肉親との再会?
(誰だ?)
俺の目の前には、目に涙を浮かべる男と女がいた。‥‥幸せそうだ。
(どこだ?)
ベッドの上で俺は女に抱えられていた。
‥‥綺麗なとこだ。
そう思っていると、
「オギャー!!オギャー!!」
と、赤ん坊の叫ぶ声が聞こえる。
(可哀想に‥‥。お母さんが助けてあげないと。)
昔、大悟の妹がいて、なんだか懐かしくなる。
(どこで泣いているんだ?)
そう思って、辺りを見回した。
だが、どこでも、赤ん坊は泣いていなかった。
よく聞いてみると、泣いていたのは俺だった‥‥。
(自分だけど、自分ではないという感覚だ。)
自分の手を見てみる。
まるで、赤ん坊の‥‥いや、赤ん坊の手があった。
男と女をよく見る。
(あぁ、両親か。)
そこには、俺の両親、福山玲蔵と福山玲子がいた。
(タイムリープか?)
そうかもしれない。
‥‥ただ、そんなことはあり得ない。
俺は『リアル』。‥‥そのはずだ。
「あなた、この子の名前は玲司にするのよね?」
「あぁ、僕らの運命にちなんでね。」
俺の名前は2人の名前が似ているということが由来だ。
もっと、他にあるだろ‥‥。
「ふふふ。」
「ははは。」
それでも、2人は嬉しそうに、楽しそうに、
幸せそうだった。
まるで、2人は離婚したのが嘘のようだ。
だが、そんな幸せは長く続かなかった。
「なんで、トイレの蓋も閉めれないの!?
それに、脱いだ服もそのままで!!」
「無意識なんだから、仕方ないだろ!!」
しょうもない喧嘩だ。
だが、そんな喧嘩が何回も続く。
お互いのストレスは溜まって、溜まって、溜まる。
俺が2歳になる頃には、もう、お互いに冷めてしまっていた。
そうか、また、俺は同じ人生を進むのか‥‥。
‥‥いや、変えられるかもしれない。
「やってみよう‥‥。」
「やめてよ、2人とも。」
それがどうなるか分からない。
「仲良くしてよ。」
それでも、試してみよう。
「僕、2人に喧嘩して欲しくない。」
もう、一度終わってしまったんだ。
次回からは、2歳から入ります。
2歳まで玲司が何もしなかったのは、玲司の決心がつかなかったからです。