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ボクはクマちゃん

ボクはクマちゃん

君がそう呼ぶからクマちゃん


オモチャ屋で並んでいたボクを

手に取って笑顔を向けてくれた君


かわいい服も着せてくれたね

その日からボクは女の子になった

君と一緒だ!


なんだかうれしい

とってもうれしい


君と出逢ってからボクは

クマちゃんとして生きようと決めた


でも、最近遊んでくれない

ずっとベッドの中で


ゴホゴホ

ゴホゴホ


咳してる


「大丈夫?」


なんて言えないボクは

弱る君を見守ることしか出来ない


なんだかかなしい

とってもかなしい


君の力になりたい

君を元気にしたい


だから君の代わりに


いろんな景色を見せてあげる!


提案したのは君のお父さんとお母さんだけど

旅行をするのはボクだ


いろんな国の匂いもボクの毛玉に香らせて

持って帰ってきてあげる!


アロハ!

ニーハオ!

ナマステ!


たくさん勉強しなくちゃ

世界のあいさつ


ボクを撮るカメラマンさん

おみやげを選ぶ旅行会社の人たち


そして

四角い画面越しに微笑む君


大丈夫だよ

君には沢山の人がついてる

もちろんボクもね!


ボク、クマちゃん

君は病気になんか負けないってこと

知ってるんだ


だって君の大親友だもん

ボクに名前をくれて

かわいい洋服を着せてくれて


「ありがとう」


君と話す事は出来ないけれど

この毛玉に絡みついた世界の香りで

君にこの気持ちを返すよ


ほら、また元気な姿で

ギュってしてくれた


「ありがとう」


世界の香り

受け取ってくれたかな


心地よさそうな君の顔を見て一安心


疲れたよね

一緒に眠ろう!


あたたかい布団に移る世界の香り

君と出逢えてよかった


ボクはクマちゃん

君がそう呼ぶからずっとずっとクマちゃん

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