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公爵令嬢と殿下との婚約は解消されないじゃない!

 ※この話から新しい話。今回は、侯爵三女ちゃん視点となります。


 こんなはずじゃなかった。


 殿下が、ずっと前から嫌っている年上の婚約者と婚約解消して、わたくしと婚約したいって言ってくれたときには、とても嬉しかったのになぁ――――


 学園で出逢った本物の王子様……仲良くなって、好きになった王太子殿下が、お父様である国王陛下にお話をしてくれると約束して。わたくしは殿下の……王子様のお嫁さんになるのだと、うきうきした気分で過ごしていた。


 なのに、殿下と公爵令嬢との婚約は解消されることはなかった。


 なんで? どうして? って、悲しくて悔しくてパパに何度も聞いた。


 すると、うちの国の周囲の情勢が不穏で、殿下と公爵令嬢の婚約と結婚は他国への牽制で、うちの国内情勢はよくまとまっているということを広く知らしめるための政略で、どうしても必要なことなのだと説明された。


 うちも貴族派であるけど、貴族派筆頭の公爵家程の力と求心力はないのだと。それ故、国王陛下……殿下のお父様が、公爵家との婚約を解消させなかった、と。


 殿下が公爵令嬢を冷遇して、酷い態度を取っているのは有名な話で。わたくしが殿下と仲良くしていてもなにも言われなかったのは・・・


 もし公爵家が殿下の態度を腹に据えかねて婚約の解消を王家に求めたとしたら、有力な貴族派の家として順番的に、次の婚約の話はうちに来るだろうから。それで、わたくしが殿下と仲良くしていてもなにも言わなかったのだと説明された。


 お姉様達は既に結婚していて、うちの未婚の娘はもうわたくししかいないから、と。そんなの、全然知らなかった。


 でも結局は、公爵令嬢と殿下との婚約は解消されないじゃない!


 そう、不満に思っていたら・・・


「……国王陛下が、王太子殿下の側妃か、愛妾になら、お前を娶ってもいいと仰っていた」


 パパが、苦い顔でそう言った。


「え?」

「どうする? どうしても、お前が殿下の一番近くにいたいというなら……止めはしない。我が家も、貴族派としての責任があるからな。だが、お前が殿下のことを諦めるのなら、今すぐにお前を嫁がせる」


 今すぐ? 嫁がせる? わたくしを? どこへ?


「が、学園はどうするのですかっ!?」

「通わなくていい」

「い、嫌ですっ!?」


 本当に、今すぐ・・・下手をすると今日明日中にでも実行しそうなパパの様子に、思わず反射的に答えてしまった。


 だって、他の人と結婚したらもう殿下とお会いできなくなってしまうじゃない!


 殿下だけじゃない。学園のお友達にも会えなくなってしまうわ。


 それに、今すぐ結婚させるという相手がどんな人なのかも全くわからない。そんなの、怖い。だったら、すぐには結婚できない……というか、公爵令嬢よりも格下で側妃や愛妾という立場にはなるけど、殿下と結婚できる方がいい!


 どうせ、公爵令嬢は殿下に嫌われていて、わたくしの方が大事にされているもの。


「そうか。わかった。それなりの覚悟はあるんだろうな?」

「? え、ええ」


 よくわからなかったけど、今頷かなかったらきっとお嫁に出されてしまうと思ったので、怖い顔をしたパパの言葉に頷いた。すると、


「……お前の気持ちはよくわかった。では、陛下と公爵を交えて話し合いをして来る」


 溜め息を吐いたパパはお城に出掛けて行った。


。.:*・゜✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・✽


 読んでくださり、ありがとうございました。


 お花畑な侯爵三女ちゃんでした。(笑)


 そして、次の話はまたまた視点変更。公爵令嬢視点となります。


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