を蹴る。
「クソ!舐めた真似しやがって。いつか絶対殺してやる!」
キングゴブリンから何かオーラが漂っている。
ミタマ、戦場、裏の様子が見えてくる。




