何なんだ?本当に
伏線とかはないよ。
〜〜〜実験室〜〜〜
「おーい、連れてきたぞ。開けてくれぇ」
俺は傷だらけの餓鬼を担いで、依頼主の元に来た。
この餓鬼、呆れるくらい軽かった。スラム出身ってわけでもなさそうだが、まぁこんな餓鬼いくらでもいるか。
「おー、お疲れ様。ん?随分傷だらけだね?初めからこうだったの?」
「あぁ、そうだ」答えつつも、そんなこと聞く必要ないだろう。と思っていた。
「おーい、劣化エリクサー用意してー。子供が重傷。被検体が重体」
「分かった。準備するから、連れてきて」
相変わらず、不気味だ。抑揚のない声がとても気味が悪い。
すると、「あ、そうだ。ちょっと待ってて」そう言って男?が奥に消えていった。
考えが全く読めないな。表情が見えないこともあるだろうが、声色が変わらないせいだ。あと、行動と言動に脈絡がなさすぎる。思考回路は、きっと幼児寄りだろう。そう思うと、不気味さも少しは緩和……されなかった。ただただ、気持ち悪い。
「はいはーい。これは、報酬だよ。ありがとうね」
受け取った袋を覗くと、銀貨が数えるのが面倒なほど入っていた。
気前のいい依頼主に感謝しつつも、気味の悪いこいつらから逃げるように立ち去る。
もう、関わり合いにはなりたくないな。
〜〜〜実験室深部〜〜〜
子供をエリクサーに浸して、簡易的に治療する。
この傷は、マーダーグリズリーかレッサードラゴンだろう。
ひどい傷だ。死んでいてもおかしくなかった。
もうそろそろ頃合いかな?
「確か、1番と7番を混ぜるんだったよね?」
「あぁ、全く。1つでも耐えきれないのに、二つもなんてな」
「仕方ないさ。それに、この子も死ぬことを承知できてるでしょ」
因子を、ビーカーに移して混ぜる。
決して身体に付着しないように、子供の身体に流し込む。
あとは、経過観察だ。ん?
子供の目が覚めてしまった。
〜〜〜???〜〜〜
ゆっくりと意識が浮上していき目が覚める
何だ?どこだ?ここは。
混乱していると、目の前に仮面の男?が二人現れた。さらに混乱した。
「目が覚めたようだね。どうだい調子は」
「気がついたようだね。違和感はないかい」
奇妙な二人が、問いかけてくる。俺は思わず
「意味わかんねぇよ!どういう状況何だよ!」と、叫んでしまった。
「あれ?知らないの?おかしいな、あの子には説明するように頼んだのに」
ふと、見ると、胸に受けた傷が治っている。
「あぁ、そういうことか。あんたらが治してくれたんだな。ありがとう」
と、お礼を言うと困ったように、
「あー、いや、そうじゃなくてね?いや、間違ってはいないんだけど」
何だ?歯切れが悪い。
「君は人体実験の被験体なのさ。」「ちょっ!何でそんな気楽にぃ」
は?人体……実験?
「な…んだ…と……じゃあ、俺は…何がかわった?俺は人間じゃなくなったのかそれともこれからかわっていくのかいったい俺はどうなっている感覚は変わっていないいやそれが俺が変わってしまった証拠かもしれないあぁもう馴染みの店にも顔を出せないな……もういっそ身投げでもしてしまおうか」
〜〜〜半刻後〜〜〜
「落ち着いたかい?」
男?が語り掛けてくる
「大丈夫です。いや、ほんとすいません」
かなりの時間取り乱していた。本当に申し訳ない。ある程度騒いだ俺は男?たちに事情を聞く事にした。
〜〜〜研究員説明中〜〜〜
端的に言うと、誘拐された。
本来は任意同行だったらしい。契約書もあったみたいだが、生死を彷徨っていた俺には何のことかさっぱりなわけだ。
まぁ、正常な奴がこんな人体実験に協力的なわけがない。そう伝えると驚愕していた。
何なんだ?こいつら。
そして俺はお詫びとして、7000枚の銀貨をもらった。何なんだよ。本当に
〜〜〜定時報告〜〜ー
被験体8番初期段階では安定。拒絶反応は出ていない。ただし、劣化エリクサーの影響の可能性あり。観察を続ける。以上