調合
村にエノメをおんぶしながら山を下りてくるミタマ。
「おぉ、冒険者よ!!ジャイアントビッグの死骸を片付けてくださったんですか?」
村長が山から村に入る所で待ってくれていたみたいだ。
「はい」
あれからジャイアントビッグの死骸を探そうとしたが見つからなかった。
悪魔しか居なかった、騎士があの悪魔を放棄したのか?どうみても危険だっただろう。
「なんと!!本当にありがとう御座います。あの悪臭のせいで魔物たちが山から下りてくるなんて事もありましたから」
そうだったのか、本当に良かった。
「どうお礼をすれば.....」
「この子を治療して頂ければ良いですよ」
おんぶしているエノメを見せる。
「いえ、それだけでは足りませぬ。村の者を集めてお祝いでも....しかし多くの者が病に...」
そうだった。まだ完全に解決したわけじゃないんだ。
村長も明るく振る舞っているがとても顔色が悪い。
「村長さんこっちに」
「はい、なんでしょうか?」
村長がこっちに来る。
村長の体に手を触れさせる。
ユナ、解析を頼む。
(かしこまりました)
(................)
(完了しました)
バッグからユナに言われて集めた草を出す。盾に草を近づけると盾に草が吸い込まれる。
「調合」
(調合を開始します)
(完了しました)
(薬を作成完了、出します)
盾から薬が出てくる。
これもユナの能力である。解析を応用した能力らしい。
「村長さんこれをどうぞ」
「これは何でしょうか」
「薬です。飲んでみてください」
「はあ」
村長が薬を飲む。
すると少し青く光る。
「おお、なんだこの薬さっきまでのだるさと痛みが嘘のように消えていく」
「僕が作ったお薬です、他の病人も治したいので連れてってもらえますか?」
「勿論です」
ある建物に向かう。
病院のような場所かな?ベッドがたくさん並んでいてその上に病人が寝ている。
「村長さんその人は?」
医者だろう白い白衣のようなものを着ている。
「この病に対する薬を分けて下さるそうだ」
「本当ですか?薬が足りずに困っていたんですよ」
「そうなんですか?なら全員分の薬を出しましょう」
バッグに詰めた草を全部吸わせる。
「調合」
薬を五十本出す。
それを全員に医者と一緒に飲まして行く。
「本当にありがとうございます。冒険者さんが来てくれなかったらどうなっていたか」
医者がお礼を言ってくる。
「大丈夫ですよ、後この子をよろしく頼みます」
ベットに寝かしつけたエノメをみる。
おんぶし始めてからずっと寝ている。
「任せて下さい。5日もあれば元気にして見せますよ」
「お願いします」
そういって建物から出て行くと村長と村の人が沢山いた。
「冒険者様、本当になんとお礼をいえばいいか、お祝いを今夜しましょう」
「いえ、あの子が元気になってからでお願いします」
「わかりました」
村長が頷く。
「お兄ちゃん、パパを助けてくれてありがとう」
「良いんだよお嬢さん」
小さい女の子がお礼をしてくれた。
他の人達もお礼を言ってくれる。
「みんなお礼ありがとうでも、感謝をするなら俺じゃなくて神様にしてくれ」
「神様?何ですかそれは?」
「神様を信じるとみんなの不安や問題を助けてくれる者だよ」
みんなが神様の話を聞いて目を輝かしている。
「じゃあ、我々に取ってあなた様が神様だ!」
「ちが」
「そうだよ」
他にも肯定的な意見が沢山でる。
「我々は神様に助けられた、神様を信じます」
「冒険者さまあなたの名前は?」
「ミタマです」
ピコン!ピコン!といきなり沢山鳴りだす。
このときの俺はまだ知らない。
この瞬間、この世界にミタマという神の誕生するまでの一歩を進んだのである。




