楽になったんだ
20分前
「いてて...」
「大丈夫か?」
「なんとか...」
リリスが転んでしまって完全にエノメに置いて行かれたな。さてどうやってこの広い町からエノメを探そうか...
(こういう時こそ私の出番ですね)
ユナか、場所が分かるのか?
(ユナの能力をもうお忘れですか?)
何か仲間を探す能力なんてあったか?
(魔力を読み取り空間の敵の数、強さを教えるこれが大体の使い方でしたね)
魔力を読み空間の敵の数...まさか仲間も分かるのか?
(勿論です)
おお!やろう!
(かしこまりました.......)
(.......)
どこにいるんだろうな。
(....すみません範囲が広すぎて探し切れません)
...やっぱり一から探すしかないか。
(方法はあります!)
あるの?
(はい。私の言うとおりにしてください)
分かった。
ユナに言われたとおり俺は盾に魔力を集中させる。
(...見つかりました!)
ーーーーーーーーー
「ミタマ、ここで良いんだよね」
「ああ、そのはずだ」
だが、何も見つからないな...本当にここにいるのか?
(はい!エノメの他にも複数の魔力をここから感じます)
どこだ?ここらへんにいるはずなのに姿が見えない。他の魔力もあるってことは人がいる所なんだろうけど当たりに人なんて居ないぞ?
まさか...
地面に耳をつける。そして手で地面を叩いてみる。やっぱりだこの下に空間がある。
「どこかに入り口はないか?」
「うーん...何も見えないけどな」
「どうにかならないか?」
「そんなこといわれてもな...あっ!」
「なんか方法があるのか?」
「この前に買った魔法書に入り口を開く魔法があったはず!」
便利!時々、どこから入ればいいか分からない建物がその魔法を使うことによって解決するじゃないか、しかも入り口、出口と間違わずにすむ。なんて便利な魔法なんだ。
「よし!やってくれ!」
「確か、他の詠唱と違った感じの魔法だったな。コッホン!」
リリスがカッコ良く杖を構える。雰囲気がとても神秘的だ。
いつもと違うもしかして...閉ざされし、扉の場所を我らに教えたまえ的なかっこいい詠唱だろうか?
「開けごま!」
「...ん?.....あれ?」
するとリリスの杖が光始める。
変わった詠唱な割には神秘的だな。どうなるんだろうな。
ドーン!っと地面から振動がくる。
「うわ!何だこれ?」
ドーン!ドーン!ドーン!っと何回も地面が揺れる。
これは初級魔法なのか?
(ミタマ様、これは魔力暴走ですね)
え?
(魔力を込めすぎて初級魔法なのに上級魔法に劣らぬ威力になっていますね。あ!足元にお気をつけて)
???
ドーン!と俺とエノメの地面が下に移動する。と言うか落ちてるなこれ!
「キャーーー!!!」
「エノメ!!!」
ミタマとリリスが地下室に落ちてゆく。
「ミタマ様!!!」
エノメの声が聞こえる。そちらに目を向ける少し涙目のエノメと魔法の縄のようなもので身動きが取れず、服が少し乱れ、横に数人の男。そうか...ごめんエノメ俺がいない間に怖い思いをさせたな。
「おい!お前ら、天国に行けると思うなよ」
「お前ら!誰だよ!」
「....」
何も喋らず、足に魔力を込め、エノメの周りにいる男たちとの距離を縮める。そして木刀で男を全員いつもより強く、死なないように叩き気絶させる。
「エノメ大丈夫だったか?」
「うん!」
魔力の紐を手に魔力を込めて力を込めて千切る。
するとエノメが飛びついて抱きついてきた。目からは涙がこぼれている。
「怖かったよ~」
エノメが泣いたのはあの夜以来か...俺は...守って誓ったのに...また...また...あの時から何も変わっていないじゃないか。
「大丈夫...少し待っててくれるか」
「うん」
俺は立ち上がり後ろを振り返る。
「感動の再会は終わったのかな?」
「...」
さっきのように足に魔力を込めて、距離を詰める。
「ミタマ様!そいつは魔法使いで魔法陣と言う奇妙な魔法を使います!」
「今いっても、もう遅いぜ」
ミタマは魔法陣の上をとおる。ミタマにエノメに掛かったような魔法の縄がミタマに巻きつく。
「は!勝負あったな!」
ミタマに付いていた縄が切れる。
「なっ!」
ミタマの背中にドラゴンの翼がはいている。ドラゴンの翼を広げ縄を千切ったのだ。
ミタマの木刀に出来る限りの魔力が送られる。
カーン!っと木刀が音を鳴らし男の頭から血がでてくる。
気絶し、倒れ込む。ミタマがエノメのそばに行く。
「エノメ、ごめん」
「なんで謝るの?」
「だって...もしかしたらエノメが...」
エノメがもう一度抱きついてくる。
「ありがとう」
「え?」
「私、これからどうなっちゃうんだろうって怖かった、でもミタマ様が来てくれてとても安心した、助けてくれた、だからありがとう」
「でも...」
「でもじゃないごめんって言うのは悪い事をやったらいう言葉、悪いと思ってるからいう言葉、でもミタマ様は何も悪くないから、いつもなにかあったら自分の責任って思うのは止めて欲しい、ひとりで全部抱え込まないで、私達にも少しくらい責任を取らして欲しい、それで気持ちが楽になったらいつもみたいに笑ってどういたしまして言って欲しい」
「本当だぞ」
目から涙が出てくる。俺はあの夜からずっと責任を感じていたんだ...俺の判断一つ一つがこいつらの命がかかっているって怖かったんだ。こいつらのその言葉を聞いて俺は楽になった気がした。
「ありがとう」
エノメとリリスが目を合わせる。
「どういたしまして!」




