表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流刃争記  作者: スマイロハ
試験編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/26

第十六話【愛すべきバカ】

「オレは強くなるためにこの島に来た。お前の言う試験を受けに来たんじゃ無い。」

島を含めた辺り一帯は、組織の管理下にある。

しかし、見張りを置く余裕は無い為、監視カメラが設置してある程度のセキュリティだ。

湖にボートは浮かんでいないし、持ち込むのは現実的でない為、島に入るには泳いで行くか空を飛ぶ必要がある。

そして、人間に泳いで行ける程甘い波は立っていない。

更に部外者が立ち入った際は、それとな〜く追い出すことになっている。

「柵があったろ?」

乗り越えた。

「危険!素人は泳がないで下さい!とか、書いてなかったか?」

泳ぐのは好きだ。

「…島に入った時、何か放送があったか?」

あったな。一週間とか、何とか?

(受験者として認められたんか?コイツ。)

質問には真面目に答える。

信じるのも良く無いだろうが、悪い人間の気がしない。

「いつ島に入った?」

一週間後に何が起きるのか。何も起きないのか。

取り敢えずは分かりそうだ。

「昨日の昼だな。良い天気だった。」

取り敢えず、分からないことが増えただけだった。

島の擬似敵は殆ど破壊されており、補充には少しの猶予がある。

「…俺は碧蛇流我。お前は?」

組織が認めたなら信じてみよう。

自分自身も、信じたいと思う。

「楓黄有空だ。ヨロシクな!リューガ!」

有空は右手の拳を突き出し、笑顔で何かを待っている。

「フウコユア?まあよろしく。」

流我も拳を突き出す。

少年は満面の笑みを向け、楽しそうにしているのが少し、何故か少し幸福に思えた。

それから何度か、強めの敵と戦うこともあった。

雷鳴を使えば、電気で動く擬似敵は簡単に倒せ、有空から尊敬の眼差しを向けられることもあったが、流我は見なかった事にした。

「お前バカなのに、名前覚えられるんだな。」

有空の動きを見ていると、とても知性を感じられない。

ただ、意外と直ぐに距離は縮まった。

流我がアクションを起こす度に、「何だそれ!?」「教えてくれ!」と、有空は質問攻めをする。

聞いてくるだけで、イマイチ才能は無い様だが。

「親友の名前だぞ?当たり前じゃねぇか!」

本当に、本当に最初はヤバい奴だと思っていた。いきなり斬り掛かってくるから。

まぁ何と言うか。素直な奴だと思う。

流我が抱いていた不信感も直ぐ消えた。

色々あって、有空が島に来てから一週間が経った。

色々の中身は、9割有空の暴走だったが。

「楓黄有空さん。島の中心に現れた擬似敵を討伐して下さい。」

放送だ。

島の中心には確かに一体居る。

「有空。真っ直ぐそっちに向かってる。」

今までの機械とは明らかに違う。

多分、対象者を追うようになっている。

向かって来るスピードが、有空と同じレベルだ。

「任せろ!ぶった斬ってやるぜ!!」

有空は大剣を握り締め、敵に合わせて振り下ろす。

「強ぇなぁ!?お前!!」

敵も有空と同じく大剣を持ち、攻撃を受け止める。

受け止めても勢いは衰えず、有空を押して突き進んで行く。

地面には2本の線が出来ていた。

「俺は手伝わないからな!」

これが有空に課せられた試験なら、ルール上問題無いとしても、手を出すのは不粋と言うものだろう。

有空には有空の、流我には流我の戦いがあるのだ。

(俺もアレとやんのか…?気乗りしねぇ〜…。)

明日の朝何が来るのか。完全に分かった訳では無いが、もしアレが来るならちょっと辛い。

この一週間で有空のステータスは大体分かった。

典型的なパワータイプで、そのパワーとスピードは流我を大きく上回る。

その小さな身体から、考えられない出力が圧倒的な手数でやって来る訳だ。

アレが有空を上回るパワーを持ってるなら、流我には合わない相手になるだろう。

「りゅ〜が〜〜!!」

有空が走って来る。アレを引き連れて。

手札が少ない有空にとって、ステータスで上回られたらどうしようもない。

そう悟って仲間に助けを求めに来たのだ。

アレと、その他大勢の擬似敵を引き連れて…。

「おい有空!俺はもっと慎重に行動しろって言ったよなぁ!?」

アレを相手しながらだと、流石にこの数は捌き切れない。

一応数を数えてみよう。1、2、3、…たくさん!

こうなったら逃げるしか無い。

憎めないし、何ならちょっと、結構、楽しい。

何か悔しいけど、楽しいんだよ。こう言うの。

流我にとっては数年振りの友達、だからかな。楽しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ