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悪魔の子  作者: 柊 カスミ
じんわり馴染む
8/14

大したものですね

寝坊しました。ごめんなさい


『前回までのライムちゃん!初めての職場、どんなものかとドキドキワクワク!しかしなんということでしょう!終業時間になっても閑古鳥が泣いているではありませんか!エルフの綺麗なお姉さんに絆されて就職先を決めてしまったばっかりに!さぁライムちゃん!ここからどうするのか!お給料はきちんと出るのだろうか!不安で仕方がないがめげないで!ライムちゃん!』


 ……黙って聞いていたが、失礼極まりないな。絆されたってなんだよ、人聞きの悪い。確かにシェルさんは綺麗な人だがだからここに決めたわけじゃねぇよ?


『どうだかね。人間の第1印象は容姿だ。お前の無意識的な判断材料にそれが加味されてないとも限らんだろう?ちなみにエルフが見てるのは顔じゃなくソウルだ。だからお前が男だってのも気づいてるさ』


 ……お前、そんな知的なこと言えたんだな。っていうか、なんでお前がエルフについて知ってんだよ。

 そう問いかける。煽ってくるかと思っていたのだが、


『…そうだな、そのうち教えてやるよ』


 と、ずいぶんしおらしい回答が返ってきた。

 こいつについてはわからないことだらけだったが、少なくともこいつの言っていた“お前は俺”は違うことがわかったわけだな。

 そんな俺の思考が聞こえていないはずもないのに“こいつ”は黙ったままだった。



 ゆったりと時間を過ごしていると(お客は相変わらず)シェルさんから声がかかった。


 「もう時間も遅いし帰ってもいいよ」


 彼女に言われ、近くの閉められた分厚いカーテンを捲ると外は真っ暗だった。

 かなり時間が経っている。

 「じゃあ今日は失礼します」

 そう言って帰宅の準備を始める。すると、


 「あ、ちょっと待って。明日は早く……辰の刻くらいにここに集合ね」


 と、言われた。辰の刻か……まぁ、大丈夫だな。

 了解の意を伝え、帰路を辿った。


『ずいぶん早い時間に呼ばれたな。何するんだろうな』


 別に大したことじゃないだろうさ。ただ単に早くから開けるだけだろ?

 

『ただし語尾に知らんけど、と付くがな』


 ……俺は聞き流すことを覚えた。


『は〜、つれない奴』


 なんていうか、今夜はいい夢見れそうだ。

時間とか、1年間の日数とかは3代目勇者が決めました。

1刻とか丑の刻とか。時計は4代目の勇者が作りました。

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