4月28日朝:拠所
一人の通学。
疎まれる学内。
前と同じと言えば同じか。
いや、そう言い切るのは失礼だ。
小出先生は心配してくれているのだから。
廊下で会った際に昨日の警察でのことを訊かれた。
「そうか、良かったな」
「はい。ご心配おかけしてすみません」
「別に私は良い。ーー誤解は、多かれ少なかれ誰でもするし、されるものだよな」
先生はこちらの細かい事情まで知らないはずだが、ここ最近の様々なことに当てはまる言葉だったために俺は深く頷いた。何か先生自身にも思い当たることがあったんだろうな……。
「そうですね」
「……本当にすまなかった」
「いきなりどうしました!?」
「いや、この間の自分を正当化していたような気がして」
「もう気にしていませんから……」
「確かに。今でもこうして話せるのは子日くんが隠さずちゃんと話したからだな。君の良いところだ」
小出先生は微笑みながらそう話した。
「そうですか? ありがとうございます」
顔では笑って返したけど、そんなことはない。一時でも俺は隠していたんだから。
「ありがとうございました。また何かあれば話しても良いですか」
「もちろん。なんでも……き、聴くには聴くから!」
「無理を言うつもりはありませんよ……?」