言葉の押し花
花は咲いている時が一番綺麗だ
押し花にして永遠に保管したい
なんてエゴは人の一生を豊かにする
この世の全ては移り変わっていく
花も命も心も等しく歳を取る
かすれたパソコンのキーボード
買ったのはいつ頃だったっけ?
心だけは若くありたいと抗う
けれど日に日に安直に傾き冒険をしなくなった
誇れることは過去にばかりある
あぁそろそろ人生の花弁が落ちていく頃か
周囲をみると新芽が顔を出している
完全に散る前に言葉の押し花をしておこう
私
ここに居たんだよ
ある信念をもってやってきたんだよ
遺書変わりの小説なんて気取ってさ
今はのうのうと生きている
大きく吸った息がおいしい
ここで私は猫が好きなのだと知った
ここで私は人も好きなのだと知った
未練を吐き散らかすつもりだった
それらは小説になった
気が付けば読者というものが出来ていた
嬉しかった
楽しかった
うーん……。
きっとこういった詩はウケないだろう
まるで卒業式の言葉みたいである
この詩集にはふさわしくないけれど
これが今の気持ち
「ありがとう、なろう。
私、なんとなく生きてみるよ!」
ここでの思い出を胸に
この詩集を完結させる
私を生きる
ただそのために
きっと違う場所で
花は咲く
その時に出逢えたらいいね
本当にありがとう。




