おいおいおい!
次回のタイトルはお察し
巣篭もり亭に帰ってきた俺は、泥のように眠ってしまった。広い範囲を歩き回って疲れ切ったのだ。
明日から就活だ。忙しくなるぞ!
〜〜〜翌朝〜〜〜
『おい、起きな。就活だろ?俺は毎朝起こしにくる幼馴染じゃないぞ。ほら!遅刻遅刻!』
……うるせぇな……。はっ!
そこで意識が一気に覚醒する。
「遅刻!」焦りすぎたのか変な声がでた。いや、こういう時こそ落ち着け。……あぁ、別に相手方と予定を合わせてたわけじゃないから別に遅刻ではないな。
「おい別に大丈夫じゃないか。急かしやがって、まったく」
ん?声に違和感がある。風邪ひいたかな?そんなことを考えながらベッドから立ち上がる。……なんだろう、違和感が物凄い。
『良い加減気付けよ★それとも目を逸らしてんのか?ほら、大事なものがないだろう?』
大事なもの?なんだ?
この時点で俺は事の重大さに気づかなかったが事態はかなり深刻だった。俺はこの事に厠に行くまで気づかなかったわけだが。いや誰が気付くんだよ。自分の性別が変わっていると言う事実にっ!!
〜〜〜半刻後〜〜〜
『状況は飲み込めたかね?』
辛うじて……な?この悪魔め。知ってるんだったら教えろよ。男という意識のまま行動する所だったぞ。働く前に大浴場行こうとかしなくて良かった……。危うく変質者じゃないか。
『そうなりそうだったらその前に警告するさ。お前が変質者になるのは面白いがちと困る』
はっ、どうだか。……ってこいつ今面白いって言ったぞ!これだから信用出来ないんだ。
まぁ、女体化は別にいいのだが、仕事はどうしようか…。このまま行くか?それとも男として行く……?
『そのまま行けよw面白そうだし。名前は偽名でいこう。そうだなぁ……。ライム、とかどうだ?』
偽名……か。良いかもな。よしそれで行こう
今日から俺はライムだ。
さぁ、切り替えていこう。職場はどこにするかな?
〜〜1件目 薬屋〜〜
というわけで、薬屋にきたぞ。
店の外装はなんというか、普通だな。……『ロイルの薬屋』か。ドアがお洒落だ。
「すいませーん」
店内に入り眺めながら声をはる。綺麗に整頓された内装を見てうっとりする。綺麗だな。
「おや?なんともまぁ数奇だね」
「はい?数奇…ですか?」突然言われた意味がわからず首を傾げる。
「いやいや、こっちの話さ。さて、何をお求めかな?」
うーん?なんだか掴みどころのない人だな。って、いつのまにっ!気配が感じられなかった。かなりのやり手だなっ!
『素人が何言ってやがる』
ウルセェ。お前は引っ込んでろ。
悪魔(仮)を適当に遇らいつつ、会話を進める。
「あ、いえ、欲しいものがあるんじゃなくて、ここで働きたくて」
「あぁ、そうかい。いいよ」
『……えぇ(困惑)軽すぎねぇか?このネェちゃん』
…正直驚いた。こんなに軽く決めるのか。すごいな経営者って。
『いや、ただの店番かもしれんだろう?』
そんなわけないだろう。この強者がただの店番なわけないだろう。強者の覇気をビンビン感じる。
『あぁ、そうかい』
そんな感じに俺の就活は終わった。
『早すぎだろ…』
〜〜〜定期報告〜〜〜
被験体8番何故か性転換。7番の影響と推測。
他の被験体より反応が早い。
拒否反応もない。観察を続ける。