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ずっといっしょに・・・

見るたびに細く丸くなっていく背中

白髪交じりのあなたが作る

甘めの玉子焼き


あなたが見ている私はいつの頃の私ですか?

まだ赤ん坊のままでしょうか


ずっといっしょに歩いていけるわけはない

いつか来る別れを想像してみたら

目頭が熱くなってきたよ


我が儘のし放題で障碍を持ち

人より苦労を掛けてきた私を

いろんな場所に連れてってくれる


なかなか休みも取り辛かったでしょう

聊か申し訳なさそうに振り返ると

杖を鳴らして歩くあなたはにこやかで


ありがとうとごめんねが交錯する


体調が悪くなってタクシーで帰ることもある

「死にたい」なんて言ったこともある

その時は本気で心配したり怒ったりしてくれた


最後には笑顔で「ええねん」って言うあなた

そんなあなたが報われる世界であって欲しい

そう願う


いつかあなた自身の人生が始まるように

私も出来ることを探すよ

少しずつだけど……。



今日ね

トイレットペーパーを買いに

スーパーへ行ったんだ!


人が多くてもパニックにならなかったし

ちゃんとお得な方を選んだし

余計なものを買わなかったよ


……アイスはご褒美!


ちょっとずつ外に出ることから始める

買い物や散歩をして

失った人間らしさを取り戻す


だから

長生きをしてその瞬間を待っていて


必ず世間に証明してみせるから

私はあなたの自慢の娘だってことを


間違ってなんか無いって

あなたは常に正しいって


あなたがくれたのは「愛情」なんて

安い物じゃない

大切な「人生」そのものだから


私も生涯をかけてあなたに応えたい

それが今の私の気持ち


ずっといっしょに歩いていけるわけではない

それでも心は

あなたの心は


私が幼い頃から沁みついている

大切な思い出

宝物だから……。

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