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悪魔の子  作者: 柊 カスミ
じんわり馴染む
9/14

一歩前

長くなったので2つに分ける決意をした。


 早朝、巣篭もり亭にて。俺は素晴らしい目覚めを体感していた。ものすごくスッキリ目が覚めた。


『あ〜……目覚めが快晴なのはいいんだがな?今丑の刻だぞ!!お前一刻しか寝てないじゃあないか!修学旅行を楽しみにしすぎた高校生かよ!』


 なんかわけのわからないことを捲し立てている。しかし、まだ丑の刻か。少し早いな。


『少し所じゃあねぇがな』


 あ〜…あれだ。早起きを意識しすぎたんだ。早く起きようとしすぎて、時間より早く起きちまったんだ。


『だからってやりすぎだろう。もう少し寝るか?』


 いやぁ、起きておく。2度寝しようもんなら、熟睡しそうだ。


『……そうか。まぁ仕方ないか。寝不足になるなよ』


 そんなこんなで俺は一刻と半刻の時間を無駄に過ごすことになった。


『時間があるなら弁当でも作れよ。朝飯と一緒にな』


 無駄にはならなさそうだ。




一刻後・・・シェル視点


 ふぁあ……。ねむぅ

 今日の目覚めはあまりいいとは言えないね。

 私は日が出るかどうかと言う時間に目が覚めた。ちょっと早いね。

 枕元の洗面器に水をはり顔を突っ込む。

 「冷たっ!」

 予想以上に冷たかったが、目は覚めた。

 私はいつものように店側の入り口を開けに行く。

 まだ早いかな?と思いつつ、戸を開けるとそこには、ライムちゃんが蹲ってた。

 「ライムちゃん!?何やってるの?」

 予想外すぎて叫んだが、許してほしいな。だって、もう居るとは思わないじゃん。



 ライム視点


 叫ばれた。ちょっとショックだ。


『側から見たらお前は変質者だ。仕方ないよ、こんなに早く来るお前が悪い』


 こいつに常識を説かれた、一番常識なさそうなのに。


『はっ!俺はこの世界で一番の常識人だぜ?……俺って人か?』


 お前がわかんないなら誰にもわかんないよ。……少なくとも人間じゃあないな。

 しかしそうだな、よく考えてみたら俺は今ストーカー男か。へこむなぁ


『今のお前は見目麗しい乙女だよ。しゃべらなければ』


 うるせえな、余計なお世話だよ。そんなこと俺が一番理解してるさ。

 叫ばれて少し落ち込んだ俺は頭を冷やすために一旦立ち去ることにした。


 「あ!チ、チョット待ってよ!どこ行くのさ?」


 うーんまさか呼び止められるとは思わなかった。

 「いえ、大したことじゃないですよ。早く来すぎたなぁと」

 そう言うとシェルさんは困ったように首を傾げて


 「そうじゃないんだけどなぁ。まぁいいや、とりあえずおいで。お茶でもしようよ、ハーブティーなら上手く入れられるんだ」


 そう言ってきた。

 俺は了承の意を伝えて緩やかな時間を過ごした。

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