そうそうに離婚の危機。
「僕、2人に喧嘩して欲しくない。」
もう、一度終わってしまったんだ。
不意に、涙が流れる。何故だ?
「れ、れいじ?‥‥あ、すまない。
もう喧嘩はしないよ。なぁ。」
「え、えぇ、当然よ。
だから、玲ちゃん、心配しないでね〜。」
「うん、わかったぁ。」
「「?」」
不思議そうに俺を見つめる両親はそのまま、ソファに座った。
そりゃあ、不思議がるか。急に2歳児が発音よく話し始めたんだから。
「これから、気をつけよう‥‥。」
そうして、しばらく経った。
そして、俺は今、女性ものの派手なパンツを持っている。
いや、盗んだわけではない。
なんなら、母さんのものでもない。
父さんの『浮気相手』のものだ。
「‥‥はぁ、何やってんだよ。」
俺は今、迷っている。
このパンツをどうしようかを。
作戦はある。
それは、父さんにこっそり渡す。
これが1番良い。
だが、問題がある。それは、父さんが今、仕事でいないことだ。
「仕方ない、こっそり父さんの部屋のバックに入れるか‥‥。」
両親は今、冷めきった関係だ。
だから、寝る場所は別々で。母さんもわざわざ、父さんの部屋に入らない。
「不幸中の幸いだな‥‥。いや、そもそも冷めきった関係じゃなければ、こんなことにならなかったのか‥‥。」
はぁ、俺は結構大変なことしようとしてるのか?
「とりあえず、やるか‥‥。」
それから、俺は慎重に進んだ。
そして、なんとか父さんの部屋の前まで着いた。
「扉は‥開いてるか‥‥。」
偶然にも扉は開いていて、入ることが出来た。
だが、問題が生じた。
「ママ。」
母さんがいた。
「どうしたの?玲ちゃん?」
やばい。仕方ない。ここは、逃げる。
「なんでもないよ。」
「そう?ふふふ、玲ちゃんは可愛いわねぇ。
私は玲ちゃんのこと好きよ〜。」
「うん!ぼくもママがだいすきだよ!!」
「!?」
そして、俺は急いで、その場を後にした。
だから、気づかなかった。
「子供の好奇心は凄いわねぇ〜。
‥‥だから、あんな物まで持ってきちゃうのかしら?」
とっくにバレていたことを。
「今まであの人にしか似ていないと思ってたけど、『私にも』似ているのね‥‥。」