青龍討伐編 その6
青龍討伐編 ラスト!
気絶してる!!
「起きろリリス!!」
ドラゴンが混乱して手や尻尾を振り回している。
「グオオオオオオオ!!!」
ドラゴンがリリスに向かって爪を振り落とす。クソ!間に合わない、もう魔法石も無い。
ドラゴンの爪がリリスに当たる寸前で動きを止める。何だ?なぜ止まった?まあ今の内に!
リリスをおぶる。走ってドラゴンから距離を置く。どうなった?ドラゴンを見る、未だに動いていない。
「本当にどうしたんだ?」
(解析中........完了しました。ドラゴンの中にある別の魔力の力が強くなりました)
「つまり、その中の魔力がドラゴンに何かしらの影響を与えているんだな」
(正解です)
良くドラゴンを見る。するとドラゴンの腹の中に青の光が強く光る。
「あの青い光を解析」
(何か通信のような物が行われています。魔力の波長に同調し会話を聞きます。成功しました)
『この役立たずのドラゴンが!!力を与えてやったと言うのに討伐に来た東の国の雑魚冒険者に苦戦するなんてな!!!もういい、こうなればお前の体が持つか分からないが私の魔力を出来るだけ注ぎ込んでやろう。そうすればそこにいる冒険者や街を破壊する事が出来るだろう』
すると、ドラゴンがもがき始める。
「グアアアアアアアアアア!グアアアアアアアアアア!グオオオオオオオオオオオオオオ!!!.......」
ドラゴンが静かになると急に鱗が再生し、ブルードラゴンの見た目が前より禍々しい形に変わる。
!?明らかに最初の時の何倍も強い......。
「ユナ、解析」
(魔力がはじめに戦った時の十倍以上に増えています)
これは勝てない......。リリスをおんぶしながら走り出す。
「ユナ、俺とリリスが逃げ切れる可能性はどれくらいあると思う?」
(ありません)
早いな!
ドラゴンが翼を広げ飛び始める。翼も再生しているのか、つまり今まで与えた攻撃が無くなってると思った方がいいな。それは逃げれる可能性がないと言ったユナの気持ちが分かる、諦める気は毛頭ないがな!
はぁはぁと息を荒げながら走る。後ろを振り返る。
「グアアアアアアアアアアア!!!」
もうすぐそばにきてるじゃないか!
「サンダーボルト!」
避けずに直撃するが効いてる気配がない。さっきまでとは次元が違う。
どうする?多分逃げられないし戦っても勝てない、魔力ももうほとんど残っていない.....。
悪魔を倒したときに使ったあの力を使うしか無いのか?あの力を使おうとすると心の底から煮えたぎる怒りが湧き理性を失う、ここにいるリリスも殺してしまうかも知れない、それにもし倒したとして意識が戻って来れるか分からない、前の時はエノメを失う怒りで力を得ていたから、エノメが生きていたことでなんとか怒りが収まったが次は分からない。そしてアマテラスが言っていた事.....。
『あれは罪の一種だよあれを使い続ければ君の心を蝕みいつかは周りを巻き込むだろう』
体を蝕む....。
「グオオオオオオオオ!」
ドラゴンがもう追い付く!使うしかないか.....。
「グラントグラビティー」
ドン!っとドラゴンが地面に叩きつけられる。
なんだ?何が起こった?
(魔法です。しかもかなり高度な)
誰だ?辺りを見ても俺とリリスしかいない。どこだ?
するとリリスが起き上がる。
「リリス起きたのか。ドラゴンが動けない内に早く逃げてしまおう」
リリスが俺から降り、ドラゴンに向かって行く。
「おい!行くな!こいつはさっきまでとは訳が違う。今のうちに逃げないと」
「........」
何も喋らず、ドラゴンに近づき手を伸ばす。
何をしているんだ?リリスの周りにオーラが渦巻く。
「この世の理を全て読み解き、我に絶大な力を与え、かの者を滅ぼせ」
「インフェルノ」
ドゴーーーン!!!と爆発と共に火がドラゴンを襲う。
「グアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ドラゴンの辺りが爆発し、此方に爆風が飛んでくる。
なんだこれは凄い威力だ。魔法?だがあんな詠唱は聞いたことが無いぞ。
俺は爆風に飛ばされないようにしっかりと足に力を入れる。リリスは俺より近い所に居るのに微動だにせず立ち続けている。炎が消えていくと同時にリリスが倒れる。
「大丈夫か!」
リリスの所に走って行く。
「大丈夫か?息はある、気を失っているだけか良かった」
「グオオオオオオオ!!!」
「!?」
ドラゴンの方を見る、ボロボロで、焼けてもう瀕死の状態だ。
あの攻撃を受けて死ななかったとはでも、 もう終わりだな。立ち上がる。
ーーーーーーーーーーーーー
リリスが目を覚ます。
「.......あれ?ここは?」
「起きたのか?リリス」
何してたんだっけ?この声は確か....。そうだドラゴン討伐に来たんだった!
上半身を起きあがらせる。ミタマの方を見ると奥に焼けてボロボロになっているドラゴンがいる。
盾と剣を持って立っているミタマの姿を見ると見覚えのある気がする。
「大丈夫か?」
『大丈夫ですか?』
あの冒険者の声と重なる。
「うん」
「よかった」
『よかった』
ミタマがドラゴンの方を見る。そして木刀を地面に刺し向かって行く。
ドラゴンが最後の余力で爪を立てて振り下ろす。ミタマが盾でそれを防ぐ。
「神剣!!」
ミタマの手から輝く剣が出てくる。
そしてドラゴンの腹を真っ二つに斬る。その瞬間あの冒険者とミタマの姿が重なる。
「ウィリアム....」
勝手に口が動く。
ウィリアム....そうあいつの名前....私はそんな事も忘れていた。あの日ドラゴンが街を襲い、気を失ってから思い出せなかった名前、ずっと思い出したかった名前....。涙が自然に出てくる。
「私、ちゃんと君の大切な街を守れたのかな?」
ミタマがこっちを見る。
「ああ、ちゃんと守れていたよ」
『ちゃんと守れていましたよ』
ミタマがウィリアムに見える。
『頑張ったな』
とても笑顔でウィリアムが見てくる。
「うん!」
リリスも涙を流しながら笑顔で笑い返す。
彼にもう一度会えるならちゃんと言いたかった。
「私を助けてくれてありがとう」
ありがとう。彼の大切な街を守ってくれて。彼にもう一度会わせてくれて。
ミタマに笑顔を向ける。
青龍討伐編を見ていただきありがとうございます。
まだまだミタマとエノメの旅は続きます!
作品名を変えました!




